さがすのレビュー・感想・評価
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ずっとさがしていた
とても面白かったです。
佐藤二朗は福田監督の作品内でスベリ芸をしているイメージだったので、出てきた時内心「あー、佐藤二朗出てるのか、、」と思ってしまいましたが、いつもの違った雰囲気で、この人が俳優であったことを思い出しました(笑)
(正直、福田監督作品のあの独特の間が好きではないのでご容赦ください)
清水尋也は悪役が似合うなぁ、
冷たい目がかっこよくて、出てきた瞬間にザ悪役ってわかるのがいいですね。
伊東蒼ちゃんは前に「空白」を視聴した時にあまり話さず気弱な印象だったのに今回は一転気の強い関西女子であまりの憑依ぶりが天晴れでした。
関西弁上手だなぁ、と思ったらやっぱり関西出身。
新今宮・西成の辺りに住んでいる主人公らが、
意外と人情に溢れた下町で良かった。
だけどあの辺りは治安も悪いし、智は名無しに殺されただろうと思って見ていました笑笑
あとムクドリの生命力が強すぎてほんまに死にたいんか?と疑問を抱くレベル爆笑
智がだらしなくガサツな父親という描写でしたが、
最後までちょっと残念な印象。娘に山内の共犯者とバレるところもなんと爪が甘いのか、、。共犯者で自分は手を汚さず、だけどお金だけは欲しいと一丁前に欲だけはあってなんだかなぁ、と思って見てました。
奥様が死にたがっている意思を尊重して殺すのは、現代でもあり得ることだろうな、
楓が智を探していた所からなぜ過去に遡る?と思っていたのですが、全部見終わった後にはミステリーを読んだ後みたいで面白かったです。
最後の卓球のラリー、2人で話した後は球がなかったから娘の幻かなぁ?
片山慎三監督の作品はこれからチェックかも!と思いました。良い映画でした。
超えてはいけない壁がある
娘が走る先にはスーパーマーケット。たった20円で万引きをする父親。警察も加わって、父を叱り尻拭いをする娘。このシーンが映画の結末として最後に繰り返される。
救済だと自らを正当化し6万円のために殺人を犯す父親。証拠を掴み父親を観念させる娘。
死にたい人は沢山いるといいつつも、終盤には本当に死にたい人なんて居なかったと暴露する山内。最期に涙目に何かを訴える妻と、それから目を背ける夫。
「死にたい」「死んだ方が良い」という言葉が軽く使われるようになって久しいが、この作品は登場人物が各々の大切なものを探し求めるプロセス通じて、軽々しく捉えられるようになってしまった生と死の境目や、死をもたらすことの罪を、改めて強く描きたかったのだと解釈しました。
よく作ったね(´・ω・`)
出だしは、女子中学生が駆け回って解決する新感覚の映画かと思いましたが、中盤からかなり重く、生半可な気持ちで観ると具合が悪くなる映画でした。やっている事に良い悪いはありますが、人生のネガティブな面に向き合って、よく映画にしたなあという感想です。タイトルに各人の「さがす」が込められていて、上手かったです。障害者が辛いですね。キャストも良かったです。
胸糞悪いから2
佐藤二郎目当てで見ました
が
シリアスなのは知ってるし
すごく上手くて引き込まれた
最初に奥さんを手にかけて辞めたところとか物凄く良かったし
犯人の?清水くんも良かったが
いかんせんムカつく
スカッとしない
んーー
多分だけど
原作?の趣旨が見えないのかな
何を伝えたかったのかわからない
懸賞金もらって
やった!ラッピーじゃダメだったの?
なんでスマホまだ娘が持ってるのよ
返してもらえよ
まあ、スマホ持ってたから全部知ってたのかもしれないけど
だからって娘が父ちゃんを裏切るのか?
まあ、ダメ男だから
何やってもダメなやつは最後までダメだぞと言いたい映画だったの?
全然わからない
そんなダメ男でも奥さんのこと愛していたよね?
