「自分の感情を殺さずに連帯するスキル。」パラレル・マザーズ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
自分の感情を殺さずに連帯するスキル。
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スペインには情熱の国というわりとステレオタイプなイメージがあって、さりとてアルモドバルやビガス・ルナのスペイン映画を観る限りどれも情熱がほとばしっているので、あながち間違ってもいないのでは、と思ってきた。この映画でも、主人公たちが何かを決断する基準は、やはりロジックよりエモーションで、だからこそおかしな状況に陥ったり、ぶつかり合ったりするのだが、この映画のジャニスやアナには、お互いが感情的な生き物だと認めた上で、ちゃんと話し合って解決を見出す理性が備わっていることが、この映画の美点だと思う。物語の背景にスペイン内戦の悲劇があるからこそ、連帯するスキルの大切さを描いているのだと受け止めた。
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きりんさんのコメント
2023年4月2日
映画を観てから2ヶ月。
レビューがまとまらず半分諦めていた頃、ラジオからパブロ・カザルスの「鳥の歌」が流れました。
フランコ政権に抗議して国連総会の議場で演奏されたチェロ曲です。
あと押しされた気がしてやっとレビューを仕上げてみました。
当地長野県には「松代大本営跡」があります。
地下の要塞です。どうぞお越しください。