劇場公開日 2022年11月18日

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ある男のレビュー・感想・評価

全368件中、341~360件目を表示

5.0「ある男」というタイトルをずっと回収し続ける映画

2022年11月19日
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上映開始から観終わった今も、ずっとどきどきしているんですよ。私は映画が大好き過ぎて、どれだけ大好きかと言うと、映画を擬人化するとして、映画が恋人だとしたら、私の愛が重た過ぎて多分半年も経たないうちにフられるでしょうなというぐらい、とても重たい愛が出て来てしまうぐらい好きで…。でもそれは勿論、例えば男好きな人が、男なら誰でも好き〜という訳じゃないのと一緒で、映画の中でも、好き・嫌いが勿論あります。
で、本題に入りますと、「ある男」はもう、それは本当にもう、がっつり好きでした。大好きです。多分初めて知ったばっかりなのにもう重た愛が発動しております。で、今どきどきしているという訳です。(何じゃそりゃと思う人いるかもしれませんが、人が、好きになる人それぞれ好みがあるように、映画も人それぞれなのでご了承を)
石川慶監督始めとした製作陣&俳優陣の方たち…全ての人が素晴らしい一本の作品を作ってる事に、脱帽しかないのですが、そんな敬意を忘れてしまうぐらい没頭して観てたなあ。映画っつーのはこうも丁寧に作れるものなんですね…作った事は無いので分からないけど、なんか丁寧な伝統芸能の技を観てる感覚と近いぐらいの作品だったよ。丁寧の種別で言うと、凄腕の料理人が、人間が食べる為に殺した生き物を、死を無駄にしない為にも骨から毛から余すとこなく美味しく料理する、あの丁寧さに酷似しています。
予告編を観ている人は何となくのストーリーが分かると思いますが、愛していたはずの夫が、亡くなった後、違う人間の名を名乗っていた事が発覚して、弁護士に調べてもらう…というお話です。私はこの手のストーリーは正直あまりそそられないっちゃそそられないのですがね、上映開始直前まで、まだ終わってない仕事を置いて会社を後にしたのを若干そわそわ負い目を感じてたのですが、始まった瞬間一目惚れした時みたいに没頭も没頭してしまいましたよ。いやあ…丁寧だなあ…とても丁寧に作られているし、開始数秒で心掴んでくるよね。一人一人の人間が、登場人物が、嘘が無いというか…演技って所謂虚構のはずなのに、この作品に出て来る人達は全員その登場人物の生い立ちを生きてて、まじで感動した。職人技ってこの事なのかな。
妻夫木聡…優しい人間を演じたら右に出る者がいないくらいピカイチなのに、優しさの中にある自己嫌悪やトラウマや罪悪感を垣間見せるのを演じさせてもピカイチですね。かっこ良い。
安藤サクラ…安藤サクラが流してる涙と同じ分量の涙を、劇場で流しました。母として強く生きる姿も、子供も含めた周りの人に少し寄りかかる(頼りにする)姿も、全てが愛おしかった。抱きしめたくなる人を演じていた。かっこ良い。
窪田正孝…元々、影のある人間やストイックな人間を演じるのがとても上手い俳優さんだとは思っていたし、「ふがいない僕は空を見た」で初めて観てからずっと我々を裏切らず真っ直ぐな演技と如実に年々凄く良くなる繊細な演技を見せてくれて…。かっこ良い。
