ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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復讐アクションと見せかけて、喪失の痛みを癒す話
タイトルと紹介文を見る限り、ライダーズ云々という悪人グループの悪事に巻き込まれて妻を失ったマッツがひと暴れしてそいつらを倒す話だと思うじゃないですか。当初はそういう方向性と見せかけて、もう全然違う方向に転がっていく。このタイトルはミスリード狙いだろう。
列車事故で妻を失った軍人マークスを、同じ列車に乗り合わせた数学者オットーが訪ねてくる。車内でほとんど食べないままのサンドウィッチを捨てて事故直前に下車した不審者の件を起点に、凄腕ハッカーのレナートやウルフの情報を駆使して「ライダーズ・オブ・ジャスティス」というバイカーギャングの犯行と確信し、彼らへの復讐を企てる。
短髪ヒゲモジャでもかっこいいマッツ演じるマークスは、大義名分のある側ではあるものの、行動がかなりエキセントリックだ。こちらを脅しただけのギャングの首を折ってあっさり殺したり、仲間のオットーでさえ気に触ることを言ったからと顔面パンチを食らわして道端に捨てて行ったりする。帰りが遅くなった娘の男友達にも有無を言わさずパンチ。
ところがマークスのもとに集まった一癖ある中年男たちは、マークスから離れていったりはしない。あれこれあるうちに、彼らの一癖の理由も見えてくる。オットーは交通事故で娘を亡くした。レナートは親からの虐待があったのだろうか、カウンセリング受診経験が豊富で、マークスに殴られそうになった時はズボンを脱ぎ四つん這いになって震えていた。ウルフは過去にいじめに遭ったと思しき鬱憤を死体蹴りで晴らしていた。トラウマを抱えたもの同士、互いの状況を他人事と思えなかったのかもしれない。
そしてそんな彼らにマチルデの彼氏、ギャングに囚われていたボダシュカも加わり、マチルデのカウンセリング(もどき)をしたり自暴自棄になったマークスを慰めたりして、互いを癒しながら擬似家族のような関係になってゆく。
マークスとその仲間達の心の傷の描写はあくまでシリアスに、ギャングとの抗争は殺伐とした雰囲気で描かれる一方(マッツのアクションがかっこいい)、彼らの会話やキャラクター描写にはほのぼのした雰囲気があふれている。このギャップが凄すぎて中盤あたりまでは作品の方向性を測りかねたが、結局狙ったギャングが列車事故とは無関係だったことで、ああこれはトラウマを克服する過程の物語なんだなと思った。
マチルデが事故の原因を求めて壁一面に貼った付箋について、オットーが語るシーンが印象的だ。ひとつの出来事にはそこに至るまでのいろいろな偶然が網の目のように繋がっていて、誰のせいなのか特定するのは難しい場合もある。
復讐の対象を無理に探し出すより、傷を見つめてしっかりと悲しみ、吐き出す作業をすることが、心が救われる近道なのかもしれない。
クライマックスの銃撃戦でマークス達がどんどん撃たれ、ウルフなどは「弾を避けた!」と言いつつ額から血がピュッピュと吹き出ていたので死人続出の残念な結末か?と思わせてからの、全員集合でハッピークリスマスエンド。おいおい生きてたのか、それにマッツたくさん人殺したけど捕まってないのかよ、と思いながらも彼らの笑顔に心があたたかくなった。
イェンセン監督の次の言葉に、本作のエッセンスが詰まっている。
「愛する人を失った時、人生のすべてが無意味なものに思えます。しかし、すべての意味を完全に理解しなければならない理由があるのでしょうか?死は理解できないものと受け入れ、愛する人たちに感謝しながら生きることが、人生において最も意味があると思いませんか?それだけで十分ではないでしょうか」
勘違い
UNEXTで評価高かったので観ることに。感想としては面白かったんだけど結局勘違いの殺人じゃないか!まあ殺される方も悪党に変わりはないんだけどライダーズオブジャスティスのボスが最後に「なんなんだお前らは」って言いながら死んだシーンは確かにとツッコミたくなるシーンだった!それでハッピーエンドを終わるからまた凄い!でも面白かったら良し!
誰かわからんかった?
結局マフィアは、無関係?
わざわざ言いにくるなよ。
あとどーなるん?
パルプフィクション入ってます?
