カード・カウンターのレビュー・感想・評価
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ポール・シュレイダー節が鳴り響いてる、と身も蓋もない感想だけどそう...
ポール・シュレイダー節が鳴り響いてる、と身も蓋もない感想だけどそうとしかいいようがない
巨匠コンビなんだけどな
映画『カード・カウンター』ポール・シュレイダー マーティン・スコティッシュ コンビの登場となるとどうしても『タクシードライバー』を連想して期待を膨らませてしまう。しかし、時代は変わったと痛感してしまう、そうアナログの時代からデジダルの時代。
名匠のコンビで嫌が大にも期待が
ということで、映画館の座席のシートに収まったのですが。
名匠コンビの作品にしては、観客が少ないな。
そういえば、マイナーな映画館だし、その上上映回数も少ない。
嫌な予感を抱えつつ幕が上がったのですが。
案の定、途中でうつらうつらと。
しっかりとセリフを聞かないと後々話が見えてこなくなると、目をこすりこすり。
なんとか、話の筋は切れることなく終えたのですが。
期待ほどには、緊張感のある作品ではなかったな。
そうだよな、『タクシードライバー』って1976年の作品だもんな。
時代に緊張感がなくなったのかな
洋の東西を問わず、時代が軽くなったよな。
『タクシー・ドライバー』はベトナム戦争帰りの主人公。
戦場で心の均衡の崩れた役をロバート・デ・ニーロ。
時代にハマっていた。
長引く戦争と厭世観、米国初めての敗戦。
今の時代が、決して平和な穏やかな時代とは言えないけど。
登場人物が、迫力ないよね。
アメリカンコミックからそのまま出てきたような、トランプが大統領になる時代だし。
SNSの発達が、人々の思考力を衰えさせたし、考えるより先に視覚で印象つけられてしまう。
『カード・カウンター』の贖罪
主人公の贖罪が、今ひとつピンとこない。
アメリカのアフガン戦争の捕虜収容所の出来事。
この点からして、私達には他人事に感じてしまう。
非人道的な出来事だとは思うんだけど。
イスラム教徒とキリスト教徒の戦いとも取れるわけで。
となると、エルサレム奪還の十字軍あるいは、それ以前まで遡る話で。
日本という、いわゆる極東に住んでいると今ひとつピンとこない。
映画の作風は、今という時代には合わなくなったということも言えるのかな。
軽く、展開も早く。
ともすれば、コミック調もあり。
そんな、軽ちゃーな時代になってしまいました。
背負い続ける重い十字架。
カジノを転々と流浪する様は、さながらロードムービーで、抑制の効いた内省的な作品は、主人公オスカーアイザックの、まさに生き様の表れ。それは陰でも陽でもなく、言うならば無の状態。この無の状態から針が大きく振れる決勝戦前夜にのみ解放を感じたが、そこから衝撃の結末に向かう流れと、予想し得なかったラストはポールシュナイダーの真骨頂のように思える。
タクシードライバーの音楽を担当したバーナードハーマンのトムスコットによる陰鬱なサックスに代表されるような耳に残る名曲が欲しかった。
え?ほぼ満席?
え?ほぼ満席?
あららー、入口間違ったか、、、。
いや間違いない。
スコセッシの影響か、、、
また日記つけてます。
今回も同じ、、、
ではなかった!!!