でもやっぱり最後まで見れないってこともダメだからってこと?
何が言いたかったんだろ。
私は逆に、娘にバレずに、
最後の子を殺した時に嫁と被って、嫁を思い出したくて、今度は佐藤二郎が、清水役をやる
みたいなヲチのほうが好みだったかな。
なんで娘に通報させんのさ!!
最後の卓球のところもあんなに長く続いて凄かったけど
それもなんか怖かったよ
バレて欲しくなかったし
詮索せず何も知らんほうが身の為?とでも言いたかったんか?
それとも
隠してもいずれバレるよ?ってこと?
何が伝えたかったのかわからん!!
胸糞悪い
答えが出なかったので2とします。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重い世相を素材にした軽い推理ドラマ
事前情報なしに見始めた。
だらしない父親にしっかり者の娘。ある日突然、父が失踪してしまい、娘は警察や学校に相談するが何の役にも立たない。
あーこれは社会派ドラマなのか、娘役の子は頑張ってるなと思っていると、シーンは自殺志願の女性と同意殺人屋のカップルの話に移り、殺人屋がたくさん人を殺していることがわかってくる。
おや、今度は自殺願望の話? 自殺を願う人々の多い社会病理の問題に移るのか。これは父親失踪とどうつながっていくのかと思って見ていくと、彼に殺された第一号が初めに出てきた父親の妻であることが判明。難病に冒され死を願う妻の姿から介護問題や安楽死問題に移っていくのか。
ところがところが、である。その後、父親と殺人屋は共謀で同意殺人を繰り返す殺人業に手を染めていき、やがて父親は殺人屋を殺し、責任をすべて彼に押し付ける策略を練る。その計画が完結する寸前、再び娘が登場。あ~こうつながってきて、こうひっくり返すのかw
というわけで、いろいろ振り回されて見てきたが、最後には納まりのよい推理ドラマで決着するのでした。
難病、介護、安楽死、自殺志願、同意殺人等の重っ苦しい話題を次々に重ねて肩が凝りそうだが、それはそれで刺激的で観客の興味をそそるし、あまり深く突っ込まずメリハリのついた場面転換を行うことで重さが後を引かない。それらを全部、最後に軽いタッチの推理モノにまとめる監督の手際の良さが光っている。
ただただ悲しくなった。
奥さんとの事やお金の事、手をかけた自殺志願者の事と
色々な要素が重って死が救いであると信じ、殺しを続けようとしてしまうのも少し理解が出来てしまう。
待ち合わせに応じていなければ通報されなかっただろうとも思うし、考える程に悲しくなる。
伊藤蒼の映画。
父と中学生の娘。
お金がない。
ある日、父は300万円の懸賞金がかかった連続殺人犯を見たという。
信じない娘。
その翌朝、父は失踪。
娘は父を探す。
日雇いの事務所で父の名前を発見し、現場に向かうと父の名前を名乗っている若者がいた。
失意の娘がふと見た指名手配のチラシには、日雇い現場の若者が。
父親の佐藤二朗がズルズルと悪事に手を染めていくさまも見ごたえがありますが、娘役の伊藤蒼の演技が光る作品です。
最後の卓球のシーン。必死に探した大好きな父を、警察に差し出した娘の心境。
父もその気持ちが分かっており、二人でラリーをする。
長く続くラリー。聞こえてくるパトカーのサイレン。
考えさせられましたね。
明らかにわかるCGは不要だったような。ミスしても普通に続けていても良かったかなと思いました。
by TRICKSTER10
見応えのある作品
タイトルの「さがす」対象は娘との最後のやりとりでわかる。父の携帯を見つけて、父が殺人(幇助)犯だと気づいた。以降はそれの確信を得るため、父の消息とともに父は何者なのか?娘は探していたことが何とも切なかった。最後の卓球で父の真相を隠すことを良しとしなかったことに、この映画の救いとカタルシスのようなものを感じた。