マシュマケルセン分からなかった。
髭と丸刈り
まあ、ラストはみんな元気でよかよか!
思い込み症候群
母国で賞を獲ったと言うデンマーク映画ということで鑑賞、プロットは不慮の電車事故で妻を失った軍人が帰郷、まあ、お約束のような難しい年頃の娘といがみ合う日々、ビッグデーター分析で隠れた因果関係を探る胡散臭い研究者登場で事故の裏の陰謀説が父・娘を翻弄する・・・。
アメリカの心理学者マズローの言ったハンマーの法則が頭をよぎる、「人は金槌を持つと何でも釘に見えてしまう・・」といった思い込みバイアスの話です。軍人は何でも力づくで解決しようとし、学者は自説をあてはめがちで陰謀説には目が無いときてますから真相不明のまま話はどんどん拗れてゆくところが面白いですね。
娘も、もし、あの晩自転車が盗まれていなかったら事故には合わなかったとか不幸の元を探っている、何にでも因果を求めたり神に縋ったり、人の習性を冷笑しているような視点で描かれます。
そんな哲学的な裏があるなんて思ってもみなかったから単なるリベンジアクション映画と思って観ていたので多少、困惑、加齢臭が臭ってきそうなバッチいおじさんばかりの地味な映画、観終わってからめんどくさい映画と分かりました・・。
ただの復讐劇かと思いきや!
復讐に燃えるかっこいいマッツが観れるかなーと鑑賞。軍人がギャングの事件に巻き込まれて死んだ奥さんの為にただ復讐するだけの話かと思いきや、全然違うー!
めっちゃ面白かった😍✨✨
電車事故で亡くなった奥さんに席を譲った確率論者のオットーがこれはただの事故じゃなくギャングが起こした事件だと思い始めた。
そこで仲間のレナートとエメンタールの力を借りてこれが事件だと確信を持つ。しかし警察には相手にされないので、被害者の夫である軍人のマークスを頼りにいき、奇妙な復讐劇が始まるー!
で、なんだかんだで、愉快仲間に1名ウクライナ人が加わり、ギャングぶっ潰したけど、結局無関係でただの偶然で本当に事件だったってわかる。でもでも娘の笑顔を取り戻し友人もできて笑顔のクリスマスを迎えることができたのは、偶然ではなくやっぱり必然だったのではーって話。
サスペンスアクションに見せかけたヒューマンドラマなんだな、これは。
キャラクターみんなほんと個性的なでよかった👍
特にエメンタール✨✨
いいキャラしてたー🤣
「偶然」をテーマにするにはちょっとアホ過ぎでは
てっきり数学者の頭脳で事故を事件と見抜いて云々なのかと思ったけど、散々殺した結果「犯人だと思ったけど違う人でした」というのはちょっとアホの先走りが酷すぎた。アホ三人衆の存在がいい味を出している側面もあるのだが、自分にはちょっと行き過ぎに感じてしまい逆にげんなりしてしまった。アクションとコメディとハートウォーミングの絶妙なバランスという演出の観点では良い作品だと思うが、うーん。
偶然の産物…
世の事象の起点はそうなのかも知れない。考えても解決にならない。列車事故はテロ行為ではなく、結局はまさかの事故だったということで、だったら完全なる逆恨みによる復讐劇だが、かなりの悪党で世のためにも良かったし、マッツ親子の絆が芽生えた?ことでも良かった。無口で乱暴、娘との関係を上手くできない不器用なマッツと、ズッコケ3人組による北欧版アクションコメディは所々デンマークジョーク?についていけない部分もあったが、マッツ親子の仲を取り直そうとするハートフルの部分もあり、まとまっていた。
陰謀論の行きつく先
電車事故で妻を失った軍人が、事故の陰謀を信じ、ギャングに闘いを挑む物語。
リベンジアクションを想像しての鑑賞でしたが、寧ろ人間ドラマに振った映画でした。
日常生活に馴染めない職業軍人。妻の突然の死を受け入れられずに苦しみます。しかし、その「苦しみ」を自覚することが出来ずに、最愛の娘と衝突していきます。
陰謀論にしがみ付かざるを得ない主人公を、ややブラックユーモアを交えながら、それでも切なく描いていきます。
「陰謀論は陰謀論でしかない」。そんな結末は、観たいものしか観れない人間の悲しい性を現した秀逸な展開ではありました。しかし、(例え悪党とはいえ)勘違いで惨殺された人がいる・・・という展開は余りにも無残で後味の悪いものになりました。
主人公達がそれをどのように背負っていくのかが物凄く重要だったと思うのですが、その描写が見事にスルーされていることも、後味の悪さに拍車をかけてしまったように思います。。
私的評価は3にしました。
ハードボイルド、プラスちょっとコメディ
妻を列車事故で亡くしたマークス。列車に居合わせたオットーから事故ではなく、ある犯罪組織が起こしたテロだと告げられ、復讐に燃える。オットーの仲間3人と共に犯罪組織の仲間を次々と殺していく。
復讐劇のハードボイルドと思って観ていると、なんか???オットーたち3人のやりとりが呆れちゃうやら、マークスと噛み合わないおかしさや、で笑える要素もあり。軍人として家を留守にしがちで,娘との関係性に四苦八苦するマークスもどこか可愛く、どっち方面に話が進むのかわからない。ハッカーのポッチャリさんが何故か機敏に銃を組み立てられるところも何故か面白い。
無事復讐を終えたと思ったら、まさかのどんでん返し人違いだったとは!
