ノー・ウェイ・アウトのレビュー・感想・評価
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造形美
2022/11/23 初N。一応ちゃんと筋が通った話で安心した。度々現れた母親の霊は娘を助けようとしたのか恨んでいたのか。生きている者は前に進まざるを得ない。ところでクリーチャーの造形美たるや。この映画で一番のお金金のかけどころそこですか。 不法移民のリスクを考えさせられる。
モンスターに注力
ホラー映画の主人公は執心やわだかまりを持っている。ことが多い。そして、敵となるモンスターが、彼/彼女のなかにあるその執心そのもの──を投影していることが、よくある。 本作の主人公も母親が亡くなったことと、メキシコからクリーヴランドに移住したこと──強迫観念がかのじょをバインドしている。そのhorribleなふんいきはいい。とりわけ移民の立場が、きょうみ深かった。 あなたは他国へ移民を希望していますか? 幸福なことだが、日本人はおそらく移民の気持ちについて、この惑星でもっとも縁遠い人種だと思う。 くわえてダイバーシティ(人種に対する多様性)が欠如している日本人としては、この主人公が負う移民の境遇が、とてもわかりづらい。 (世界を知らない日本人の感覚としては)陽の当たらない地階で洋裁をして雇い主に搾取される──なんてのはアジア圏の低層階級が負う境遇である*。 映画とはいえモデルのようなCristina Rodloが隷属的労働者をやっているのは違和感があった。 *ちなみにこれはある種の差別意識もある視点だが、ほとんどの(日本人の)視聴者がそうかんじたはず──という自信にもとづいて、あえて書いた。 horribleふんいきはいいけれど見どころはすくない。すくない──というかモンスターの造形にすべての焦点がきている。本作の監督Santiago Menghini(の情報を)を見たらVisual effectsをやってきたひとで長編はデビューになっていた。よってVisual effectsの専門家としての矜持というか──たしかにモンスターのできはすごかった。 わたしが思い浮かべたのは(もののけ姫の)シシ神。強さと気持ち悪さと、わけのわかんなさをかねそなえた、いい感じのモンスターだった。 そのモンスターが主人公アンバーが負っている母親の死の強迫観念と重なるところにホラー映画の素地が据わっていた。及第なできだったが、わかっているひとがつくっていると思った。
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