「いい子に育ってる故の葛藤」パーフェクト・ノーマル・ファミリー バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
いい子に育ってる故の葛藤
抑えた演出に好感が持てます。
過度な家族愛物語になっていないところも、
LGBTについてお説教っぽくないところも。
本作はエマの葛藤の物語。
そして大好きな家族たちが幸せを見出せる
着地点を見つける物語。
パーフェクトノーマルファミリーだから
こその葛藤かな?
いい子に育ってるから、気持ちに折り合い
つけようと踏ん張るエマが愛おしくて
たまりません。
あぁ!誰か気づいてあげてよ!
彼女凄く無理してるんだよ!
親が性転換するという類を見ない設定の作品。
これは経験者じゃないと書けない物語だと
思います。
親の性別が変わるということで
寂しい、悔しい、悲しい、疑問などなど
感情は生まれるものの、虐待された、離婚した
などの状況で生まれるそれらの感情とは
同じ名前ではあるものの、中身は全く異なるもの
だと思うからです。
パパだけどパパじゃない。
パパじゃないけどパパでもある。
あーー、ややこしい。
こんなの頭ですら理解できないです。
けど何とか大好きな家族のままでいたい。
家族とは?親とは?愛情とは?
エマの表情や行動で表現するあたり
見事ですねー。
カロは大人すぎますがねww
おねーちゃんは憧れであり、エマの
プレッシャーになってしまったかも?
唯一無二の存在が急に自分の中で
ぐらついてしまった時、人間が何に
すがるんでしょうね?何を拠り所に
するのでしょうね?
本当に必要なのはなんなのか?
エマが行き着く答えを本作で
見届けて欲しいです。
良い作品です。
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