ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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混沌とした世界に面白さ
北欧の映画は特捜部Qシリーズやギルティなど面白い作品が多く、この映画も期待して観た。妻が列車事故に見せかけた殺人事件?の巻き添えで亡くなり、その復讐に職業軍人である夫が動く。彼は戦場で敵を殺傷することがミッションであり、正常な感覚が失われている。彼を支援するオタクの3人も普通の人ではなく違法な手段で情報収集しているのだが、そこに悪びれた様子はない。復讐された(実は勘違いによるものなのだが)ギャングたちも基本的には反社会的な存在であり同情すべきではないが、いくらか同情の余地がある。特にどこの世界も同じだが、下っ端にはあまり責任がない。善玉対悪玉というはっきりした区別ができない世界が描かれていると思った。最後はオタクグループが自動小銃をぶっ放してギャング団を倒し、観る側はほぼオタクの方に肩入れしているからそれですっきりするのだが、エンディングで主人公たちがくつろいでいるシーンがあり、警察からおとがめもなかったとすれば、そもそも現実離れした話だったのだという当たり前の現実に戻るのである。
他の方のレビューも読むのは必須かも。数学的内容もあり理解難易度は高いです。
今年20本目(合計293本目/今月20本目)。
ということで、「シルクロード」から40分遅れでこちら。2本目です。
この映画は公式にも書かれていますが、北欧の国が舞台です。よって英語は大半登場せず(デンマーク語らしいです)。
ストーリー自体は、他の方も書かれているとおり「不慮の事故にあった人達とその事故を事件だと考えて解決していく人達」を描いた内容です。一方で、ある出来事が事故か故意かという点は、数学とある程度フィットします。分野的には確率統計です。そのため、この映画には数学者まで登場します(よくある「数学者」の「よくある描写」っぽく、妙に細かい計算を素早くやってくるなども、だいたいテンプレ通り)。
「ある出来事が起きたとき、その出来事の原因が何であるのか」ということを扱う分野を「事後確率論」といいます。実はこれらのことが裏で働いているのですが、表立って出てこないし、これらの計算の根拠となるような話は出てこないので(確率計算をするには、その目的となるデータを集めないと無理)、そういう「事後確率論」が背景に隠れているというのはそれだけで、表立って要求はされないものの、この「事後確率論」は、「何かが起こったときの結論はこれの確率が何%だけど、信じる?信じない?」という宗教的・哲学的な色合いがある分野で(だから、定義・定理バリバリの数学と、確率統計論の数学は、やや趣が違うところがあります)、むしろ普通に見ていると後者のほう、つまり「因果(関係)という考えをどこまで信じるか」といった哲学的な話にシフトしてしまっています。
北欧の国制作の映画だと、ほぼほぼ毎回、北欧のキリスト教の話に流れますが、本映画でもそうです。教会に行くシーンもあれば、教えを説くようなシーンもあります(ただし、本映画では出るだけで、理解できなくても理解に妨げはない)。
採点は下記のように考慮しています。
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(減点0.1)「数学者はチェスが好き」というのは誰が言い始めたのか、実際そうなのか…というのは別にして、復讐をたくらむその間にもチェスの話も出ます。最初はiPad(か何かのその程度の大きさのタブレット)でPC対戦(?)しているだけですが、お話が進むと娘さんと実際に対戦するシーンも出ます(ここで「ポーン」や「クイーン」といった語が出てくるが、チェスがわからないと詰まってしまう…)。ここはもうちょっと字幕に工夫が欲しかったところです(日本のチェス人口って統計あるんでしたっけ?)
(減点0.2) アメリカ映画でもない本映画は、いわゆる「固有名詞」が何なのか把握することが難しいです。地名か人名か、それだけでも苦労します。登場人物の娘さんの「マチルデ」が、「マチルダ」などの名称からの推測で「女性の名称」ということは推測がつきますが、「シリウス」も実は人名だったりします(役名一覧参照)。
※ デンマーク等のバルト三国は、ある程度の差はあっても文化は似ていますが、「シリウスさん」という方が実際にいるのかどうか調べてみましたが、どうにも謎でした。
さらにここに地名まで出てくるので(当然、首都なんていうものではなく、きいたこともない地名)、一体どこからどこに移動しているんだろう…というのもわかりづらく(デンマークの地理を完全に抑えているなら別)、パンフ購入必須なのかなぁ…というところです。
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ギャングの皆様、ご愁傷様
ちょっとちょっと、マッツ様。ぶっ飛びすぎで面白いんですけど。妻の敵を討つリベンジ・アクションの型通りの展開かと思いきや、ブラックな笑いの矢が次々と放たれる。ニヤリじゃなくて、吹き出してしまうシーンもあってなかなか楽しい。
終盤近くで、順調に進んでいるストーリーに
急ブレーキがかかる。前につんのめって頭ぶつけちゃったよ、オットーさん。どうしてくれるの。
ちょっと強引な仕掛けがあって、ギャング達との最終決戦に向けて、物語は再発進するんだけど、お約束の絶対絶命が正真正銘のthe endな状況。どうやって反撃するの?
