劇場公開日 2023年3月10日

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「ストレートに心に響く」有り、触れた、未来 shironさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ストレートに心に響く

2023年3月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

あるシーンで、一気に実体験が蘇ってきてギャン泣き。
それからは、もうずっと泣きながら見ていました。
コロナ禍に自ら命を絶ってしまった人たち…これ以上そんなことが起こらないよう、命をくい止める為に映画の力を信じて作られた作品です。
「誰一人取りこぼさない!」という思いがひしひしと伝わる群像劇で、きっと登場人物の誰かしらに感情移入できるはず。

自分一人の為に生きていると、自分自身に生きている価値が見出せなくなった時、生きる意味が無くなってしまう。
でも、“生きがい”って自分の外側にも見出せるはず。
少し目線を広げれば、そこには自分以外の人たちがいる。
「誰かと共に生きる」にシフトすれば、命は自分だけのものではなくなる。

この映画を見てとくに新鮮に感じたのは「誰かと共に生きる」=「誰かの役に立つ」ではないところ。
“役に立つ”だなんて大仰で志しの高いものでなくて良い。
「応援する」とか「見守る」ことが生きがいでも良いし、生きがい自体がどんどん変わっていっても良い。
(推し活って確実に日々を豊かにしてくれますよね。依存しすぎは良くないですが。)

クライマックスの高揚感!!
たとえ遠く離れていても、たとえツールが違っていても、今この瞬間も世界のどこかで芸術は観客の心に語りかけ、観客の心は動き出す。
コロナで封じ込められていた芸術のパワーが蘇った感覚に包まれました。

コロナ禍に途切れてしまったコミニュケーションを取り戻す。
エンドロールがまた胸熱。
人と人との繋がりの大切さを訴える映画だけれども、そもそも映画は1人では作れない。
多くの人が関わってこの映画が作られた。
この映画を作ることで新たに生まれた人と人の繋がりに感動しました。

そして、観客がいないと映画は成り立たない!(←ここ大事)
形の無い芸術を完成させるのは観客。
同じ映画を観ていても、響き方は人それぞれ。10人いれば10本の映画が生まれる。
自分だけの映画を完成させる為に、私は生きている。
ま。そんな生きがいがあっても良いよね。

shiron