島での殺人犯のクーラーボックスからは、遺体ではなく、冷えた缶ビールが沢山出て来たシーンでは、序盤の酒を奢ると言ったところと繋がる。サイコパスな犯人に芽生えたこの父親と繋がりの意識だったことも切ない。
そう言った描き方から、内容は重苦しいはずなの、見終わって不思議と爽やかな印象もある。映画には様々な象徴的な要素が幾つか出てくるので、何度か見返したい作品である。
あと「かりん島」は香川の男木島か。僻地の田舎とエロジジイのピンク部屋という組み合わせも強烈でユーモラス。
サイレン
西成区と周りの地区は頻繁に何かしらのサイレンが鳴っている区なので即逮捕って言う事じゃないと解釈してます。
父親の危険予知が働いた結果、頭の中で鳴り響いているんじゃないかな〜
新今宮・西成界隈・動物園前・今池・山王(流石に飛田は行かなかったのね)・阿倍野・天王寺くらいをさがすのなら行けそうだが、引っかけ橋までさがしに行くかな?…
①こちらはほぼナチュラルな大阪弁(西成ですからやや下品)。
②“父を探して何千里”みたいな話なのかな、と思っていたら、安楽死に見せかけた快楽殺人+SNSで自殺願望者を釣って快楽殺人を行う連続殺人魔の話へとねじ曲げる様は最近の社会の闇を反映させたいのは分かるが、ややあざとい印象を与える。
しかし、父を“さがす”娘の姿と心情とにブレがない(単に行方を突き止めるだけでなく、最後は父の内面まで探し当ててしまう)おかげで、一本筋の通った映画となった。
③凄惨な話ではあるが、殺人の描写は少ないので絵的にはそれほど凄惨ではない。
絞殺シーンは二箇所あるが、ヒッチコックの『フレンジー』の中の一回目の絞殺シーンを観てしまうと、この程度では生ぬるい。
唯一痛いだろうなぁ、と思ったのは原田が山内を金槌で殴り殺すところ。冒頭にいきなり金槌を使って何かを叩くような動作をしている佐藤二朗の描写があるが、これの伏線だったのね。
④山内の連続殺人犯はステレオタイプを出ていない。従いあまり不気味さを感じない。
逃げ込んだ島でミカンをくれて家に上げて飯まで食わせてくれた親切そうなじいさんも殺してしまうのかな、とそこだけハラハラしかかっのに、このじいさん、とんでもないスケベシジイと分かった途端、同情心は吹き飛んでしまいました。
でも知り合いの島民はいるだろうから、じいさんが何日も姿を見せないことを不審に思わなかったのかしら。その不自然さが映画の説得力を損なっている。
⑤表面的には、原田は山内に引きずられる形で共犯になったような描き方だか、実は
神の目※2023/02/07追記
観終わってすぐに感じたのは、なんかすごいものを観たな、ということ。岬の兄妹と同じ監督さんだと後から気づいて、なるほどなとなった。
「この先どうなるんだろう?」という気持ちが、いいタイミングで解消されていく展開だった。話を引っ張られ過ぎると気持ちが萎えてしまう自分としてはとても観やすかったし、楓役の女優さんが本当に本当に素晴らしかった。思春期特有のとがった感じも、この作品のような極端な状況に置かれたときの感情の出し・引きもすごく良かった。
そして佐藤二朗である。妻を手にかけようとするも出来なくて感情が爆発する場面、娘の前でおちゃらけて見せる場面、最初の万引きのシーンでの、本当にしょうもない感じ。あの情けない感じがあるから、鬼気迫る演技も説得力があるのだなあと思った。
