「社会性とエンタメミステリーの見事な両立」ある男 ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
社会性とエンタメミステリーの見事な両立
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最初の絵のワンショットから、最後の終わり方まで見事な出来だった。
平野啓一郎を知っていたら、わかりやすいテーマであるし、物語と見事にマッチしている。
また、直接的に表現するわけでもなく、比喩なども、うまく使いながらの、バランスもいい。
感動を呼ぶ展開みたいな売り方をしていたが、その部分は正直盛り過ぎだとは思った。それを引いても面白いのだが。
絵に関しては、最初は、在日韓国人→帰化した2人分。最後には戸籍を変えて3人目。これをパンフレットの表紙にして絵画調にしているのもセンスいい。
それにしても、ラスト前の浮気シーン、平和な食事シーンなのに、このままでは終わらないという空気感にハラハラドキドキして、とても怖かったのが印象的だった。作品全体が作ってきた流れが凝縮されているとも感じる。
2023年劇場鑑賞70本目
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