不可能は可能にするためにある。口があんぐりするフィニッシュで、これは気持ちがいい。
今回のマッツ様は、無口な上に、口よりも拳が先に出てしまう完全な旧世代の軍人様。この無骨男が、戦闘になるとすごい。ギャングの1人を素手で瞬殺だし、銃を手に取ればマシンのごとく正確無比に悪人どもに銃弾をぶち込む。
オットー役のニコライ・リー・カース、どこかで見た顔だと思ったら、特捜部Qのカール・マークだった。やっぱり上手いねこの人。
何もなかった事にしてクリスマスしていいの? ギャングの皆様、ご愁傷様です。
助けが要る(と認めること)
水と油の凸凹即席チームが挑む復讐アクションかと思ったら、遺恨と深い喪失の受容についてのセラピーのような映画だった!人間は何事にも --- 特に自分ではどうしようもできないほど大きな哀しみに出遭ったとき ---「こいつのせいだ(から仕方なかった)」と思えるような原因/心の拠り所を求める生き物だ。
結果的に自らわざわざ傷口をエグるように、撒いた種の後処理(いってギャングなのでやっちゃって問題ありませんが?!)に奮闘させられることに…?我らがマッツ・ミケルセンは予期せず深い本作で、自身がどんなジャンルでも輝ける唯一無二の存在であることを証明してみせた。流石の魅力でこの作品を軍人らしい疑うこと知らない/ブレない行動原理でリードし、時を業を背負う。という点で一種のPTSDモノの要素も?人間は傷を治すことはできず広がらないように押さえることしかできないのかもしれないけど、そのとき傍に(愉快な?)仲間がいてくれたら少しはマシになるのかも。
まさかのアクションスリラー…?また種類が違うけど、同日見た『さがす』(あるいは『スティルウォーター』)とも通ずる手法だなと思った。つまり一見キャッチーな内容で広く観客に興味を持たせながら、蓋を開けたらそれは実は単なる"釣り餌"でその裏に本当に言いたい/描きたいこと、訴えかけたいメッセージが隠れているという点において。表現というのは一般的にそういうものだろうけど、この2作品は普段よりもその振れ幅を感じた巧みなエンタメの皮の被り方。表現の力を感じるいい裏切られ方。そういうのってやっぱりいかに説教臭くなることなく"結局他人事"を"私事"として身近な題材と受け取ってもらえるかが映像表現の責務と可能性だから。
勝手に関連作『Mr.ノーバディ』
お父さん頑張った
妻の事故死が事故ではなかったかも?!ということで乗り合わせたデータ分析学者?の人達と事故を偽装したと思われる犯人や一味を倒しにいく、復讐アクションではありますが、、
後半に人違いだった??と判明し、じゃあこの襲撃はなんだったのか!!!と悩みますが、結局最初に襲った人の仲間が返り討ちに来て、なんとかお父さんプラス学者達ズで機関銃ぶっ放して撃退しますが。この、返り討ちに来た理由が、マフィアっぽいかなりヤバい人達を相手にしてるっていうのに亡くなった妻(お母さん)の娘の彼氏が気楽に学者と娘のツーショット動画をネットに上げちゃうって。。完璧彼氏の自業自得でこっち側のミスで身元がバレてるからあんまり感情移入出来ませんでした。
途中からセラピストの人達じゃないかも??って娘も怪しく思ってたのに、まぁ仲良くしてもいいけどそんなに簡単にアップするかな〜こんな、お母さんが亡くなったあとの非常事態なのに。。
まぁ、お父さんは昨日まで軍隊にいた軍人なので、闘いや銃の扱いは見どころありました。
テーマとしては、人生は偶然の連続だってことなのかな?たまたま買った自転車が青でなく赤なら盗まれなかったのか?盗まれて電車を使っても、別の場所行きに乗れば事故に遭わなかったかも。または他の車両に乗るか、席を譲ります、と言われても丁寧にお断りしたら少なくとも一命はとりとめていたかも。。
まぁ、人生はたまたま選んだことの繰り返しは確かだし、その中でタイミングが良い時も悪い時もある。
それが言いたかったのかな〜??学者の仲間の人達がクセがありすぎる性格でそれ必要かな?っていうシーンがたまにあって気が散りましたが。。(車から降りて原っぱへ逃げて謝る時にそんな行動とる?大の大人が???とか。。精神を病んでる人と説明したかったのか?でも意味不明。。とか。)
まぁ、お父さんが妻の無念と娘のために、判断の是非はともかく、それなりに父さん頑張りました、娘もよく耐えて頑張りました、って話で良かったのかな?