たとえ犯罪集団で悪人とはいえ、あそこまで殺された人たち、死ぬに死にきれないよ!案の定復讐されちゃう。
娘の彼氏は散々巻き込まれて本当に気の毒。なんとか危機を乗り越えてのラスト、クリスマスパーティー🎄を開き、大人しく可愛いセーターを着ているマークスもおかしい。。でも娘とも関係修復出来、オットーたちとも友達になれたようで、なによりなにより。
鑑賞動機:マッツさん9割、あらすじ1割
今回は髭面スキンヘッドの軍人で無差別フェロモン散布は無しのマッツさん。リベンジアクションにほのかに『いつだってやめられる』シリーズの風味付で、シリアスだけどコメディ要素もちらほら。心に傷を負った者たちの疑似家族のお話ともとれる。と思いきやいきなりの急展開にはビックリ。
ラストはそんなほのぼのになっていいのかとも思うが、禍福は糾える縄の如しでクリスマスストーリーだからいいのだ。たぶん。
単純なハリウッド・アクションにはない複雑な味
一癖も二癖もあるけれど、純粋な主役のマッツ・ミケルセン。
アクションとしても面白く、マッツを助けるオッサン・トリオの活躍も、
一捻り二捻りしてあり、とても面白い。
軍人のマッツ・ミケルセンは突然の地下鉄事故で、愛する妻を地下鉄事故で亡くして、
心はボロボロです。
娘を守る術も知らず、ジィーッと耐える耐える耐える。
そこに地下鉄事故は仕組まれた。
ギャングのボスを死刑にする証人を消すためだった・・・。
そう知らされた時、マッツは戦う狂気と化す。
考える前に秒殺するスキルは、アフガニスタン派遣兵士の生き残り法。
ミケルセン髭モジャ短髪でも相変わらず渋い。
対するイケテナイ三人の頭脳派の中年オジさん。
統計数学のプロが2人。
顔認証システムのプロ。
軟弱でボロボロの精神不安定なオジさんたちが、
結果的にはマッツの妻を殺した地下鉄事故に、仕組まれた
ギャングのボスを護る殺人事故の加害者(ライダーズオブ・ジャスティスというギャング組織)に
復讐を遂げる話。
直感でしか動かない兵士・ミケルセン。
母を亡くした娘マチルデの悲しみに寄り添うことも慰めることも何一つ出来ない不器用な父親。
対して数学者のオットーとレナートはインチキ・セラピーを施したり、
母の死の原因を突き止めても悲しみから逃れられないとマチルデを慰める。
機関銃の一斉発射の暴力と、
悲しみに寄り添ったり慰めたりのバランスが絶妙です。
そこはかとなくユーモアも漂います。
ラストには思いがけないメルヘンなプレゼント。
クリスマスらしい仕掛けがタップリ。
柄違いのスキーセーターに身を包んだオジサンたち。
顔面認証のプロのエターナルは、唯一輝いていた少年時代のマーチングバンド。
そのホルンをプレゼントされる。
BGMは殺戮に不似合いな美しい讃美歌のコーラス。
デンマーク映画の底知れぬ実力に、酔いしれました。
盛大に拍手します。
過去鑑賞
結果オーライでハッピークリスマス。
愛すべき変態の国、デンマークです。
KAC PDW 10inchを、サクサクと見事に組み上げるエメンタール。死刑の無いデンマークで「死刑」を連呼してましたが、ギャングを襲撃するも実際にはPDWの引き鉄を引くことが出来ず。まぁ、そんなもんだわね。イザとなったら。
マッツ・ミケルセンはハマり役。イタリア映画「怒れる教授」シリーズを彷彿させる3人の研究者達もピッタリのキャスティング。
「何の恨みが?」って聞かれてもですね、「ゴメン。勘違い、と言うか思い違い」なんて、今更寝言にしか聞こえんよね?