幼なさが抜けてきた、
タイ・シェリダンは、
大作のヴィラン役になっていく気配。
丁寧にシビアな心理を描く良作。
ポール・シュレイダー監督、脚本。ようやく日本でも公開とのことで観に行こうと思っていたら、上映館が少なすぎて…。
久しぶりに座間まで足を運ぶことになりました。
贖罪と復讐、戦争の傷跡が主軸で、家庭崩壊のトラウマ、心に負った傷の深さなどの心理状態を、古き良き感じの映像で丁寧に描いている。
自分を許そうにも、それができない。胸を打つ。
ちなみに、タイトルからの印象だけでギャンブラーものの映画を期待するとなんじゃこりゃ!となると思いますw
あくまで心理描写の作り込みで魅せるタイプの映画なので、それほど凄惨なシーンがあるわけではなく。
美しい場面と、いい音楽。良作だと思います。
ここに行き着くか…
10年の刑期を終え出所した男と、ある人物への復讐を企てる青年が出会い、お互いが持つ微妙に重なる闇を認めながらその行く末を描いていく物語。
本作、ギャンブルをして過ごす寡黙な男が主人公だが、ギャンブル自体にそんなに重きを置いているわけではなかったですね。てっきり、アレコレあって最後には大逆転‼みたいな作品かと思ったが。。
実態は、米国のイラク侵攻でのアブグレイブ捕虜収容所にて行われた、非人道的行為を発端に逮捕されたウィリアムと、悪徳大佐の所為で元軍人の父が自殺してしまった青年との関りを静かに、そして重厚に描いたドラマ作品。
話はやや小難しいし、テンションはずっと低いし、最序盤のカードカウンターの説明も私にはチンプンカンプン。
よって、ゾクッとしたり大興奮するような展開もないのですが、オスカー氏の力強くも、脆さが見え隠れする男の演技にズッポリと魅せられる。そして…やっぱり復讐と言うのは虚しいものなのか。。
元はと言えば、収容所でのひどい行為の数々も、テロに対する復讐行為とも言えるし。。その虚しさに気づいたからこそ、ウィリアムはあんな感じになったのだろうし。
だからこそのカークに対する接し方。それなのに結局は…。
復讐の輪廻の悲しさを伝えるとともに、壊れかけの人生に救いを垣間見せるような、メッセージ性の強い作品だった。
23-083
孤独なギャンブラーの復讐と贖罪の行方を描きたスリラー❓❓❓
過去の罪から逃れようと向き合うことを恐れる男は描かれているが、復讐心はこれっぽっちもないぞ😕
復讐も贖罪もスリラーも超薄め。
オスカーアイザックがかなりいいだけに残念なストーリーでした。
ラリンダ役のティファニー、マッシブタレントにも出てたんですね😄
ガラス越しでE.T.
雰囲気的に『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』のような渋いオスカー・アイザックを久々に、ポール・シュレイダーは『魂のゆくえ』と同じ事を本作でも描いているようで特に終わり方が一緒に思える、バッドエンドのようなハッピーエンドを、その逆でも、脚本家として優れている反面で監督としての手腕が発揮されているのか、いつまでもトラヴィス・ビックルの呪縛から逃れられない感じが愚かにも、何となくニコラス・ウィンディング・レフンの映画を観ている感覚ヲ、音楽の使い方とか、色々と意識しているようで実は憧れの対象か!?
起こる出来事が衝撃的でありながら物語が進むテンポは変わらず、淡々と起伏のない展開にもどかしさを感じたり、タバコ吸うんだと思ったらトランプの箱だった、そろそろウィレム・デフォーを主演で撮ってみても、デ・ニーロで撮ってみたいのかなぁ、最近のポール・シュレイダーの監督作品はクオリティが高い、良し悪しは別として!?
映像と音楽は良かったけどストーリーが全くハマらなかった作品。 本年度ベスト級。
16㎜フィルムで撮影した様な映像と昔の映画で流れる様な音楽は良かったけどストーリーには全くハマらず。
ハマらないと言うより意味不明な作品だった感じ。
この感じは自分の映画史でも初めての経験かも(笑)
カードゲームの駆け引きを描いたストーリーと思いきや全く違う感じ。
珍しく鑑賞中、終始観ているのが苦痛な感じでした( ´∀`)
決して「バカの映画入門」では無い
過去に犯した罪に向き合って行く元軍人の流浪のギャンブラーの話。
イラク戦争時アブグレイブ刑務所で拷問に関わったことで服役し、出所後ギャンブルで生計を立てる男のもとに、因縁のある青年Cのカークが現れ巻き起こって行くストーリー。
序盤こそブラックジャックだポーカーだとギャンブルの見せ場もあったけれど、後は正味どうでも良い感じで、ポーカーの世界大会に参戦しカークをお供にカジノを回りながら、過去を明かしていく。
ギャンブルに恋愛要素に復讐劇にと派手そうなイメージだけど多くを語らず地味に無機質に展開していき、山場もニュース映像だったり音や声だけだったりと派手な映像はなく悶々々々。
回想シーンだけは片鱗もあったけど。
ハードボイルドだし、哀しい話しだしで内容的には渋くて良かったけれど盛り上がらなかった。
正味どうでも良いし鬱陶しいUSA!がいなかったらもっと地味だったんだなと考えたら良い賑やかしだったのかな。
過去を背負い続ける
粗筋も言えるしどこがよかったか面白いと思ったか言えると思うけれど、ポーカーもブラックジャックも知らず、計算も苦手、カジノの面白さも怖さも知らないので、猫(私)に小判、豚(私)に真珠の映画でした。ウィリアムの演技は渋くてかっこいい。あまりに自分を抑えているところが悲しかった。
初心者はルーレットがいい。カジノに関心ないけれど頭の片隅に入れておきます。
ET
戦争という究極の無法は、勝者にさえ深い傷を残し、癒すために同じく無法な手段を選ばせる。これは様々な作品で繰り返し扱われてきたテーマであるが、本作ではアイザックのポーカーフェイス芸で淡々とヒリヒリと描かれ、エンターテイメントの対極みたいな作品に仕上がっている。
ヒリヒリしすぎていささか疲れてしまうので観る人を選ぶかな。
明らかになっていく真相…
ミステリアスなギャンブラー、重い過去、復讐と贖罪…
少しずつ真相が明らかになっていく様に目が離せません。
ゴクリとツバを呑むような緊張感あふれるシーンも…
カードゲームに詳しくなくても大丈夫、楽しめます。
スリラーってよりサスペンスですね。
オスカー・アイザックが、渋くてカッコイイです。
スコセッシの映画に合うので、これから組んでほしい。
重く、濃密な、まるでロシア文学・ゴーリキーのようです
人間の嵯峨、それとも習性?
