「赤い月に向かって飛べ」モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン bionさんの映画レビュー(感想・評価)
赤い月に向かって飛べ
意外なキャラが予想を裏切る行動を見せて、ピュアな人間ドラマが押し寄せる。
『バレリーナ』でクールビューティ・アクションを見せてくれた、チョン・ジョンソ。今回は、ヤバめのクールさで、ホントしびれました。それに加えてバディとなる少年がとにかくキュート。
その少年は見た目だけでなく、演技も天才的。芦田愛菜ばりの自然な涙が少年の頬をつたった瞬間、ほとんどの観客は、少年に心を鷲掴みにされたでしょう。これから少年が起こす行動を想像するだけで、涙が溢れます。
精神病院のシーケンスや病院を脱走してしばらくは、能力者としてのモナリザが描かれ、AKIRAのようなバイオレンスを予期させる。
ところが、ラスト近くになると、モナリザが能力者であったことを忘れてしまうくらい、モナリザと少年の逃避行に心が奪われてしまう。
スタイリッシュな映像もさることながら、変拍子を重ねながらジャンルチェンジしてしまう脚本も素晴らしい。
少年がモナリザに抱きつくシーンが脳裏から離れない。そんな物語でございます。
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