「あるべき親子の関係なんてないことを教えてくれる」パーフェクト・ノーマル・ファミリー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
あるべき親子の関係なんてないことを教えてくれる
父親が性転換したいと言い出すって、子どもにしたらどんな気持ちなんだろう。母親にしたら妻ではいられないから離婚となるのはわかる。でも子どもたちにとってはパパでもママでもない親としての存在になる。
私は母親が高齢出産した子どもだったので、学校の催し物に出席する母親が恥ずかしかった。周りの母親と明らかに年代が違うから。女性になった父親のことを恥ずかしがるエマのことを観ながらそんなことを思い出した。全然違うかもしれないけど。これって子どもが成長して受け入れるしか解決法はない。まぁ、そんな感じになってて安心した。ラストの笑顔で救われる。
映画を観終わってから知っだのだが、これは監督が実際に体験したことをベースにした物語だそうだ。そう考えるとなかなかすごい話だ。一人の男が結婚して二人の娘ができて、その上で女性になるって決意するまでの過程が気になってしまう。子どもが欲しかったのか、後から自分の性別に違和感を持ったのか。そして、性転換したときの職場の反応とか。ここらへんのエピソードがなかったのは娘の実体験からきた物語だからなんだな。妙に納得してしまった。
コメントする