死にたい人を死なせてあげていると言う犯人は、きっと神にでもなったかのような万能感に浸っていたのだろう。自分の歪んだ性癖のはけ口に人を殺しているだけなのに、もっともらしい理由をつけて笑っている。普通に考えてありえないことなのに、智はわずかな金銭を見返りに手伝ってしまう。罪悪感を感じる必要は無いと犯人は言ったが、結果的にはむしろ相手の罪の意識を利用して犯行を手伝わせている。智の判断能力が正常ではなかったとも考えられるし、犯人に半ば洗脳されているようにも見えた。もしかしたら、妻を死なせた自分を正当化したいという気持ちもあったのかもしれない。もしくは、妻を死なせてしまったことで、自分にも人助けが出来るとか、自分は良いことをしているとか、自分は神にも似た力を持っていると思ってしまったのではないだろうか。偽物の万能感を得たことで、金銭への欲求がよりあからさまになったようにも見えた。犯人が死んだ後もこっそりアカウントの運営を再開してしまったのは、智本人が本当に死ぬつもりだったのか、また同じことを繰り返そうとしているのか……
最後に犯人が「本気で死にたがってるやつなんていなかった」と言っていた。智の妻も最後には生きたいと願ったのだろうか。自分としてはそこが一番キツかった。
※追記
岬の兄妹のときにも感じたのだが、重苦しい空気の中にもユーモアが確かに存在している。笑っていいのか迷うような絶妙なユーモアは、アリ・アスター監督の作品を観た時の感触と似ていると思った。
和製ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド⁉︎
数年前に実際に起こった事件、自殺志願者をネットで誘い出して殺して死体を大量のクーラーボックスに遺棄保管していた神奈川で起こった陰惨な連続快楽殺人事件をベースに舞台をシンディープな大阪西成で展開するサスペンスドラマ
冒頭、ハンマーの素振りする父親、監督は謎解きなんかよりも、実は許し難いサイコパスな犯人を容赦なく制裁するカタルシスなシーンが撮りたかったんじゃないのかと思った、タランティーノみたく、サイコパス野郎に鉄槌を‼️だね💩
父 佐藤二朗 娘 伊東蒼の演技は素晴らしくて特筆すべきもの
凶悪事件の詰合せ、ですかね
この映画の山内は、座間9人の白石、介護施設18人の植松、そしてリンゼイさんの市橋をミックスしたような感じで描かれている。例えば誘い込みや上辺だけの思想など。
きっと、彼の者たちは、この映画で描かれた山内と同じような性癖突き動かされて犯罪を犯したのだろうなと思った。
冒頭のトンカチの素振りは、時系列ではいつ頃なのだろうか。奥さん殺した後か、山内が指名手配されてから、それともムクドリの飛び降り後かな。判らない。
娘さんはどこまで知っていたのかな。まさか、自分の母親が殺された事実は知らないだろうが、スマホ回収から共犯は間違いないだろうという流れか。あ、だから警察を介さずに孤島へ、そして仰々しいサイレン音に飛び付いたのか。納得。
あっ、クーラーボックスから冷え冷えのビールが出てきた時に、ああ、佐藤二朗は山内に信用されていたんだなぁ、と感じた。
作り込みが少し浅いのか、流石に警察が勘繰るだろう足跡は沢山あったような気がするけど、まあ気にしない。
なかなか面白い作品だと思います。
二郎さんと清水くん素晴らしき
予備知識皆無でアマプラにて視聴。
「はるヲうるひと」に引き続き二郎さん。
本当にこのお方は殺人鬼の役が似合う。
妻の悲痛のつぶやきから殺人を実行してもらうシーン、色々と考えてしまいました。本当に妻は最期まで死にたかったのか...
みかん農家のじーちゃんめちゃくちゃいい人なのに殺され悲しくて思わず早送り。でもじーちゃんのアダルト部屋には笑った。24時間営業の本屋さんみたいな部屋。
白いソックスさえ履いてたら老若男女誰でも良かったんだなぁ...