清野菜々…相変わらずこの人も嘘が無い演技が上手いなあ。笑っているのに、笑顔を随時見せるのに、興味深々にチャレンジしたりするのに、心の奥底で本当は、寂しい、悲しい、逢いたい、という気持ちをひた隠しにしている役。顔いっぱいの笑顔なのにふいに見せる、隠している部分が見えてしまう時、こちらは彼女の何倍も泣いてしまったよ。涙を溜める瞳が多分一生心から離れないと思う。かっこ良い。
仲野太賀…数秒でこちらに色んな過去や想いを伝えてくれる演技をするのは神の領域だよ…。さすが石井裕也監督に、日本では数少ない、「その人自体がもう映画」と言わしめた人だね。かっこ良い。
柄本明…ここ最近の柄本明の中でいちばん好きでした。勿論ベテランもベテランなんだからそりゃ上手いよ。しかしこの作品の柄本明は誰もが惚れ直す柄本明だった。妻夫木演じる弁護士との掛け合いのシーン最高。掛け合い方…数秒の狂いも無いのに一切わざとらしさ無しのやつ。これも職人技なのか、それとも映画の神降臨なのか…。かっこ良い。
一人一人への想いを書いていると多分今日眠れなくなってしまうので自分の健康面を考えて一人一人への想いは一旦終わりにして…。
この作品のいいなと思うところは、俳優陣の演技力をひたすらに信じているところだけじゃなく、ちゃんと見た目や中身を取り入れた、言わばもはや当てがきなんじゃ?と思われるような脚本なところ。簡単に言えば、映画は、現実を描いているようで、普通の生活じゃ考えられないとても綺麗な男性女性が揃えられて観せてくる作品物なんだから、観ているこっち側としては【登場人物達はストーリー内容を真剣な顔で演じてはいるけどさ…その前に、「わーイケメンだな!」「うお美少女きた」とか、一発目でまず思うよね…?人間なんだから…】という違和感を抱えて観ることには多からず少なからずあるんだけど、この作品は大袈裟ではないがそれをきちんと出してくれててそこも無茶苦茶魅力的だなと思った。そこ凄く好きなポイント。観たら分かるのでそれを是非感じて欲しいです。
そして、人が生きてく中で、日々の生活やニュース番組や記事を読んで感じる、差別・偏見などの嫌〜な気持ちになる事を練り込んで、生々しい「人間の嫌な部分」とそこから生まれる「違和感」「事件」「展開」から、すーっと心に響く「感動」「涙」「人間愛」を、余す事無く、かと言って押し付けがましくも無く自然な感じに私の心に届けてくれるところもかなり好きでした。
あともうひとつ、アートとかアート系な何かと言うものは私が言えた筋合い無いのですが…冒頭と終わり方、最高過ぎでしょう。鳥肌立っちゃったよ。ある種冒頭から最後の最後まで、ずっとこの作品名の「ある男」というタイトルを回収して回収して、ある男を表現し続けているんだね、この作品は映画は。ストーリーも何もかも感動に次ぐ感動なんですが、ここもですか…(帽子で換算すれば約5000くらい脱帽してるはず)ってもう、感動に対して感動疲労(造語)した困憊な私でした。
これ観た後、色んな場面を思い出すだけで思い出し泣きします。というか、タイトルを思うだけで思い出し泣きします。
あーほんと面白かったな。出来るなら、劇場内で一緒に観ていた人達全員とハイタッチして劇場を後にしたかったぐらい面白かったな。最高の夜ってのはこの事ですよ。今夜も自分の激重な愛に自分でひいております…。感想終わり。

