ほんとうのピノッキオのレビュー・感想・評価
全88件中、61~80件目を表示
おとぎの世界な映像、ワンダフル。
確かにダーク。が、ダークすぎない映像世界が素晴らしい。親の言う事は聞いて、ウソはだめ、反省すれば人生はやり直せる、などなど…おとぎの中にもしっかり教えがあってためになる。
木の肌感はCG?特殊メイク?マグロやサメやら全てのキャラが違和感なく動いていて魅せられます。
見応えあり。
映像美が素晴らしい
かなり原作に忠実に作っていると思った。
邦題の「ほんとうの」はいらないのでは。ピノッキオのストーリーそのものでべつにひねりはない。まあ、ディズニー版の改変したものではなく、「正統派の」といいたいのかな。
あおりの「ダークファンタジー」にも違和感。どのへんがダークなのだろう? 強いて言えば、人外のキャラの造形がグロテスクなのと、ピノッキオの時代の暗くて極貧の庶民の生活が描かれているところだろうか。
とにかく映像がすばらしい。こだわりにこだわっているように思う。キャラがグロいと言ったが、好みのグロさ。
もともと子供向けに書かれた童話だと思うが、この映画が子供に受けるかは疑問。ストーリー展開がたんたんとしすぎているし、キャラがグロくて受け付けないだろう。
でも内容は子供に見せたい内容だったりするので、対象年齢がややはっきりしない。大人が子供に、いい映画だから見なさい、といって見させる感じかな。
善い行いをすれば報われ、悪い行いをすれば罰を受ける、というシンプルだけど力強いストーリー。子供は耳タコで言われている道徳かもしれないが、あらためてこういうふうに分かりやすい教訓話として言われると、胸に響くものがある。
もちろんそれだけではなくて、子供の人身売買を思わせるところや、体罰を与える教師、貧しい家庭が教育を受けられない環境にあることなど、子供をとりまく社会問題を提起している側面もある。
脚本は序盤はすごく丁寧に作っているように思ったが、後半になるにつれて荒さがあるように思った。
ジェペットをとりまく人間関係のディティールの描き方がとても丁寧。人付き合いが苦手でプライドが高くて空気が読めない困りもののじいさんをみんなが困りながらも温かく助けている感じがとても良かった。
この映画の一つの特徴として、人物たちを多面的に描いているところだと思う。
ジェペットは単なる気の優しいおじいさんというわけではなく、おろかで困ったところもある。質屋、人形劇の団長、教師といった人物たちも、良い面と悪い面がある。
そしてこれらの多面性の軸となっているのは、お金と生活についての非情なまでのシビアさである。誰もが生活のためにお金を得ることについてはリアリストであり、そのためであれば厳しい顔をする。
ピノッキオは、単に道徳的な意味で成長していくのではない。実はこの映画においてはピノッキオははじめから善良なのであるが、お金や生活(社会)に対して無知であるために、容易にだまされてしまったり、勉強の価値がわからなかったり、お金のために人が悪人になることを理解できなかったりする。
そして、「お金の大切さ」「お金をかせぐためには地道に真面目にがんばる他はない」ということを経験を通して理解する。
悪役の代表として登場するきつねとねこはこの映画における最重要キャラだと思う。日本では彼らが視覚障害者と身体障害者であることが差別を助長するのではないかということで問題になったことがある。
おそらくこの映画を作る上でも、彼らをどう描くかはかなり議論されたはずだ。しかし最終的に原作通りになった。それは、あえて原作どおりにすることで、貧困について考える契機にする、というねらいがあったのでは、と思う。
きつねとねこはふだんは残飯をわけてもらったり、川で魚をとったりして食いつないでいる。そして人をだますことに躊躇がない。しかしそうなる理由をよく考えれば、彼らが障害者であり、それ以外に生活する手段が無いからだ。
