「日本のデモクラシーを深く考えさせる傑作」香川1区 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
日本のデモクラシーを深く考えさせる傑作
同じ監督の前作「なぜ君は総理大臣になれないのか」以上に面白かった。監督自身が語っているように、前作も今作も小川淳也や立憲民主党を応援する映画ではない。むしろ、その弱さも映される。新聞でも報道され周知のことだが、維新の候補に立候補取り下げの相談に行ったことなどはそうである。映画はその油断が生じた事情も教えてくれる。
対立候補の平井卓也はデジタル担当相だったときは余裕を持って取材に応じているが、選挙戦では段々と焦りが出てきて、逆に手作り感の強い小川と家族の選挙戦が段々と支持を広げていく熱気が伝わってくる。こうした時間の経過を経た変化を見るのは、ドキュメンタリーの醍醐味である。
小川の真っ直ぐな姿勢に見る人は好感も持つが、彼の前途多難も容易に見てとれる。日本のデモクラシーについて深く考えさせられる、良い映画である。
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