そんな設定はさておき、中学生の女の子も素晴らしい。
清水くんの演技も相変わらず素晴らしく彼はいじめられ役と殺人鬼の役がめちゃくちゃ似合う。
スタイルの良さからこんな奴おったらメガネかけてようが目立つだろうにと思いながら鑑賞。
見終えた後にため息が出るような映画でした。
少女の成長
私、少女漫画読むタイプやないから
というセリフ
父親を探す冒険を経て
少女は恋をしたかしないかは曖昧だが、
少なくとも少女漫画を読むようにはなった。
父親以外の男に興味を持ち、
父親を乗り越えようとする話か?!
こんな邦画をさがしていた
本作を見たかった理由が二つ。
“主演”と“監督”。
佐藤二朗と言うと、すっかり福田バカコメディでのアドリブ全開おふざけ演技が定着。笑えるが、最近はうんざり飽きてもきた。
本来は実力ある俳優の筈。ムロツヨシも然り。
福田バカコメディでは萎縮するようなお笑い担当に追いやられるも、ひと度福田バカコメディを離れれば…。
本作が長編2作目で、初の商業作。
デビュー作の『岬の兄妹』に衝撃を受けた者としては、片山慎三監督はまた一人新たな気になる存在となり、この新作も今年の期待作の一つだった。
佐藤二朗の実力をたっぷり堪能。他のキャストも熱演。
片山慎三監督の手腕はさらに飛躍。
話の面白さ、構成の見事さ。
期待は違わず。いや、期待以上!
大阪。二人暮らしの父・智と娘・楓。
智は卓球教室を開いていたが、潰れ、今は日雇労働。生活は貧しい。妻/母を亡くしたばかり。
たかだか20円足りないだけで万引きした父に、楓は呆れ…。
その帰り道、「指名手配中の連続殺人犯を見た。捕まえたら懸賞金300万」と智。
相手にしなかった楓だったが、翌朝、父が姿をくらまし…。
父をさがす娘。工事現場で父の名を騙っていた若い男…。
見覚えが。父の言っていた連続殺人犯・山内。
追うも、逃げられ…。
が、山内の遺留品からある小島に辿り着く。
何か事件があったようで、古民家で倒れていたのは…。
3幕+α構成。いずれも“さがす”がキーとなっている。
まず、楓の視点。
ここはシンプルに、父をさがす。
連続殺人犯を見かけ、捕まえると言っていたが…?
まさか本当にやるとは…。
呆れもあるが、心配も。何か事件に巻き込まれたら…?
警察は全く動いてくれない。自分でさがす。
学校の先生や同級生男子も協力してくれるが、音信不通だった父から突然連絡が。
“探さないでください”。
私は捨てられた…? 怒り、悔しさ、悲しみ…もうイライラして、ムシャクシャして、感情が抑え切れられない。
可愛い娘ではあるが、跳ねっ返りが強く、毒舌な面もある。
『空白』では薄幸な役柄だったが、本作では強かな関西娘を、伊東蒼が熱演。2作続けてKO級ハード・サスペンスで重要な役所。まだまだ10代ながら、確かな演技力と存在感は末恐ろしい。
そんな中で見つけた父に繋がるかもしれない手掛かり。指名手配の男。
商店街や路地裏チェイス、毒牙を向けられそうになるも、その果てに辿り着いた小島。
見る側も楓と一緒になって父をさがし、謎が謎を呼ぶ。
一回だけじゃなく二度見返すと、開幕ですでに父の計画が…など伏線張られ、それがしっかりと“真相”に繋がる。楓のラストの“見つけた”にも深みが効いてくる。
3ヶ月前、山内の視点。
彼もまたさがしていた。“ターゲット”を。
SNSを通じて自殺志願者をさがし、接触。
相手は死を望んでいる。だからこれは“人殺し”ではなく、“人助け”。
報酬も貰って、完璧なビジネス。
肯定的な事を言ってるが、実際は…
ただ欲望の赴くままに人を殺したいだけ。山内は快楽殺人者。