この映画では動物のキャラはみな特殊メイクをしているのに、例外的にきつねとねこだけはほとんど人間の姿をしている。これは、きつねとねこはファンタジーのキャラではなく、人間なのだ、というメッセージだと思う。
この映画はすごく良い映画だと思うが、人にすすめられるか、と言われれば微妙だ。映画を見慣れていない人が観れば、退屈だった、とか、意味が分からなかった、と言われてしまうだろう。
ストーリーは唐突だったり意味が分からないところが多い。ピノッキオの成長が一番重要な主題だと思うが、成長の過程が分かりにくい。ピノッキオの悪行は、忠告に腹を立てて暴力をふるう、目の前の誘惑に負けて大切な教科書を売ってしまう、楽してかせげる儲け話にだまされてしまう、保身のためにウソをつく、遊びのために勉強から逃げ出す、といったところだが、これらひとつひとつをどう克服していったのか、分かりやすくは示されていない。
コオロギに謝罪するとか(そういえば原作ではコオロギを殺してしまうのだと思ったが、なぜ変えたんだろう?)、教科書を買い直すとかいう描写をちょっと入れるだけでずいぶん印象が変わると思う。
妖精がいきなり大人になっていたり、ジェペットを探していたはずなのにのんびり学校に通いはじめたり、思いつきのように人間の子供になりたいと言い出したり、原作どおりなのかもしれないが、脚本でもっと不自然さを補完できたのではないか。
世界観についても一貫性がない。ピノッキオは人形なのに話すことが驚かれる一方、なぜかあやつり人形たちも話すことができる意思をもつ存在である。
コオロギ、カタツムリ、マグロなどは「話すことができる」獣人のような存在だが、一方、ロバ、ウマ、サメ、羊は話すことができない本物の動物である。
脚本で補完するなら、獣人たちは妖精に関わる者たちだけで、ピノッキオにしか見えない、みたいな設定にすれば、混乱がなかったかも。
子供の素直さが時にはあだになるのかぁ
「ドッグマン」監督の作品でしたが、全く違うテイストになっていました。
ですが、色合いがなんと言えばよいのか、鉛色混じりの水色と言えばよいのかヌルーっとした感じで落ち着かないんですよね。
色彩で言うとアリス・イン・ワンダーランドの対局にあるような、ただすべてのキャラクターに違和感を覚えることはありませんでした(多くのレビュアーの皆さんと同じでマグロにはビックリ!)。
良質のファンタジーで子供の持つ無垢さ、それが纏う残酷さなどが良く表現されていました。
これ、吹替版があったら子供が鑑賞すると一生忘れられない作品になるんじゃないかなぁ、って個人的には思います(それくらいインパクト強かったです)
面白かったです。
原作派大満足の映像化
自分は原作も子供の頃から読んで馴染んでてグロテスクでダークなイメージの原作も馴染んでるしディズニー版とは別クチで認識して育った少数派。
映画は原作のキャラクター、イメージをかなり強く忠実に拾ってる反面、映画として整理されてたり原作で瞬殺のコオロギが何度も登場して延命されてるあたり、ディズニー版で育った世代にも多少救いの手を差し伸べてるような気がしないでもない…のだけど、まぁ、普通の観客の大半は置いてきぼり。
劇場内の空気が明らかに「期待してたピノッキオと違う…」という困惑の空気を感じて、自分の喜びとは裏腹に、言い訳したくなるようなビミョーな空気に包まれた鑑賞体験でした。
めちゃくちゃ良いんですけど、言うなればアート系単館でかかりそうなテイストなんですよ…。ピノッキオの木目=肌感も、不快スレスレというか…たぶん嫌いな人多数かも…?
いや、そこには最後のあの描写に意味を感じましたよ。…意気込みですよ。
美術も音楽もキレイだし、イタリアの貧困描写のキツさも、障害者を装いピノッキオに近づくキツネと猫の末路も原作通り。容赦ない。(いや、キツネ登場時の描写は障害者への差別的な、もっとエゲツナイ原作からは相当ライトになってる印象なんだけど、それは映画の現代のコードにのっとってるように見受けました。優しさ…なのか? センサードの敗北なのか?!)
