「単純なハリウッド・アクションにはない複雑な味」ライダーズ・オブ・ジャスティス 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
単純なハリウッド・アクションにはない複雑な味
一癖も二癖もあるけれど、純粋な主役のマッツ・ミケルセン。
アクションとしても面白く、マッツを助けるオッサン・トリオの活躍も、
一捻り二捻りしてあり、とても面白い。
軍人のマッツ・ミケルセンは突然の地下鉄事故で、愛する妻を地下鉄事故で亡くして、
心はボロボロです。
娘を守る術も知らず、ジィーッと耐える耐える耐える。
そこに地下鉄事故は仕組まれた。
ギャングのボスを死刑にする証人を消すためだった・・・。
そう知らされた時、マッツは戦う狂気と化す。
考える前に秒殺するスキルは、アフガニスタン派遣兵士の生き残り法。
ミケルセン髭モジャ短髪でも相変わらず渋い。
対するイケテナイ三人の頭脳派の中年オジさん。
統計数学のプロが2人。
顔認証システムのプロ。
軟弱でボロボロの精神不安定なオジさんたちが、
結果的にはマッツの妻を殺した地下鉄事故に、仕組まれた
ギャングのボスを護る殺人事故の加害者(ライダーズオブ・ジャスティスというギャング組織)に
復讐を遂げる話。
直感でしか動かない兵士・ミケルセン。
母を亡くした娘マチルデの悲しみに寄り添うことも慰めることも何一つ出来ない不器用な父親。
対して数学者のオットーとレナートはインチキ・セラピーを施したり、
母の死の原因を突き止めても悲しみから逃れられないとマチルデを慰める。
機関銃の一斉発射の暴力と、
悲しみに寄り添ったり慰めたりのバランスが絶妙です。
そこはかとなくユーモアも漂います。
ラストには思いがけないメルヘンなプレゼント。
クリスマスらしい仕掛けがタップリ。
柄違いのスキーセーターに身を包んだオジサンたち。
顔面認証のプロのエターナルは、唯一輝いていた少年時代のマーチングバンド。
そのホルンをプレゼントされる。
BGMは殺戮に不似合いな美しい讃美歌のコーラス。
デンマーク映画の底知れぬ実力に、酔いしれました。
盛大に拍手します。
過去鑑賞
今晩は。
過分なお言葉、ありがとうございます。
素直に嬉しいです。
因みに、このレビューサイトのレビュワーさんの中には、北欧の至宝、マッツ・ミケルセン”命”の方がいらっしゃいます。
素敵なレビューを書かれている方ですよ。では。