「血の繋がりか、親の愛か」パラレル・マザーズ taretanさんの映画レビュー(感想・評価)
血の繋がりか、親の愛か
クリックして本文を読む
「そして父になる」ならぬ「そして母になる」か。
だが、乳児の取り違えの問題がメインではあるが、そこにとどめず、地域での血の繋がり、そして、過去にあった惨事を風化させてはいけない、という社会派の映画であった。
ペネロペ・クルス演じる働く女性像も現代的であるし、ありきたりのテーマに現代の世相を映している。
急にアナにカミングアウトするシーンに、違和感を感じたが、今回のテーマである、「血の繋がり」を考えたとき、血縁を意識した曽祖父の遺骨発掘に望むまえに、自分に嘘はつけなかったのだろう。
騙し通しても、自分がやっていることは、ある意味、真実をうやむやにし、血縁を途絶えさせるという点で内紛時代と同じことをやってしまっていることになる。
「取り違え」と「過去の内乱」2つのテーマを一つの作品にまとめている試みは面白いが、あまりに違うシーン構成になっているため、もっときれいに接続はしてほしかった。
コメントする