「拷問を受ける人」
「拷問を与える側の人」
「刑務所に服役する人」
「カードゲームを生業にしている人」
表面上は、それは凄まじい
バトルが繰り広げられるが
当事者は
長い時間軸の中で
単純な同じことを
単純に繰り返している、にすぎない。
見ていて辛くなるが
しかし
自分の中にある
単純作業の繰り返しを
嫌ってない、何があることに
気がつき
より、辛くなってしまった。
ただ、
エンディングロールの
背景に続く
システィーナ礼拝堂に描かれた
アダムの創造(ミケランジェロ)
の「触れ合う指先」的な
カットの
意味するものは?
あまりに象徴的な画面構成なので
???が、気になる。
誰か、解説してほしい!
ひりつき、心を抉られるハードボイルド
ギャンブルに生きる男の物語と思わせて、とんでもないハードボイルドの世界を味合うことになる。
クライマックスが近づき、安堵の気持ちに傾きかけた観客に向かって放たれるとんでもない仕掛け。それまで、ポーカーフェイスを通してきたオスカー・アイザックの表情がほんの少し揺らぐ。その決意が向かうところは果たして。
ぴっちりと分け目をつけて寸分の隙もない髪型とスーツでカジノに臨むウィリアム・テル。ウィリアム・テルという名前自体が運命を予期させるが、買っても負けても眉ひとつ動かさないオスカー・アイザックを見ていると、運命がどう転んでも受け入れる覚悟があるように感じる。
ウィリアムはモーテルの部屋に入るなり、机、椅子、机や椅子の脚まで白い布で覆う。彼の病的な潔癖症は、真っ白な空間で自分の心を平安な状態に置くことが目的なのか。または、邪悪な気持ちが入り込まないように白で防御しているかもしれない。
ポーカーの勝負シーンは、見応えがある。手札を見て勝負を決めるプレイヤーの攻防は、自分の手汗が出てしまうくらいひりつく。
ポーカーは基礎知識しかないが、カウンティングは麻雀でも効果的だから、このテクニックが有効なのはよくわかる。欠点は、ゲームを楽しめないこと。
幻想的なイルミネーションの中を2人が歩く。多幸感に包まれるこのシーンで終われば、それはそれで一つの物語になったと思う。
ハードボイルドは、苦くて辛いもの。そんなことを思い知らされた。
尋問スキルというよりは虐待スキル
そんなバカな⁉️
というくらいに、映画的な鮮やかさを徹底的に排除しています。
もしかしたら、プロの俳優を使ったドキュメンタリー仕立ての映画⁉️
そう思ってしまうほど、この手のジャンル(過去のトラウマへの復讐劇)の作品にしては、起伏がない。
むしろ、現実的にはこうなるよなぁ、〝映画〟じゃないんだから…〟と錯覚しかかるほど、劇的要素はありません。
この映画の狙いがそこにあるのなら満点ですが、娯楽作品として楽しめたのか?或いは何か大切なことをを訴求できたのか?感じられたのか?という問いには、なんとも反応が難しく、人それぞれですからね、としか答えようがない。
人に説明するのが極めて難しい、ちょっと困ったちゃんな映画です。
戦争のトラウマ
オスカー・アイザックのダークな一面が観られる、「タクシードライバー」のポール・シュレイダー監督・脚本、マーティン・スコセッシ製作総指揮というこれ以上ないスタッフが関わっているいぶし銀な映画。
カジノのカードゲームで表に出たカードをカウントしながら確率を計算し金儲けをする「ラスベガスをぶっつぶせ」の様なストーリーかと思っていたが、戦犯として服役した過去を持つ男がトラウマに打ち勝ち前へ進んで行こうとする、カードゲームは大筋には関係のないお話。
イラク戦争でアブグレイブ刑務所で犯した拷問の罪で服役していた男がその贖罪として同僚の息子カークを故郷へ帰そうと試みるが叶わず、かつての上司と(多分)拷問し合い打ち勝つ事で過去を払拭する・・・、が残念ながらその描写はない。