って事で、日頃の行いを悔いて逝けよと。
しかしですよ。コレだけ派手派手に銃撃戦を繰り広げてですよ。下手すりゃ、一小隊分を殺っちまったにも拘らずですよ。ギャング団を殲滅してくれたから、お咎め無しですか?正当防衛?
ソレも、どーかとは思うけど。心情的にはスッキリで、面白かった。ママのご冥福を祈りつつも。
楽しかった。かなり。
後悔と謝罪と…
もし席を譲っていなければ?
自分のした事で他人の運命を変えてしまった!
しかも亡くなってしまうなんて、後悔以外の何でもない。
写真の人物をちゃんと調べていたら?
間違った情報で、思い込みによって
何人もの人を殺してしまうなんて、
そりゃ命狙われても仕方ない💧
娘の言葉にも耳を貸さず、
いつも自分自分の親父でも、
やっぱり死んじゃうのは悲しいね。
戦争はダメぜったい!!!
最後はハッピーな妄想Xmasパーティ🎄🎁🎅🌟
いろいろあって、類友な仲間が出来て、
お父さんの人生これから楽しかったかもね…
ホント後悔以外の何でもない🥺
1回観たの忘れてて2度観てしまったけど
シリウスとマチルデの身長差がステキだったのと
ハチャメチャな親父と愉快な仲間たちを見れたので、
全然私は後悔してませんよー!
最終的に偶然や運命について考えてしまう
同じ日の同じ病院で産まれた男に会ったことがある。大学の同級生なのだが、ものすごい偶然だと驚いた。あれは確率にすると何分の1なんだろう。
本作で語られるのは、あまりにも確率の低い偶然は作為的なものがある(はず)という理論。サンドイッチと飲み物をたくさん残してゴミ箱に捨てた人間は不自然というところから、作為的なものがあるのではないか?と怪しみ、犯罪集団のリーダーの裁判で証言する人間が事故で死んだことから、犯罪集団の仕業だという結論に至る。そこからは復讐劇が引き起こす新たなる復讐劇と繋がっていく。
その復讐劇はどこまでいくのだろうと思っていたが、まさかの人違いという結論になるとは思わなかった。サンドイッチのくだりも、あまりにマズイから捨てたという理由。賢い人間が考えた通りに人は動かないという、当たり前のことを突きつけられた。
でも、襲撃してきた集団を返り討ちにしても正当防衛が成り立つし、その後も普通の生活が送れるのかもしれない。そこはちょっと釈然としないが、相手が犯罪集団だからOK!ってことなんだろうか。
でも、復讐劇ではなく、事故で犠牲になったの人の家族が再生する物語として、虐げられた天才たちが絆を確かめ合う物語として面白かった。イメージしたものとは全く違うが、これはこれでいいって映画はたまにある。これも確率的には高くない。運命を感じてしまう。
【”偶然の積み重ねで人生は成り立っている・・。”北欧の至宝演じる最強の軍人、オカシナ数学者達と亡き妻の復讐に乗り出すが・・。シニカル&コミカルな不思議なテイストのヒューマン&アクション映画。】
ー 全く知らなかったのだが、マッツ・ミケルセンは今作の監督・脚本を担当したアナス・トマス・イェインセン監督とは、5度目のタッグだそうである。
更に、マッツ・ミケルセンは今作ではイケてるおじさんの魅力を完全に封印し、感情を暴力でしか表現できない最強の軍人マークスを笑顔一つ見せず演じている。
彼が、しばしば、口にする言葉は "又、やってしまった・・。”である。ー
◆感想
・今作は只の復讐映画ではない。
一人の男が、オカシナ数学者達や、年頃の娘マチルデ、貧困の果て売り飛ばされた青年と関わる事で、人間として暴力以外の感情を示すことを取り戻して行く様を、オカシナ数学者達との関係性をユーモアを滲ませながら描いている。
今までに出会ったことのないタイプの魅力的な映画になっている。