家族で楽しく観に行くと、たぶん変な空気になるけど、これが本来のピノッキオだし原作よりはかなり口当たり良い気がする。
病気の熱でうなされた悪夢見てるような展開と空気感。そして、どこか教訓があるようで、詰めて考えるとどこか歯車ズレてるような…。
好みは分かれそう。
鬱展開やダークファンタジーに抗体があって好きなら一見の価値あり。きっと忘れられない映像体験になるはず。
素直な狂気をはらむ
ポスターが公開された当初、なんだこのピノキオは!?と驚き釘付けにされました。ピノキオの物語は子供の頃の見た記憶はあるのですが、完全にボヤーっとした記憶しかないです。嘘をついたら鼻が伸びるとかの基本設定くらいしか覚えてないです。休日は中々に混んでいたので、平日に鑑賞。
今作、とにかく造形や撮影が素晴らしいです。ピノッキオの人形ぽい特殊メイク、色彩豊かな背景、自然描写と、アカデミー賞の美術の賞にノミネートされるのも納得な一本でした。特に強烈だったのはカタツムリのデザインです。気持ち悪さもありつつ、何か包み込むような優しさ、だけどカタツムリ特有の粘膜があり、歯痒いバランスが見事だと思います。
ただ、ストーリーはやや冗長にも感じました。丁寧に描いているのは分かるのですが、どうも長く感じてしまいました。ピノッキオが色々なところへ出向いては世話になったり、見放されたりの繰り返しなので、少しもどかしくなりました。これはアニメ版では感じなかった感覚です。でも、その丁寧さが良い方向に働いているところもあり、ピノッキオの傲慢さ、子供ならではの残虐性を強調しているようにも思えました。リアルなデザインだからこそ成せる技だなと思い、関心しました。
役者陣の演技も好演で、特にキツネを演じたマッシモ・チョッケリニの目をかっ開いた圧のある演技、とても不快であり、最高な演技でした。ピノッキオの意地の悪さも最高です。
終盤にまさかの巨大ザメが出てきてくれて、少ない出番で全身すら登場しませんが、サメ好きとしてはこのサメの正体が知りたいなと思ったくらい好きなデザインです。アサイラムさん…チラチラ。喋る哀れなマグロも中々に好きです。
最後は原作通り、ピノッキオが人形から人間へと変わるところで物語は終わります。バッドエンドを経てからのハッピーエンドでした。
想像を超えてくるものはありませんでしたが、圧倒的なデザイン性、役者陣の好演、背景の美しさと、優等生的映画でした。アニメ版も見返してみようかなと思いました。
鑑賞日 11/8
鑑賞時間 14:50〜17:05
座席 I-16
童話は時代を越える
童話の中のメッセージは時代を超えて我々観客の心を動かすのだなと強く思った。
劇中でも金貨を埋めてお金をいっぱいもらおうとするピノキオ(無論詐欺師に騙されてるのだが)に対しコオロギが言う
「すぐにお金を稼げるというような甘い話には耳を貸すな」
という忠告は現代の大人達にも言えるのではないだろうか。
「〇〇をするだけで収入アップ」や「貴方も明日からお金持ち」というようなキャッチコピーがつけられた自己啓発本が飛ぶように売れ、その手の詐欺が絶えない現代社会にこの童話が実写化された意味はあったと思う。
そういうところがなくても子供の良いところ、悪い所をどちらも余すところなく描いた原作の凄さには驚嘆する。
最初ピノっキオは様々な悪者に騙されたり、お父さんが買ってくれた大事な教科書を売って娯楽を求めたりするが、人形使いから解放されたのは紛れもなくピノッキオの純粋さに人形買いが心を打たれたからである。
