パワー・オブ・ザ・ドッグのレビュー・感想・評価
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ゾクリとする肌合いの心理劇
1 牧場主である兄弟と弟の妻、そしてその連れ子が絡み合い織り成す心理のあやを描いた人間ドラマ。
2 物語の前段は、冬場のモンタナでの人物紹介と状況設定に費やされる。カウボーイや使用人を抱え、牧場経営が順調な兄弟。牧場を始めたときの師匠のやり方を踏襲している兄は、動的で粗野。弟は静的で繊細。そんな二人が、支え合って生活する母子と知り合う。健気な母と中性的な子。弟は母を妻に迎え子を進学させる。兄は母子とは生理的に合わない。母子もそう。気配を感じるだけで、イライラや不安感が増していく。
3季節が夏になり、医学生となった子が牧場に遊びに来る。そこから物語は動き出す。焦点となるのは2つの関係性。一つは兄と医学生と師匠の関係。偶然にも兄は医学生に秘密を見られてしまう。また、兄は山の見え方を通して、自分と師匠と医学生に感性の同一性を感じる。兄は師匠から教えてもらったように医学生に乗馬を教える。師弟愛は同性愛に通じる。そして教育指導の過程はいわば自分好みに仕立てる調教を感じさせる。
もう一つは兄と弟の妻と医学生の関係性。
医学生を巡りどちらが排除されるのかの心理戦が起こる。そして、医学生がとった行動とその結末は・・・。
4 本作は前段での道具立てを理路整然とおこない、後段の筋立ての面白さが群を抜いている。カンピオンは、ゾクリとする肌合いの心理劇を作り上げた。重低音の弦の響き、櫛の歯を爪弾く音、カメラワークなどによる不安感の醸成の仕方や結末に至るまでの畳み掛け、そして余韻を残す終局と脚本と演出に冴えをみせた。
5 カンバーバッチは本来はインテリでありながら師匠の影に囚われ男らしさを追い求めてしまうある意味悲運な人を演じた。そして医学生役の人はミステリアスな人物像を演じ印象を残した。
誰にも感情移入ができず、疲労感だけが残る
こういう、「観るものに行間を読ませることを強要する映画」は苦手である。
主人公と、彼の弟、弟の妻、そして妻の連れ子とのギスギスとした人間関係が、緊張感をもって描かれていくが、「いったい何の話なのか」ということがなかなか見えてこない。
登場人物たちが何を考え、何を目的にして行動しているのかが良く分からないため、誰にも感情移入することができない。
そのため、人には言えない秘密を抱えて生きている主人公の孤独や苦悩が、胸に迫ることはないし、主人公が、人に対してようやく心を開いたと思った矢先に訪れる悲劇と、そのからくりに、心が動かされることもない。
「何を描きたかったのか」が分からないまま、疲労感だけが残った映画であった。
映画館で見るべき映画
ドクターストレンジやるじゃん
MARVEL作品に食傷気味で、更にお顔が苦手なドクターストレンジ未鑑賞だったのですが、ストレンジさん、なかなかやりますな。
以前は物議を醸し出していたVODオリジナル作品。
VODのアカデミーノミネートも当たり前になった今日この頃。
アカデミー賞にノミネートされてこの映画の存在を知り、早速観ましたが、さすがのアメリカのアカデミー賞のノミネート作品は日本とは違いますね。
田舎の農場を舞台にしたパンチの聞いた作品に心をわしゃわしゃされまくりました。
大きな事件が起こるでもなく、ドンパチする訳でもなく、田舎の農場の歪みのあるファミリーの日常が、素晴らしい景色の元で美しい映像とともに淡々と変わりゆく様が丁寧に描かれています。
出来ればこういう名作は映画館でみたいのに!
と思っていたら、なんと!アカデミー賞ノミネート効果で映画館で上映されているようですね。
ドクターストレンジさんの一見嫌な奴が素晴らしいかったーー。
トビーマグワイア版のスパイダーマンでヒロインを演じていたキルスティン・ダンストが結構おばちゃんになってて驚きました。
コーデもとても良かったけど、こちらも素晴らしい
どっちにアカデミーの軍配があがるのかな~
意外とドライブマイカーが勝ったら日本の快挙ですよね。
わたし的にはドライブマイカーよりは、今作とコーダに投票したいとこです。
怖い映画
ストレンジではないカンパーバッチ
あれ?ん?
カンバーバッチの名演
音楽がずっと不穏
叙情的にしてミステリー
みえていたよ
見えている人と、みえてないけど気づいていて善良であろうとする人と、本当は見えているのに目を逸らしている人の話だった。
2人のダンスのシーンが美しい。ひとりではやろうと思ったこともないダンス。2人なら踊れるでしょ。
人にあげるくらいなら燃やしてしまおうとするフィルと、もらってほしいと懇願し、皮の手袋を贈与されるローズ。このエピソードが肝だと思う。
弟もうちょっと奥さんのこと気にしてやれよとは思った。素朴な人と思いきや実はハイソな家に嫁いだら酒量も増えるわ。
自己の抑圧は他人への攻撃になりがちなのかもしれない。
フィルとピーターのシーンはどれも良かった。タバコの交換のエロス、うさぎをためらいもなく殺すピーター。
私の頭では理解できなかった
おそらく、同性愛に対する社会的な偏見や、そういった人たちの内なるものを、
100年前の閉鎖的な社会で描くことによって、伝えるものが多くあるのだろうけど、
大抵こういった話はうまく入り込んでこない。
最後の結末も、何となくそういう事だったのかなあ、とぼんやりと納得しただけで、
心には響かなかった。
LBGTQは女性同士だと割と理解できるのだけど、男性の場合、自分はあまり理解力を発揮できないらしい。
アカデミー賞作品賞、最有力候補と聞いてみたが、ここ2年『パラサイト』『ノマドランド』と私の中で5つ星作品が受賞してきたが、今年はそうはならなさそうだ。
『ムーンライト』という作品がアカデミー賞受賞した時も、『?』だったが、その時と同じ気持ちだ。
こういった作品を心に残せるような自分自身の理解力がほしい。悲しいが。
カウボーイサスペンス
ほうほうそうきたか
雄大な山々をみるだけでいい
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