「【”偶然の積み重ねで人生は成り立っている・・。”北欧の至宝演じる最強の軍人、オカシナ数学者達と亡き妻の復讐に乗り出すが・・。シニカル&コミカルな不思議なテイストのヒューマン&アクション映画。】」ライダーズ・オブ・ジャスティス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”偶然の積み重ねで人生は成り立っている・・。”北欧の至宝演じる最強の軍人、オカシナ数学者達と亡き妻の復讐に乗り出すが・・。シニカル&コミカルな不思議なテイストのヒューマン&アクション映画。】
ー 全く知らなかったのだが、マッツ・ミケルセンは今作の監督・脚本を担当したアナス・トマス・イェインセン監督とは、5度目のタッグだそうである。
更に、マッツ・ミケルセンは今作ではイケてるおじさんの魅力を完全に封印し、感情を暴力でしか表現できない最強の軍人マークスを笑顔一つ見せず演じている。
彼が、しばしば、口にする言葉は "又、やってしまった・・。”である。ー
◆感想
・今作は只の復讐映画ではない。
一人の男が、オカシナ数学者達や、年頃の娘マチルデ、貧困の果て売り飛ばされた青年と関わる事で、人間として暴力以外の感情を示すことを取り戻して行く様を、オカシナ数学者達との関係性をユーモアを滲ませながら描いている。
今までに出会ったことのないタイプの魅力的な映画になっている。
・つまり、今作はアフガニスタンで、最前線で闘っていた故に、自らの感情を暴力でしか表現できない男が”様々な偶然”に翻弄されつつ、人間性を取り戻す様を描いている。
・その過程は、時にハードなアクションで、時にオカシナ数学者達(一名は、マークスの妻と娘が乗る列車に乗り合わせ、マークスの妻に席を譲った事で彼女の命を奪ってしまった事を後悔し、マークスに”事故ではなく、犯罪組織が絡んだ用意周到に計画された殺人事件だ!”と告げる。)との関りの中や、時に年頃の娘とボーイフレンドとの関りの中で描かれる。
- その描き方が、ユーモアを感じさせる部分があったり、人間味あるシーンを絡ませている点が、独特で面白いのである。-
<”偶然の積み重ねで人生は成り立っている”ことを、実に巧く見せている映画である。
・”あの時、青い自転車を注文せずに、お爺ちゃんの言う通りに、赤い自転車を買っていたら・・。”
・”あの時、お母さんが運転する、車のエンジンが普通にかかっていたら・・。”
・”そして、学校に行けずにお母さんと娘が買い物に行った帰り、列車事故に巻き込まれなければ・・。”
・会社を馘になった数学者が、”事故ではなく、殺人事件だ!”とマークスに言わなければ・・”
犯罪組織の猛攻撃を受けた際、まさかのオカシナ数学者達と、貧困の果て売り飛ばされた青年が犯罪者たちに連射した銃撃シーンに驚きつつも爽快感を感じ、傷ついたマークスが木に凭れながら娘に語った言葉が、妙にココロに染みた作品。
生きる意味を見失いつつあった人々が、ラストシーンでクリスマスを祝うシーンも良い。
マークスの服装にクスクス笑ってしまったよ。
皆、幸せそうだったね。>
■敢えて記す。(多くの人に下記の劇場に観に行って貰いたいので。)
・今作は、とても観たかった作品だったのですが、私の居住区では上映されず。(大都会の駅前の映画館のみだったかと記憶する。)
それが、地元の西三河の映画を愛する人々に長く愛される「安城コロナシネマワールド」で本日より上映された。
もう一本観た新作映画は閑散としていたが、今作は、市松模様で6割の入り(この地域では、凄く多いのです。)で、「安城コロナシネマワールド」には、感謝を申し上げる次第であります。多謝。
フォローして頂きまして、ありがとうございます。
NOBU様のような映画.comを代表するレビュアーの方にフォローして
頂いて恐縮しております。
私のこの映画のレビューにも、共感、ありがとうございます。
それにしてもNOBUさんの本作のレビュー。
読ませて頂き、本当に素晴らしい行き届いたレビューですね。
マークス(ミケルセン)は自らの感情を暴力でしか現せない男。
そのマークスが人間性を取り戻す映画。
そうですね、私も粗筋を書くだけのレビューの癖を直して、
もっと奥行きのある洞察力のあるレビューを書けるようになりたいです。
ご指導よろしくお願いします。
NOBUさん、素敵な情報ありがとうございます。こういったお話はガイドブックとかサイトではダメだと思います。だからとっても嬉しいです。早くコロナさん、消えてー!