“人助け”などではなく、ゾッとするれっきとした“人殺し”。
また一人、死を望む格好のターゲットが。
が、思わぬ邪魔が入って失敗。
逃亡。逃げに逃げ、ある小島に流れ着く。
そこであった老人に施しを受けるも、殺害。
再び都会に戻り、ある人物と再会…。
この山内のキャラは実際の事件や殺人犯がモデルになっており、確かにあれやこれや彷彿させる。
最もらしい事を言いながら、異常な殺人鬼。殺した相手(女性)に白いソックスを履かせ、オ◯るという変態気質。
清水尋也が怪演。
13ヶ月前、智の視点。
ここで伏線が繋がり、事件の背景や計画の全てが明らかになる。
智は悲しみ、苦しんでいた。
妻・公子が難病“ALS(筋萎縮性側索硬化症)”を患い、他人の手を借りなければ何も出来ず、智は親身に介護をしていた。
智は介護にうんざりし、嫌気が差していた訳ではない。妻を愛しているから。
妻が苦しんでいた。自分の力で動く事が出来ない。娘と大好きな卓球ももう出来ない。
こんな人として生きているのか分からない身体なら、いっそ…。
妻は望んでいた。死にたい。
妻は懇願した。殺して。
勿論智は真に受けなかったのだが…
智は知ってしまう。SNSに上げられていた本当に死を望む妻の声を。
智は目撃してしまう。動かぬ身体で自殺を図ろうとした妻の姿を。
智は悲しみ、苦しんでいた。そして、さがしていた。どうすればいいのかを。
ある時妻の望み通り、妻の首に手を掛ける。が、思い直す。無音になり、智は激しく泣き喚く。
この時の佐藤二朗の演技が絶品。激しく感情揺さぶられた。
全編出ずっぱりかと思いきや、開幕早々姿を消し、前半は出番ナシ。が、後半からは…
十八番のユーモアもある。
人間味もたっぷり。
滲ませる悲哀は並みの役者の比ではない。
狂気も孕む。
圧倒的に場をさらい、その動向、演技から目を離せない。
間違いなく佐藤二朗のキャリアベスト!
うんざりしていた福田バカコメディでの迷演を払拭させる熱演を、遂に魅せてくれた!
年末の映画賞、私なら主演男優賞を彼に一票投じる!
妻より先に自分が壊れそうになりそうだった時、出会ったのが…
山内。
この出会いも偶然だったのか、それとも端から山内が“ターゲット”として近付いてきたのか…?
苦しみ、妻の事、全てを打ち明ける。
山内が提案する。勿論最初は断るが………、山内は言葉巧みに、悩みに悩んだ末に、彼にお願いする。
そして、妻は逝った。山内によると、最後は笑みを見せ、安らかに。
本当に、これで良かったのか…?
遺影と遺骨を抱えて、葬儀の帰りの智と楓。
娘は泣いている。本当の事は知らない…話せる訳ない。
もし、知ったら…?
これは“有料コンテンツ”であって、無料ではない。後日報酬を渡しに言った時、山内から誘われる。
一緒にやりませんか?
何を?…なんて愚問。決まっている。
人殺し。山内曰く、死にたい人の望みを叶える“人助け”。
冗談じゃない!
が、再び山内に丸め込められ、多額の報酬に揺らぎ…。
ここから智の歯車が狂い動き出したと言えよう。
驚くべき事に、世の中には死を望んでいる人が大勢いる。
そんな人を、山内が用意した複数のアカウントを使ってコンタクト。実行は山内が。
やってみたらそう難しくはないが、報酬が期待ほどでは…。
そんなある日、山内が連続殺人犯として全国指名手配に。
やはり、騙されていたのだ。人助けなどと言っといて、殺人に加担させられていたのだ。
じゃあ、妻も…? 妻が死を望んでいたのは確かかもしれないが、それをいい事に山内の快楽の為に妻は殺された…?