・つまり、今作はアフガニスタンで、最前線で闘っていた故に、自らの感情を暴力でしか表現できない男が”様々な偶然”に翻弄されつつ、人間性を取り戻す様を描いている。
・その過程は、時にハードなアクションで、時にオカシナ数学者達(一名は、マークスの妻と娘が乗る列車に乗り合わせ、マークスの妻に席を譲った事で彼女の命を奪ってしまった事を後悔し、マークスに”事故ではなく、犯罪組織が絡んだ用意周到に計画された殺人事件だ!”と告げる。)との関りの中や、時に年頃の娘とボーイフレンドとの関りの中で描かれる。
- その描き方が、ユーモアを感じさせる部分があったり、人間味あるシーンを絡ませている点が、独特で面白いのである。-
<”偶然の積み重ねで人生は成り立っている”ことを、実に巧く見せている映画である。
・”あの時、青い自転車を注文せずに、お爺ちゃんの言う通りに、赤い自転車を買っていたら・・。”
・”あの時、お母さんが運転する、車のエンジンが普通にかかっていたら・・。”
・”そして、学校に行けずにお母さんと娘が買い物に行った帰り、列車事故に巻き込まれなければ・・。”
・会社を馘になった数学者が、”事故ではなく、殺人事件だ!”とマークスに言わなければ・・”
犯罪組織の猛攻撃を受けた際、まさかのオカシナ数学者達と、貧困の果て売り飛ばされた青年が犯罪者たちに連射した銃撃シーンに驚きつつも爽快感を感じ、傷ついたマークスが木に凭れながら娘に語った言葉が、妙にココロに染みた作品。
生きる意味を見失いつつあった人々が、ラストシーンでクリスマスを祝うシーンも良い。
マークスの服装にクスクス笑ってしまったよ。
皆、幸せそうだったね。>
■敢えて記す。(多くの人に下記の劇場に観に行って貰いたいので。)
・今作は、とても観たかった作品だったのですが、私の居住区では上映されず。(大都会の駅前の映画館のみだったかと記憶する。)
それが、地元の西三河の映画を愛する人々に長く愛される「安城コロナシネマワールド」で本日より上映された。
もう一本観た新作映画は閑散としていたが、今作は、市松模様で6割の入り(この地域では、凄く多いのです。)で、「安城コロナシネマワールド」には、感謝を申し上げる次第であります。多謝。
主演の人がカッコ良かった
予告をみて ちょっと前からあるジャンルの「舐められてちょっかい出されたヤベー奴が娘や妻の為に無双モノ」かと思ったら。ちょっと外してきたモノでした。最近 そのどうちょっと外すかが オリジナリティになってる映画が多いですねー。
すごくまとめると。「電車事故を起こしたマフィア」でなく「青色の自転車をパクッたヤツ」をなぜ探して殺さないのか? というのが本質なんじゃないかなと感じました。
この事件より以前から登場人物の大半は心にも身体にも支障をきたしていて。言葉選びが難しいのですが、この一件により皆がポジティブな方向に向く必要性を理解します。それは一人一人では難しくって。目の前に自分とどこか似たどうしよもないヤツがいないとダメだったんだろうなと思います。
「偶然」も「必然」も 結局 捉え方次第で。受け入れ難い理不尽に納得するのはあきらめとは違った選択なのかと悪役が一人も出て来ない映画を観て思いました。
マッツなら、なんでもOK❗️
娘の彼氏をいきなり殴る→マッツだからOK
友人を殴って車から道端に捨てる→マッツだからOK
力加減間違えて人を殺す→マッツだからOK
ギャング団を勘違いで大勢殺しても、捕まらずにクリスマスパーティをする→マッツだからOK
もう本当に軍人にしか見えないマッツの大暴れが圧巻。
サスペンス、アクション、ヒューマン、コメディとごっちゃ煮で、童話のような導入部とエンディング。トッピングの寓話も効いて、もうなんとも言えないお味!
