劇場公開日 2022年11月18日

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「自分を捨てたくなる時って、切ない…。」ある男 のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5自分を捨てたくなる時って、切ない…。

2022年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

好きな作家 平野啓一郎さんの原作で、観たい俳優 妻夫木聡さんの出演作、楽しみにしていた。

仕事帰りのレイトショーは大きなスクリーンに私も含め観客は3人だけで、内容と同じ冷え冷えした静かな空間が落ち着いた。
最初から引き込まれて、妻夫木さんの視点で鑑賞。
窪田さんの出演作は初めて観たけれど、メンタルしんどい役だなと感じた。

ここしか居場所がないと思っちゃうと、袋小路に入る。
家族や周りの人たちから嫌われないように、自分を抑えて、我慢しなきゃと思い込んでしまう。
ホントは、そんなことないのになあ…。

不愉快なことを言われたら、やめてと言う。
希望があれば、こうして欲しいとお願いする。
きき入れてもらえないなら、そこから、その人から離れてみる。
その気になれば、世界中、どこにでも、自分の居場所はあると信じてみる。

死ぬまで付き合うのは、自分だけ。
家族ですら、人生の一部でしかない。
なら、最大限、自分を尊重してわがままに生きていい。
間違えたら、謝って修正したらいい。

色々な体験をして、優しい自分も、ずるい自分も、怒り狂う自分も、情けない自分も、失敗しながら受け入れていけばいい。
だからどうか、自分を捨てないでと祈る。

妻夫木君が、ラストシーン、なんと名乗ったのかすごく気になった。
私なら・・・。

のりたまちび