今更悔やんでも悔やみ切れない。山内は外道だが、それに加担した自分も…。
暫く経ったある日、山内と“再会”。
騙され利用されていたこちらが今度は騙し利用する番。
山内を匿い、以前彼が殺し損ねた女性が死を望んでいると“人助け”を持ち掛ける。
その自殺志願者から300万円、山内に掛けられた懸賞金300万円、計600万円を手に入れる計画。
とは言え完璧な計画ではなく、山内に疑われて必死さをアピールしたり、実行中思わぬトラブルが起きたりと、智の人柄のような不器用計画がユニーク。
開幕智が言っていた「指名手配犯を見た」はまんざら嘘ではなく、この時すでに計画を進行させていた事や、“楓パート”のすぐ裏で智が近くにいた事や、山内が智の名を騙っていた事や卓球教室に居た理由も明かされ、これらを知った上でもう一度見たくなる。
山内の指示で小島の古民家へ。
山内が“人助け”を終えた後、隙を付いて彼を撲殺。さらに自分で自分の腹を刺し、“自作自演”。
そして娘も自力でこの島に辿り着く。
全てが繋がり、智も念願の大金を手に入れ、めでたしめでたし…とはいかないのが、ミソ。
片山監督はあのポン・ジュノの下で映画を学んだだけあって、確かに演出、作風、バイオレンスやエロスのインパクト、構成力、物語の見せ方…韓国サスペンスの影響大。“邦画ハード・サスペンス韓国風味”って感じ。
でもそれを単なる真似事や二番煎じではなく、しっかり自分の作品にしている手腕が素晴らしい。
智の心の闇。
山内の心の病み。
楓の心のさ迷い。
メインキャラの掘り下げだけではなく、さりげない人のゲスさや意表を付いたキャラ描写も面白い。
例えば楓、先生の自宅で世話になり、空になったゼリーのカップをマンション入り口に置いていく。
シスターの慈悲あるとは思えない言葉。楓のあの行為も分かる気がする。
山内を泊めた小島の古民家の老人の趣味は、AV収集!
自殺志願者の女性・ムクドリが特筆。「私なんて要らない人間だから」と死を望みつつ、毒舌で面倒臭い性格。人の弱さ、脆さ、気の強さ、森田望智の好助演と共に印象的。
退院してから土に埋めたムクドリの報酬を取りに。が、300万円の筈がたった6万円…。
警察から疑いを掛けられるが、疑いも晴れ…。
犯人逮捕の功績として念願の懸賞金を貰い、卓球教室を再び開いて、また穏やかな生活が…。
ある物を見つける。“人助け”の時に使っていたアカウント。アクセスすると、まだ自殺志願者が…。
悩んだ末、コンタクト。懸賞金を貰ったとは言え、生活はまだまだ貧しい。今後や娘の為。
一度手を染め、しめた味。人間の哀れな性。
が、待ち合わせに現れず。これで良かったのかも…。
しかし智に、衝撃的な行いへの罰が待っていた…。
ラストシーンは、娘と卓球。
打ち合いながら、楓が意味深に聞く。
察した智。「お前だったんか?」
アクセスしてきた自殺志願者は、楓。
無論自殺を望んでいる訳ではない。
楓はある時手に入れた山内のスマホから、山内と父の“人助け”を知ってしまったのだろう。
父を試し、信じたかったのだろう。
が、父は現れた。
さがしてさがして見つけた父。その父は、許されぬ罪に手を染めていた…。
近付いてくるサイレンの音。楓が呼んだのか定かではない。
智は罪を認め、自首したのか。それも定かではない。
ラストは憶測や見た人の解釈それぞれだが、印象的な終幕が。
見事な球の打ち合いをしていたが(このシーン、本当に佐藤二朗と伊東蒼が打ち合いしてたら、凄い!)、再開した時、球ナシで打ち合う。
卓球は父と娘、亡き母も含めたこの家族の象徴。
これは何を意味するのか…?
私は今もその答えをさがしている。
この面白さ、巧みさ、見応え、余韻、演出・脚本・演技など作品のクオリティー。
個人的に、『流浪の月』と並んで今年の邦画のBEST候補!
