劇場公開日 2022年3月4日

  • 予告編を見る

「イイハナシではあるものの」ブルーサーマル Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5イイハナシではあるものの

2022年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

原子力発電に関する何かしら?と大いなる勘違いをしていましたが、ソッチは『プルサーマル』。ツナギを着ていたせいで大学生による科学技術系と当初思ってた自分は、実は航空機の話と知って寧ろソレ以上に興味を持ったものです。

乗り物大好きな自分は当然飛行機も好きですが、それでも実際グライダーという存在はかなり遠くにあり、そう言えばこう云うのあったな、と思い出すくらい(パラグライダーの経験はあり)。なので一般の方にとってはもっと遠い場所の話になるでしょう。なのでココで航空技術の話を紡いでも喜ぶのは宮崎駿氏や自分くらいでしょうか。
従ってコレは純粋に『アオハル』以外の何物でもなく、寧ろソレとして鑑賞しなければなりません。リアルな航空機とその周辺の事情を追求し始めると、またたく間に脚本が追い詰められてしまう事でしょう。自分はその辺よく知らないので内容に上手くノッて鑑賞できた感があります。また『スポ根』目線で観ても比較的セオリーから外れた内容です。

なので見どころとしては、綺麗な青空や俯瞰の景色・描写、ほぼほぼガチな長崎弁と関西弁の応酬やコミカルな演出による作画など、動物みたいなツルタマとその周囲の人達の賑やかで和気藹々のドラマに、観賞の視点を向けた方が良さげな気がします。
ただあまりにテキパキと話が進んでしまうため状況の補完がゆるく、どうしてそうなった?的なトートツで不自然に思われるフシもワリとあるため、ソコはそれなりに脳内補完する必要があります。それでも些か微妙な部分もあるのですが、全体のお話がマズマズ面白かったので個人的には良好です。

上記の理由からマイナス部分としては、まずどうにも尺が短すぎる事で、個人的には姉の件までを2時間分使い、残りを2時間の前後編にしても良いくらい。難なら全13話のTVアニメにした方が良かったかも? 作中の季節的にも一年股に掛かってますし。それならもう少し内容や掛け合いのシーンを増やせて、リアルな人間を表現できたかも知れません(もしコレが原作通りならソレは無理かもですが)。
もう一つは、またしてもヒロインの中の人にガッカリした事。サスガに丸太(←棒の最たる様子)ではないにしろ、また権利関係からねじ込まれた訳でもないとは言え、そう云う余計なところで気が散らされるのも何だかなぁと思う次第です。その辺は『ドン・グリーズ』みたく内容に影響のない部分からやってもらうとか出来ないものでしょうかね?
方言も指導が付いてると思いますが、それでも所々微妙な空気が‥‥

と云う訳で、カップルがデートで見に行く映画としては良作かと思われ、普通に鑑賞する分にはマズマズの作品だったと思います。一方リアルな現場の臨場感を期待しては駄目かなぁと。。。
採点としては、★3.75位? です。

Geso_de_Nyoro