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まつこ

4.5 暗い原作。もっと明るい作品が見たい。ラストのどんでん返し。妻夫木...

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館

 暗い原作。もっと明るい作品が見たい。ラストのどんでん返し。妻夫木のキャスティングでわかっていたはず、はまり役。サクラさんは今回は幅のない役。世間体に殺される国。だから作品の枠組みがつまらない。平野は病気かと思った。ただ、別人になることを描きたかったのかとも思った。その点では、ラストは面白い。でも、在日の使い方も記号的。アイデア自体は面白い。

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えみり

3.5まあまあ

2022年11月18日
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もうちょい驚きがあってもいいかな。
ふうん、、って感じで流れていった感じ。
演技はうまい。

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ロン

4.0見応えあり

2022年11月18日
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最後に畳みかけてくる展開が良かったです。最後ええ?!ええ、、?って感じが面白かった。1回見ただけじゃ分からんなぁーだれだぁああ

愚行録で人の撮り方 雰囲気の出し方、脚本に感動してこの監督が好きになりました。今回も人間をよく映していたと感じます。妻夫木聡さんの湿っぽい演技が大好きです。次回作も期待してます。

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映画すき女子大生

3.0意外と

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館

名前や身分を偽っている人は多いのかもしれないですね。田舎ならバレるけど、都会ならバレないでしょう。怖い事だけど、この世の中にはある意味必要性のあることかもしれないと感じました。最後の3年間は幸せだったでしょうね、あの家族には。

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ごっとん

3.5分人の一評価だよ

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館

小説は未見
平野啓一郎さんの書く社会時評は好きなので、観るべき作品とおもいました。

結果
各出演者は的確だし、石川監督の歯切れのいい展開はいいと思いました。
特に良かったのは子役はさておき、やっぱり安藤サクラさんでした。人生の一断面を演じるのに、その前日譚や愛する人の複雑な心境を思いやったラストのシーン等彼女無くしてはありえない演技構成で唸りました。

文頭にあるように原作は未見なので、谷口大祐(太賀くん)の入れ替わる前、入れ替わった後の人生がどうも消化不良で、もう一方のXに主題を絞った結果に主題はわかりやすいのですが、映画的なカタルシスが減じられたような気がします。

純文学の映画化であり、最後の弁護士のシーン等いくらでも深読みができる象徴的な表現は素晴らしいのですが・・
映画としてはどうなのだろう?

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ソルト

4.0見応えありです。

2022年11月18日
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推しの女優さん俳優さんいなかったけど
番宣観て興味深く観に行きました。
原作は読んで無いのですが
わかりやすく最後まで、集中してみる事が
できました。

窪田くんと安藤さんの出会いから始まり
幸せな家庭を築きつつある所から話の展開が…

自分も含めて人は誰しも
知ってる範囲の情報でレッテルを貼ってしまう
産まれた国、親、職業、キリがない

過去の自分を知って欲しくなくて
それを隠したり消して
普通のふりをして生きていく。

柄本さん、小藪さんよかった。
演技が好き。くせになる。笑

妻夫木さんの色々な笑顔で
感情の使い分け、よかった。

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おかちゃん

4.5堂々

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館

果たして人は自らの出自から自由になることが出来るのか?社会的な意味でも、個人的な意味でも…
ずしりと重いテーマが、弁護士城戸の調査から浮かび上がる…
窪田正孝、堂々の主演作!一皮剥けたのでは!?
安藤サクラはじめ全キャストが抑えた素晴らしい演技。そんななか、柄本明のトリックスターぶりがスゴい…

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ぱんちょ

3.0人生とは何か🙃

2022年11月18日
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思っていたより重く難しい作品でした。
見終わった後もスッキリ感はなく
どよーんって感じです😶

全体として面白い作品で人生を考えさせられる
刺激のある映画です。

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ただの映画館スタッフ

2.0微妙

2022年11月18日
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この映画は公開前からかなり期待していたのですが、正直言って微妙な映画でした。在日とかストーリーの本線とは基本的に関係無いし、ラストの思わせぶりなシーンとかも意味不明だし、全体的に人間関係や人生の描き方が薄い、雰囲気だけの映画だと感じました。

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canghuixing

5.0心の深淵で繋がり向き合う中で

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

結末に迫る時の流れを引き延ばしたくなる様な、不思議な魔力に満ちていた。丁寧な心理描写で結ぶ演者の感情表現が素晴らしく、惹き込ませ心を離さなかった。溢れるヘイト、止まない憎しみ、隣人への不信感…生き直す真っ白な台本に希望を託しても、人は別人には成り得なく。社会の病理とは、付き纏うレッテルと抗えない血筋などではなく、それを掘り起こさせる情報網なのだ。ただ、それすらを払拭できること、それは過ごした時間で抱いた愛情であり、事実そのもの“真心で交わした経験”なのだ。だから、冷ややかな選択によるミステリアスな結末は、その温もりを沈静化するに値した。探り、知り、生きる為に捨てる。人は、苦悩の解放を渇望する旅を続けていくのだろう。