こんな邦画をさがしていた。
何故人は死にたがりそして何かを常にさがすのか
2022年でこれを「死刑にいたる病」と類似させてしまうことは罪なのか、それとも当たり前なのか笑
この片山慎三監督の独特のカメラワーク面白いっすねしかも演出の仕方が視聴者をその作品の世界に誘うかの様に2時間画面に集中してしまいましたね。凄いこの監督さんは、まだまだキャリアが浅いとかだから中々劇場多くなかったからなのかな🤔
予告を観てから気になっていたこのタイトル父が突然失踪したらそりゃあ中学生でも精神おかしくなるよね
でも楓ちゃんは、それでも強かったと思いました。
伏線を上手く散りばめ〇にたい人間は、そうそう簡単に〇ねない。だから〇し屋代行は生まれるだなと思った。後は、微エロというか島で出会ったAVおじさんああいうおじさんってどうやって買うんだろうね笑
うーん🤔感想出すの難しい作品でした。だからキャストについてです。
原田楓役の伊東蒼さんは、上手すぎないかぁ?本当にこりゃ活躍していく女優さんよ「空白」の時より飛躍して関西弁も違和感なく聞けて凄いなと思いました。今後の出演に期待してます。
山内役の清水尋也さんのこのさぁ〜狂気感エグいよなこの目というかな声が引き込まれますよね。
ムクドリ役の森田望智さん初めて見た方でしたけど、上手かったです。〇にたいのに〇ねない少女を上手く表現出来てたなって思いました。
そして原田智役の佐藤二朗さんいつものおふざけさをセーブにセーブしてるんだけどたまに出る佐藤二朗節がいい味が出てるなって感じましたね。この腐れおじさんが本当に上手いし障害持ち風な男を演じる上手さは、長けてるなと感じてます。
不思議な作品で引き込まれる作品でした。
ぜひサブスクやDVDを借りて観てみてください。親の前ではどうだろうなぁ〜って感じです。
しんどくなるほどのずーんとくる重さ。
気になってた作品で、アマプラで見つけたので鑑賞。
いなくなりさがす、というのは娘が父親を捜すだけではなく、父親が妻の思いを探し続けたのではないか、と思った。
娘は厳しい家庭環境に育ちながらも、典型的な中学生かと思いきや、父親より一枚上手ですべてを達観し、すべてのことを知っていたのでは、とも彷彿させる。
こんなに重い作品だとは思わなかった。
すごい映画だった
何も変哲もない普通のシングルの父親と娘。
くだらない事を言い合ったりして、過ごしているごく普通の家庭だった。
そんな生活をしている中で、ある事件の容疑者がこの近くにいる。それでその男には、懸賞金がかけられていて、捕まえる事が出来るかもしれない。そんな一言を残して、父親は、失踪した。
始めは、なんの変わりもない映画だなと観ていたら、だんだんと佐藤二郎の演技に引き込まれいた。
物語が進むにつれて悲しい事実と共にその事を知った娘の行動が何とも切ない気持ちになった。
自分にも身近な人が同じ事を起こしたら、どうするだろうか?
そこから逃げ出したくなる様な気持ちになるのかもしれない。
ん~結末が~
最後まで良かった
最後の最後の結末が~~~残念
ここまで残酷で行ってて正義見せちゃいましたね脚本 監督
見る側は映画でいて欲しかったです
残酷は最後まで残酷で行ってなんぼなんです
正義入ってきちゃうと急にR指定じゃなくなるんです
そしたら最初から正義側の主張の多い方がいいんです
最後の最後にがっかりしちゃうから
そうすると映画の印象が良くなく記憶に残る映画にはならないのです
伝説になる映画は最後の最後まで残酷なんです
スポンサーなんてどーでもいいんです
どれだけ裏切るか 残酷に裏切るか
だとクソ残酷映画好きは思いました
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