「偶然?いや、全ての事象に必ず原因がある、と思いたくなる。」ライダーズ・オブ・ジャスティス アルさんの映画レビュー(感想・評価)
偶然?いや、全ての事象に必ず原因がある、と思いたくなる。
過激な復讐モノかと思いきや、まさかのヒューマンドラマな展開。主演マッツ・ミケルセンというだけで、見た目のゴツさから勝手に思い込み。
事故で妻を失い、任せきりだった子育ての皺寄せで娘との接し方に悩む軍人マークス。愛する母を亡くし、急遽戦地から戻った父に戸惑いながらも、立ち直ろうとする娘マチルデ。
どれだけ屈強でも、心に葛藤は抱くし、悩みながら努力もしたり。母の死の原因を自分なりに整理して、乗り越えようとしたり。
上手く相手に伝えられない、そのもどかしさを見事に演じているマッツ・ミケルセン。
登場人物それぞれが得意な分野を持ち、何かしらの弱さを心の内に秘めていて、それに気付き、気遣いつつ、受け入れつつ話が進んでいく。何とも言えない優しさというか、もどかしさというか、温かいというか、心地良いというか。
そしてROJ。タイトルでもあるライダーズオブジャスティスは『正義のバイク乗り』、ではなく『正義に乗っかるモノ達』だったのかも知れない。
見た目以上に心地良いラスト。この絶妙な展開の脚本と、静かに淡々と進んでいく演出を楽しんで。戦闘シーンは容赦無い描写なので鑑賞の際は注意。
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