こういうところで子供にしかないものを描いていて素晴らしいなと思った。
終盤おもちゃの国へ行く馬車にピノッキオが乗ろうとしてしまうところでは思わず首をブンブンと振りながら「行くな!ピノッキオ!!」と心の中で叫んでいた。
それくらい物語に没入させたのは作品の美術や役者の演技などの要員が大きい。
特にピノッキオの人形感を不気味になりすぎずに表現したCG?特殊メイク?には舌を巻いた。
ピノッキオを演じた役者さん自身も子供らしく伸び伸びと演じていてそれがピノッキオの未熟さ等々に自然につながっていたように思う。
またピノッキオのお父さん役の方も素晴らしかった。
お父さんの子供を思う愛が素晴らしかった。
さらに、ピノッキオが強盗(に扮した狐と猫)に追いかけられているところなんかはまるでアトラクションのよう。
また、この作品では必ず何かものをもらう時に対価を要求される。
それが金の時もあり、物の時もあり、労働の時もある。
ピノッキオが苦労せず手に入れたもの(お父さんからもらった教科書や人形買いから貰った5枚の金貨)はすぐに無に帰してしまうが、ピノッキオが最後羊農家で苦労して手に入れたものはお父さんの身体を治したり、自分たちの幸せに還元される。
自分自身が苦労して手に入れたものは自分の財産となりそれが幸せを呼び込むというメッセージが表されていてよかった。
今更そんなメッセージに感動してるのかと思うかもしれないが、実際今の時代には楽して楽して稼ごうとする人がいっぱいいることを考えるとあながち馬鹿にもできないのではないのだろうか。
最初のお父さんのしゃべりが
面白かったです!
トラブルいっぱいだったけど、いろんな人(?)に助けられましたね!
キツツキ面白かったです。
サメにはビックリ!
キスは、すごい力がありますね。
マグロさんありがとう!
ラストよかったです。
ほんとうの って要るのかなぁ
現在の特殊メイク技術を駆使して、原作に忠実に作られた作品だそうです。
世代を超えて読み継がれてきた物語は、新たな解釈や小細工などしなくても、充分大人の鑑賞に耐えられる。
日本の昔話なんかも変なことしないで、この作品みたいにお金かけて真面目に作ったら、結構海外でも受け入れられる作品ができるんじゃないかな。
風景も音楽も美しい、但しストーリーに感動することはない(みんな知ってるから)。でもこういうの大好き。
ピノキオかわいい。
邦題に、ほんとうのってついてるけど、ディズニーのとそんなに違ってましたっけ?
ダークファンタジーて銘打ってますけど、売り方間違ってませんか? 若い女性の観客が多かったですが、吹き替え版にして夏休みの親子向け作品として公開すべき作品だと思いました。(いい意味で)
鮫のお腹の中で再会するのが、ディズニー版でも思ったけど、唐突過ぎる。マグロがナスDに似てた。
子供の頃、外国のテレビ番組で、木に顔があって喋ったり、動いたり、魔女か出てきたりすのがあって(あれ何てドラマだったんだろう)すごく怖かったけど、 C Gが当たり前の中で育っている今の子供たちも、この作品に出てくるコオロギやカタツムリ、怖いだろうか。
怖いだろうな。
怖いのって見たくなるよね。
ピノッキオは優しい子
初めはどうかなぁ~と思った が…
どんどんピノッキオに引き込まれていく
嘘をつくと鼻がどんどん伸びる
忠告を聞かなかったりすると大変なことになる
たくさんの人と出会い色々な経験を経て
人間になることができた
何か。人形の時に感情移入してたので
人間になった時はいまひとつ感動が。。無かった?
