「曾祖母から祖母から母から私へ、私から娘、そして全ての女性へ」パラレル・マザーズ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
曾祖母から祖母から母から私へ、私から娘、そして全ての女性へ
早く陣痛が来るように胎児が下に降りてくるように病院の廊下を二人並んで歩いている様子がかわいくて笑った。硬膜外麻酔で産むからね(当然!陣痛も出産も痛えんだよ、死ぬほど!その麻酔だって陣痛を抑えるだけ!それだけでも有り難い!)、模様がついてる可愛いのをお揃いで着て痛い陣痛をのがすための呼吸はこうよと励まし合う二人。二人部屋っていいなあ。痛くて苦しくて辛いけど仲間がいてよかったねと心から思った。笑えたのはここまで。それからはずっと泣きながら観ていたかな、いやそんなわけないか。とてもいい映画だった。展開早く構成良く。
アルモドバル監督の映画をまた見なおそう、少なくとも「ライブ・フレッシュ」と「オール・アバウト・マイ・マザー」から。アナのママ、テレサも40代になって娘時代からの夢である女優になった。夢を捨てない。どんなに辛くても伝えるべきことは伝えるべき人に正直に伝える。隠さないし嘘で塗り固めない。歴史も記憶も消してはだめだと辛抱強く伝える役割は女性。なぜ女性?でも女性なんだ。大文字の歴史でなくて小文字の歴史を担っているのは女性だから。
おまけ
あれかこれか、ではないと前から思っています。息子からも教わった。あれかこれか、あれもこれも、あれでもなくこれでもなく、もある。私はその若い人たちをわかりたい。わかる自信がある。だから大丈夫だと若い人たちに伝えたい。
おはようございます。
コメントありがとうございます。
知り合いの高校教師に貴殿からお話いただいたご本を紹介されて、沢木先生のご本として読んだ記憶があります。その後、納得がいかず
「キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン」を読んで子供の頃の思いが瓦解していく音を聞きました。
それで、このスペインの内戦については神経質になってしまいますね。
大変に失礼しました。ありがとうございます。
talismanさん
お元気ですかー
最後の「あれかこれかではなく〜」のところ、ホントそうだねと膝を叩きました。
なんて素敵なセンスをお持ちの息子さん!
ドイツの「躓きの石銘板」も見に行ってみたいんです。
「何月何日にここに住んでいた○○はゲットーに連行された」と刻んだ銘板を舗道に嵌め込むムーブメントですね。
コメントありがとうございます。
性差とか性別が無くなっていく中で、社会におけるこれまでの、さしたる根拠のない男性優位も薄らいできましたが、ひとつ心配なのは、勘違いした男が唯一女性に勝てると思い込んでる体格差や体力で優位に立とうとして、暴力に走ることです。
法整備はもちろん、教育の面での大きな遅れも気になります。
本当素晴らしかったですね。敬愛するアルモドバルをtalismanさんと共有できて光栄です。最近、ほとんど映画館に行っておらず、レビューもまじめに書いて無かったのですが、やはり深い作品は考えるのが楽しいですね。深読みしすぎかもしれませんが。アルモドバルは懐が深すぎて愛情に包まれたまま余韻ありますよね。