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yutamuroki

3.5妻夫木くんの

2022年11月18日
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悲しい

知的

演技に尽きる。自分をずっと押し殺してきたんだろうなと思わせる苦い笑顔。色々凄いものを放りこんでいて決して気分良い作品ではなかったですが・・柄本明も良かった。

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トミー

3.0自分の素性を隠して生きる人生

2022年11月18日
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鑑賞方法:映画館、VOD

ある男の正体を追及していくが
思ったほどミステリーではなかった
引き込まれる迄に時間がかかった
…どうしてだろう
登場人物が多数いて分かりにくい
ところにきて
…ある男
に余り興味が湧かないところかな
もう少し…演出に面白味が欲しかった

妻夫木の最後は
謎めいていて…よかった
…もしかすると
・・・素性隠して生きるのだろうか

追記。
[2024.3.4]配信にて
亡くなった男…ある男
ある男が何者なのか素性を
調べていく弁護士の城戸(妻夫木聡)
…ある男の正体は偽名を使っていた
事がわかった(谷口大祐)のなりすまし
何故に偽名だったのか
調べていく内に彼の生い立ちに…

『名前』の意図するものは
という問いかけのように感じた
名前はその人を現す名
すなわち。名前を変えれば
違う人物になり得る
…犯罪者の息子
というレッテルから逃れたかった
自分の出生を知られない様に
生きたかった
このある男は新たな自分に
なり新たな人生を送りたかった

弁護士の城戸にとっても
在日三世というコンプレックスに
生き辛さを感じていた
…偏見…差別にさらされる社会
生まれた環境は
変えることはできない
…自分は。と
日本人として生まれたかった
まさか、ある男の調査で
自分と対峙することになるとは。

後ろ向きの男の絵画
顔が見えないので何者なのか
わからない
…誰にでもなり得る
"自分の人生は自分のもの”
そうですね~この人生は手放したくない
ですね~ 城戸の言葉
これって…谷口大祐の人生を
なりすましちゃったの
何となくだけど。城戸が言おうとした
…名前は

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しろくろぱんだ

4.0ミステリーではなくヒューマンドラマ

2022年11月18日
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あまり深掘りしていない感じというか、分かったことをそのまま表す、今いる人たちが紡ぐ言葉や表情からストーリーを味わう、そんな感じの映画でした。
物足りなく感じる方もいると思いますが、私は逆にそれが良かった。

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Oyster Boy

3.5だれだっ?ダレだっ?誰だぁ~~~っ

2022年11月18日
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単刀直入に言うと
全員、闇深い。

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バウンティ・ハンター

3.0ミステリーとしても、人間ドラマとしても、描き込みが足りず、物足りない

2022年11月18日
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「嘘を愛する女」のように、「自分が愛した男性はいったい誰だったのか?」と悩む女性の話なのかと思っていると、男性の正体を調査する弁護士の話がメインになっていく。
ただ、その割に、謎を解く手掛かりが偶然によってもたらされるなど、ミステリーとしては、緻密さに欠けていると言わざるを得ない。
物語の核心部分となる、男性が他人に成りすました理由にしても、同情はできるものの、「やむにやまれず」といった切羽詰まった必然性は感じられない。
作品を通して度々提起される「差別」に対する問題意識も、ストーリーにうまくマッチしているとは思えないし、心にもあまり刺さらない。
何よりも残念なのは、柄本明演じる戸籍交換ブローカーの扱いで、せっかくインパクトのあるキャラクターだったのに、もっと物語の展開に活かすことはできなかったのかと、もったいなく思ってしまった。
「自分とは違う人間になって、別の人生を送ってみたい」という思いは、今の人生に対する不満の裏返しなのだろうが、誰もがそうした願望を持っているということを描いたラストシーンには、少なからず共感することができた。