普段なら「こことここは辻褄が合わない」なんて、納得できない箇所があるとついつい辛口批評になってしまう私ですが、この映画はもうそんなことはどうでもよくなるんです。マッツ様が演じてるから、そして脚本が面白いから。
帰りに映画業界の方と偶然感想を交わし、デンマークの映画事情をお聞きしました。デンマークは国営の映画学校があって、無料で入学できるのだそうです。しかも外国人も。良い映画が多いのが頷けました。
よくある復讐もの、ではなかったです。
予告編を見て、マッチョとオタクがチームを組む様な良くある復讐譚かと思っていましたが、いやいやひねりが効いていて飽きない展開でした。
笑っていいのか悩んでしまうジョーク、皮肉もたっぷりあり、これでいいのかと想うエンディングも含めて、デンマーク・北欧の味付けの映画なんでしょうか。ハリウッドでリメイクされそうです。
2022 上半期トップ10 ランクイン
いやぁ~笑た!!
痛快・リベンジ・アクション映画かと思いきや…
笑える笑える…21時過ぎの上映回で眠くなったら、どうしようと不安でしたが、正に杞憂でした。
でも、ただ笑えるだけでなく、器用に人生を生きられない人達の憂いが描かれていて、奥深い。
あれだけ乱射されたら、死んじゃっても仕方ないわな…えっ生きてたの、良かった(^^)/
もう一度、観ようかな♪
カウンター
「アナザーラウンド」ですっかり惚れてしまったマッツ・ミケルセンの主演作、しかも「アナザーラウンド」「カオス・ウォーキング」とは全く風貌の違うイカつい軍人という新たなミケルセンの魅力を堪能できると思い鑑賞。よくある復讐系の作品かなと思いましたが予想とは違うものに仕上がっており、見事にカウンターを受けてしまいました。
主人公マークスが妻が電車内での爆発事故に巻き込まれて亡くなり、その電車に乗っていた数学者のオットーが事故ではなく事件だということを伝え、ぞろぞろやってきた他の学者たちも巻き込んでマフィアへの復讐劇が始まる…みたいな触れ込みだったのですが…。
今作のメインテーマはアクションでも復讐劇でもない、大切なものを無くした人の精神面な不安定さを描く作品でした。これがまた中々見たことのないジャンルミックスだったので驚きでした。マークス、マチルダ、オットーがそれぞれ葛藤する場面が中盤からラストにかけて濃密に描かれます。マチルダは母を失った悲しみをずっと背負っており、母が亡くなるまでの「流れ」を一つずつメモに記して壁に貼っていたり、心理カウンセラーを強く頼っていたりと、最初から最後まで精神的不安な状態を映しています。オットーは娘を交通事故で亡くしており、その反動からか家族の関係にとても敏感で、マチルダの面倒をよく見てくれます。「流れ」そのものに言及している場面も多々見られ、優しさがとにかく滲み出ています。マークスはかなり強がっていましたが、終盤で一気に寂しさ悲しさを爆発させ、1番感情的なのもあり洗面所の鏡に頭突きして見事に割りますし、風呂周りのものを全部壊しまくりますし、管を壊そうとしたけど壊せなかったりと、茶目っ気のある暴れっぷりはクスッと笑えてしまうものにもなっていました。
他にもアナ○セ○クスなどの拷問を受けたボダシュカやマチルダの彼氏のシリウスなど、何故かみんな集まって擬似家族的な形に仕上がっていくのもちょっぴり面白い要素になっていました。
でもアクションもほんと少ないながら良かったです。マークスが一撃で殺したり、銃で乱れ打ちしたり、自宅に突撃された際は必死の抵抗をしたりして、ピンチになった時はオットーはじめ銃の訓練を手がけた学者の皆様方が一斉に発砲しマフィアを一掃するという雑だなという見方もできますが、これが中々に爽快なものでした。躊躇なく撃ち殺すのもまた良い。
最終的にはクリスマスパーティというマフィアをぶっ潰した後にそんなハッピーなことするんだ!?というある種新鮮な映像体験でした。さっきまでの銃撃戦を忘れたように楽しそうにプレゼント開封したり、ホルンを吹いたりとなんとも楽しそう。ホワホワした映像にほっこりしました。序盤の自転車のくだりの伏線回収もここで行うあたり憎めないなぁとニヤニヤしました。
もっと派手なものが見たいなとか途中思いましたが、これはこれで良かったです。
鑑賞日 1/26
鑑賞時間 20:35〜22:40
座席 L-1
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