劇場公開日 2022年1月21日

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「圧倒的なユ・アインの怪演!」声もなく じーたらさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0圧倒的なユ・アインの怪演!

2022年2月17日
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鑑賞方法:映画館

卵の移動販売と言う表向きの顔を持ちながら、裏では犯罪組織の死体処理を任されている2人。
そんな彼らがある日、誘拐を請け負うという、何かようわからないイントロダクションだったが、
その背景にある貧困や、善悪のあいまいな境界線が絶妙な面白さを醸し出していた。

当初、ユ・ジェミョンとユ・アインの親子か先輩後輩的なバディムービーかと思っていたが、物語が進むにつれ、ユ・アイン演じる口のきけない青年の行動がこの映画に強烈なインパクトを与える。
一つもセリフもない中、このテインという青年役を演じきったユ・アインがあまりにも凄すぎた。
台詞がない分、観る側はそこに彼の心境や感情を推理し、やがて彼の演技に引き込まれていく。
また、話せないというハンディを背負っている分、この奇妙な誘拐劇がどういう結末を迎えるのかがわからず、まったく予想できない展開にひたすら見入ってしまった。

また、誘拐された少女も、心を許してるのか、それともそれが高等な演技なのか、最後の最後まで読めないスリリングな展開。

もしかしたら『万引き家族』に着想してるのかな、というところもあったが、芯のところは実は観客に委ねられているような挑戦的な作品ともとれた。

これはなかなかの傑作ですよ。

ユ・アインは本作に向け、ウェイトアップをしたそう。
確かに、ちょっと肉付きが良くなっているな、と感じたが、そこにも彼のキャラが出ている。
こんなユ・アイン観たことない。

じーたら