「仏頂面のモナ・リザとクレバーな少年」モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン ばとーさんの映画レビュー(感想・評価)
仏頂面のモナ・リザとクレバーな少年
韓国人の女性が超能力に覚醒して施設を脱走ってくだりで、なんとなく韓国映画の「魔女」みたいなサイキック・サスペンス&アクションものを勝手に想像してたら全く違った。
かなり低予算と推察される映画で、主人公の超能力も他人の行動を支配できるというVFX表現が必要ない能力になっている。超能力が発動するシーンでの主人公の背景の変化は多分、ドリーズームという撮影技法でCG なしで済ませていると思う。ストーリーも単なる警察からの逃走劇と、能力を使ったセコい小金稼ぎで語るほどのものではない。
じゃあチープでつまらない映画かというと決してそんなことはなく、ほとんど笑わない仏頂面の主演女優さんはしかしとてもチャーミングで、ダンサーのビッチなお母さん、怪しさとは裏腹に親切な変なDJ、たまたま彼女を追うことになった警官、そして主人公と行動を共にする聡明な少年(ラストの彼の決断と行動は唸った)など多彩な登場人物の造形、加えてクールな画面のつくりと音楽とで、総合的になんとも言いがたい不思議な魅力のある映画だった。
映画に3点、主演の女優さんと少年と、懐かしのセリカXX(2代目スープラ)に1点の計4点です。
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