「時間にルーズなスペイン人と自虐ネタが得意なアルゼンチン人」コンペティション　BONNAさんの映画レビュー（感想・評価）

ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスが共演するのはアルモドバル監督作品ぶりでしたっけ？ペイン・アンド・グローリーの印象が良い意味でも悪い意味でも吹っ飛ばされるような、超個性の作品でした。
この主題はコンペティション＝競争、ということなのですが、実質はバンデラス演じるスペイン人の超有名俳優vsオスカル・マルティネス演じるアルゼンチン人の舞台俳優の大人気ないマウンティングと言いますか。そこに美的センスがぶっ飛んだ監督兼脚本家兼演出家のペネロペが加わるので、まさにカオス。

この作品で何が面白かったかと言うと、映画＆ドラマ俳優vs舞台俳優の対比だけでなく、スペインとアルゼンチンの文化や気質の違いも見て取れたということ。
時間にルーズなスペイン人と自虐ネタが得意なアルゼンチン人というテンプレ国民性を、ある意味これでもかというくらいに盛り込んだキャラ作りだったと言えましょう。
この特徴マシマシのキャラの上に、5tの岩の下でのロールプレイやらパルムドール粉砕やら、もはやなんじゃこりゃとしか言えない場面が要所要所に盛り込まれます。

ラストは…まあ、うん(苦笑)という感じ。

すこぶる面白いかと言えば、ちょいちょいクスリと来る程度ではあります。
でも、この上なくダサいバンデラスが観たいという方と、Madridの合気道が見たいという方にはとりあえずオススメしておきます。