「名刺も戸籍も公信力はない?」ある男 スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
名刺も戸籍も公信力はない?
本作は別人に成りすました「ある男」の正体と過去をたどる物語。
戸籍の売買により、別人に成りすまし、己に巣食う過去やトラウマからは逃れようとする男はこう思ったはずだ。「酸味」の強すぎる自身の人生を変えたい。せめてラベルや名札だけでも。ただ、鏡に映る自分の姿がそれを許さない。
「ある男」の経歴をたどる物語をとおして
「別人の人生を生きられたなら」、「人生をリセットできたら」と思う心に共感するとともに、「真」の人生だろうが、「偽」の人生だろうが、その歩み方次第なのだと感じた。
今回の真相を追う弁護士城戸にもとあるコンプレックスを抱えており、
物語ラストにまさかの展開が待っている。
ミイラ取りはミイラになったのか?
コメントする