またカークが母親と話をすることを条件に女性と関係を持つのだが、リンダのガタイが余りにも立派なので余計なお世話ながら大丈夫かなと心配してしまったw。
結局ポール・シュレイダーやマーティン・スコセッシって戦争の狂気によって精神を病んだ男がもがき苦しみ、一生懸命前を向こうとする話が大好きだと言うことが改めてわかる、ある意味「タクシードライバー」よもう一度みたいな作品。
どちらかに寄せたほうが良かったのではないかなと思える一作
今年198本目(合計849本目/今月(2023年6月度)23本目)。
イラク戦争および、無茶苦茶な待遇が問題となったアメリカの刑務所関係と、その刑務所から出所した男性がかかわるギャンブルのお話です。
前者については日本でも批判的に報道された経緯があり知っている方も多いと思いますが、いかんせん少し前で最近はほとんど放映されないので(アメリカ視点では、今はウクライナア侵攻でいっぱい)、ちょっと忘れたかなという方も多いと思います。
一方、ギャンブルパートというか、映画のタイトル通りの部分に関しては、ポーカー等トランプのルールに関する理解が要求されますが、それ自体は「一応は」日本でもメジャーなゲーム(トランプのゲームルールの一つ)なので、そこまで傷はないかな…と思いきや、要は結局、お客さんと胴元(カジノやカジノを経営するホテル等)との「賭け式」や「払い戻し率」といった論点が多数含まれるところ、日本ではそれはご法度であり(ポーカー等自体は禁止されていないが、それをギャンブルにして賭け事にするとアウト)、ルール自体は「疑似カジノ」(金銭などを賭けないタイプの遊戯型施設などで見られる)で知っている方も多いと思いますが、個々具体的な賭け式だのオッズだの胴元の取り分だのといった話は日本ではなじみがなく(というより、日本からでは、ラスベガスなり、カジノが合法的にできる国でちょっと遊んだ、くらいしか考えられない)、そちらでの見方もちょっと厳しいです。
特に後者に関しては説明もなく、タイトルにあるいわゆる「カードカウンター」(カードカウンティング)は、一般的に胴元が有利(換言すれば、客が不利)になるこれらの賭け式において客側が有利に持っていこうとしたテクニックの一つを指すところ、これも当然日本では「出番がない」上に、そのために一応の説明はあるものの、上記の刑務所シーン(なお、これらの虐待シーンほかが激しすぎるのでR15になったものと思われます。ギャンブルシーンではせいぜいPG12程度)もどんどん出てきて、中途半端なストーリー展開のまま、そのまま終わってしまうという部分を兼ねてしまいます。また、前者(ギャンブルのこと)が日本ではそもそも関係ないのと同様に、日本では刑務所であっても最低限の人権は守られるので(日本国憲法)映画のような描写にならず(戦後の混乱期等除く)、そのどちらの解釈にとっても、日本ではかなりなじみがなかったりしますので、どう見るのか…というのが難しいです。
そのようなことまで考えると、採点としては、
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(減点0.5/何を述べたいか、映画の主義主張が(日本国内では)はっきりとしない)
…という点に大半つきます。
アメリカにおける刑務所などの人権問題の問題提起と解するならそちらに寄せるべきだったし、ギャンブルの紹介(ただし、日本では賭け事としてはできない)として見るならそちらに寄せるべきだったし、どうみたらよいか…というのがかなり中途半端に思えます。
典型的な「日本で放映されることを想定していない」(そもそも刑務所の人権蹂躙問題は先進国ともいえるアメリカのその例が特殊すぎで、およそ先進国というような国でそんなことをやっているとアウトな事案)というタイプの映画では…と思えます。
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