劇場公開日 2021年12月24日

  • 予告編を見る

「感動的な方向に持っていきたいのだろうが…。」パーフェクト・ノーマル・ファミリー caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0感動的な方向に持っていきたいのだろうが…。

2021年12月29日
Androidアプリから投稿

ある日突然、パパが「私は女性だ」と言い出した娘の心情を描いたということなのだが、これは、この映画の監督の実体験らしい。
こういう話を私小説風に、赤裸々に描けば、それだけでおもしろいといえるかもしれない。
ただ、これを父と娘がLGBTという障害を超えて、お互いを一人の人間として理解しあえましたという美談に仕立てても、感動しました!と言えるものでもない。
デンマークでは、人道的に認められるのかはわからないが、お父さんがタイに行って性転換手術を受けてくるところをみると、国内でそんな手術をする医者はいないということだろう。
少数派の人達が、世の中から迫害されないようにしてあげるのはいいことなのかもしれないが、それをあまりにも表側に持ってくると、世の中がおかしくなってくる。
この映画も、監督の実体験ぐらいでいいのではないだろうか。
性転換した父親と十代の娘が抱き合っても、感動できるものでもない。
ゲイを描いた映画で幸福な様子を描いたものは少ないので、そういう意味では、いい映画と言えるのかもしれない。
劇場で確かめてみてほしい。

caduceus