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tomato

3.0中盤以降のテンポの悪さがなんとも

2022年11月18日
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これだけ達者な俳優陣を揃えておきながら中盤以降のテンポの悪さはひとえに監督の責任。
安藤サクラを筆頭に真摯に役に向き合う姿は今年一番の傑作かと思わせる滑り出しだったのにね 残念。

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すったもんだだよ

4.0#80 リアルなりすまし

2022年11月18日
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ネット上なら誰でもなりすましできるけど、リアルワールドでは中々難しいよね。
でも日本には戸籍制度があるから、本人さえ同意すれば簡単に他人になりすませちゃう。ある意味そこは問題。

みんな本当のことを言っているのかどうかわからない中、刑務所内にいる囚人が言ってることが実は1番リアル。
特に1番まともそうに見える弁護士の家庭が1番ひどい。

うその世界でほんのいっときでも本物の幸せを感じれたニセ谷口の人生のほうが良かったのでは?

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chicarica

4.0見応えある秀作

2022年11月18日
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原作は未読である。子供は親が誰であるのかを知らずに生まれ、成長と共に知ることになる訳であるが、犯罪者の子供は犯罪者なのかというのは古くからの命題であり、聖書の原罪の根拠にもされている。しかし、親が犯した犯罪で子供が裁かれるのは理不尽である。同じことは在日の者にも言えて、好きで在日の子供に生まれてきた訳ではないのに日本人からのバッシングを受けるのは理不尽だと言いたがっているように見えた。

しかし、親が犯罪者である場合と在日である場合は全く事情が異なるものである。犯罪者は犯行の手口を我が子に教えたりはしないが、在日の家では日本人に対して終戦以降代々受け継がれて来た根深い恨みつらみが物語として継承されている。また、犯罪者の形質が遺伝することは考えにくいが、在日の遺伝形質は間違いなく伝わっている。その相違は明確に区別すべきである。

他人の戸籍を勝手に詐称するのは、相手が存命の場合は極めて難しいが、死亡した者になりすましたり、あるいは戸籍を変えたい者が二人いる場合に交換というのはあり得る話で、戸籍には顔写真などが付いていないのでそうした抜け道が可能性として残されている。将来的には DNA 型も併せて登録するとかにしなければ不正を完全には防げないだろう。

犯罪者の父親譲りの風貌に絶望しながら、それでも懸命に生きていこうとした者の哀しさと、正体不明の人物を徐々に明らかにしていく展開が非常に見応えがあった。真相に行き着くまでの展開に無理がなく、実に丁寧な物語の進行には、見る者に深く納得させるものがあった。見事な脚本だと思った。

窪田は、父親のトラウマを抱えながら懸命に生きる人物を好演していた。ボクサーとしての身体の鍛え方も見事であった。妻夫木は、普段は上機嫌で物腰も柔らかいが、一旦キレると別人のように凶暴になるという在日らしさを実に良く演じていた。安藤は少し表情に乏しく、どんな場面でも同じように見えてしまったのは残念だった。真木は適役だったというべきだろう。柄本は相変わらずの怪演だった。

非常に濃密な映画で、見応えがあった。ただ、音楽が凡庸過ぎたのが残念だった。
(映像5+脚本5+役者4+音楽1+演出5)×4= 80 点

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アラカン

3.5上手な嘘は人を幸せにする

2022年11月18日
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原作未読。
中学生の男の子がめっちゃいい。
新しい父親をとても好きになって自分も新しい父親に好かれている。
子供の頃の自分と重なって切なくなった。
尺の関係なんだろうけど端折っての進行多い気がした…
もう少しそれぞれの心の動きとか描き込んで欲しかった。

新しい人生を他人の名前で進んでいくってナンバー打たれてしまった昨今ではやりづらいんだろうけど『他人の人生』って成功者のものなら憧れますw
窪田くんあのワンシーンの為に身体作ったの?マジボクサーの身体に見えて凄いなと。

ラストシーンは完全いらないと思う。
だったら別れる為の一悶着描けよと。
消化不良。
真木よう子は色っぽい。

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REGZA521