あ、前述しましたが銃の扱いを知らなかった学者達がお父さんのピンチに頑張って覚えたての銃を怖い相手達に撃ちまくって皆を助けた場面だけは良かったです!
精神を病んでる仲間が悪に立ち向かう
いろいろと変わった映画
バイオレンス復讐アクションかと思いきや、前半は結構コメディタッチ。そのうち、痛みを抱えながら癒されない日々をどう乗り越えるのか、という話になり最後は開いた口が塞がらないまさかのクライマックスへ怒涛の展開で飽きさせない。
中盤.マークスに殴られそうになったレナートが逃げ出して、お尻を出して謝るシーン。一見ユーモラスなシーンだが、彼が心の奥底に抱える傷の深さが垣間見えて、悲しくて笑えなかった。
でもよくよく考えてみたら、全部ヤツらの見当違いな分析とお節介によって引き起こされてるじゃん!結局みんな酷い目に遭わされてるし、最後、娘とか関係なく撃ちまくってないか??
感動して泣きそうにさせられるけど、ちょっと待てや!って気にもなる。そこもまた面白い。
アドベントにぴったりの映画🎅
エストニアの女の子が青い自転車をクリスマス・プレゼントに望んだことから始まる、世にも恐ろしき因果応報、パンパン(講談の張り扇の音のつもり)!坊主頭に髭の軍人、怒りのマッツ、血で血を洗う復讐物語の始まり始まり!と、思いきや・・・。
多様なバックグラウンドを持った人達が集まった映画。移民だったり、虐められたり、家族をないがしろにしたり家族から疎まれたり、気持ちを素直に表現できなかったり、体型を気にしていたり。トラウマや幼さや辛いことは誰にもあるでしょう。でも全部を受け入れてくれる存在は意外に身近に居てくれる人達かも知れない。そんなギフトを最後みんなが受け取れました。北米由来だと思う「クリスマスのダサいセーター」(アグリー・セーター)みなさん可愛く着てました。マッツは赤🟥で似合ってました。映画で使われていた音楽、とても良かったです。
マッツすげぇ
タイトルなし
列車事故で妻を失った軍人
事故は仕組まれたことと主張する数学者
犯罪集団
「ライダース・オブ・ジャスティス」に
復讐するために集まったのは
問題を抱えた人たち
悲しみから怒りを相手にぶつける軍人を
デンマークの至宝 マッツ・ミケルセン が演じる
怒りをぶつける相手がいれば
楽になれる、、、
ハードな復讐劇かと思いきや
集まった皆が持つ過去、問題に触れ
苦しくなったり笑えたり
生まれる共同体にホロっとしたり
デンマーク映画
私。好きです( ᵔᵒᵔ )ᵍᵒᵒᵈᵎᵎ
ニコラス・ブロ
メン&チキンにマッツと一緒に出てましたよね😅
映画を思い出してしまいました笑⃝ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)
ライダース•オブ•ジャスティス…
彼らは何をしたのか…
登場人物それぞれがとてもよく
面白い?!作品でした。
(できればクリスマスに観たかったカナ🦌)
多面性を持つサスペンスドラマ
マッツ様演じる軍人が、妻の列車事故死は故意に仕組まれたものと知って復讐に乗り出すというリベンジバイオレンス…なんだけど、ひょんな事から仲間に加入した理数系オタクとの奇妙なやり取りがオフビートな笑いを誘う。
ストーリーが進むにつれ事態はどんどん悪化し、終盤で判明する列車事故(事件?)の意外な真実が惨い。でもその後味の悪さ感をハートフルな人間関係が癒していくという、多面性を持つ作品として評価したいところ。
物事全てを暴力で解決してきて、感情を捨ててしまった鬱状態(ある種これもPTSD?)の軍人の変容ぶりにも注目。にしてもマッツ様はクセのある役がホント多いね。
惜しむらくは日本公開が1月な事。舞台時期がクリスマスなので、できればそれに合わせてほしかったなぁ…
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