「Illusions perdues」幻滅 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
Illusions perdues
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普通は自分に対して「幻滅する」とは言わない 他人に対して、又は他人の評価として使用される言葉だ
でも、ラストの湖に裸で半身浴で佇む、目の下の黒アイシャドウは正に、自分に対しての"幻滅"以外に表現出来ない それは全て、早熟すぎた自分のかりそめの頭脳だったか、それともそれさえも揶揄われた壮大な『どっきりカメラ』なのか、フランスならではのド緊いアイロニーに飛んだ作品である 映画上の演出だからと思うが、あのワチャワチャ感は、以前観賞した『パフューム』に近い世界観と酷似した世界観である その中でお互いを共食いしながら、しかし強かにしなやかに立ち回る登場人物達の一種の力強さをまざまざとスクリーンに描く演出である
まさにこのレビューサイトに通底する物語でもあり、とことん興味深さは尽きない
観賞していて、この登場人物達の何十分の一でも要素が有れば、自分はもっと強かに生きていけたのではないかと、そもそも死にたくないから生きているとすれば、セーヌ川の底に沈む沢山の死体側の人間である自分は、唯々羨望の眼差しで作品を鑑賞した
人間はここまで力強く生きることが出来る・・・ 自分には不可能だ・・・(泣
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