映画の舞台美術が良く作られて素晴らしかった
マグロがヤバイ
木こりのおじいさんに作られて生まれた問題児ピノッキオが困難を乗り越えながら成長していく話。
ピノキオはじめ色んな登場人物たちの造形が基本は着ぐるみ(舞台衣装っぽい)、それでも無理なところはCGというようにうまーく混ざり合ってて、あんまり違和感なく見れた(でもやっぱマグロは笑ってしまった)。ここらへん『CATS』実写化見習った方が良いね(笑)
児童文学が原作なので"教訓"という感じ。でもその教訓が必ず正しい訳でもないことがちゃんと提示されてた、大人の押しつけじゃないのが良かった。
まずは、「嘘をついてはいけない」という教訓。ピノキオが嘘をついた時に鼻が伸びるシーンと伸びないシーンの2パターン出すことで、嘘をつくことが悪いことでは無いときもあることをちゃんと表現されてた。
もう1つは、「大人の言うことをちゃんと聞きなさい」という教訓。ピノキオは何度もコオロギや妖精に言うことを聞けと言われても、全く聞かずに案の定痛い目を見る。でも学校については、妖精に言われた通り通い始めるも、あまり良い場所として描かれてないし、ピノキオ勉強してたけど何か意味があったかと言われれば別に何の役にもたっていない。
他にも、いかにも悪そうに出てきた人がピノキオの純粋な心で変わることもあるし、そんな綺麗事が通用しない悪人も出てくる。結局ピノキオは大人に言われたことから成長したのではなく、自分の目で見たこと経験したこと失敗したことから自分で成長していく。これ以上子供に見せるべき映画はないんじゃないか。
子供に見せるにはちとトラウマになりそうなキャラはチラホラいるが(笑)
カットが変わっていきなり展開が変わること多々
なんとなく知ってるが本当のピノッキオを原作は、分かってません。ですのでどこまで原作に忠実なのか、分かりません。
その上でのレヴューです。
オープニングでピノッキオが誕生するあたりまでは、ワクワクしたのですが、それ以降は全体的になんか興醒めです。
いくらファンタジーといっても終始奇々怪界なストーリーには正直乗り切れませんでした。
ギレルモデルトロ監督の傑作「バンスラビリンス」のようなものを期待したんですけどね。
アメリカ映画とは違うせいなのか、カットが変わっていきなり展開が進んでて違和感なくそれを受けいれる状況にはオヤッと思うことしきりでした。
ただ鼻が伸びるシーン。突然ロバになる少年たち。いきなりの裁判で悪いことしたら有罪。手品でカタツムリのツノが伸び縮み。サメに呑みこまれるがそこでの父親との再会。それらはおかしいし。あと、しつこく登場するキツネとネコ、気持ち悪い先生。再会したら大人になってる妖精。どうみてもマツコデラックスにしか見えないカタツムリ。そして人面魚。
などなど印象的なキャラが登場するんですが、どーも、なんです。
唯一幼い妖精は、良かった気がしますが。
ピノッキオ自体は気持ち悪いという意見もあるようですが、私はこれは見事で良かったと思いますけどね。
ピノッキオでラジー賞受賞のロベルト・ベニーニが何食わぬ顔で出てます…
イタリアの自己顕示欲・ロベルト・ベニーニ。
自分で監督・脚本・主演した「ピノッキオ」は、外国映画で初めてラジー賞受賞!
(ゴールデンラズベリー賞 最低主演男優賞)
あんなに酷評されたのに、またピノッキオに絡んで来るとは…。
心臓に毛がボーボーに生えてますね。
今回は、ジェペット爺さんとして冒頭から「ベニーニやでぇ〜★」と、「自分が!自分が!」オーラ全開…。しんどい。
…と思ってたら、後半まで出てこなくなったので、ほっとひと安心。
お話は、割と退屈でした。
【社会風刺も】
僕が幼い頃、絵本で読んだピノキオは、最初から良い子だった(と思う)。
でも、本来のピノッキオは、こういう物語だと、テレビの、”本当は〇〇”みたいな番組で見たような気がする。
だから、わざわざ「ほんとうの」と形容した日本語タイトルは、余計な気がしていた。
僕の記憶では、ピノキオは、クジラに飲み込まれたことになっていたが、大きなサメに飲み込まれんだよと、当時テレビ番組が解説していて、驚いたことを思い出した。
実は、原作のピノッキオは当時の社会を風刺しているのだが、この映画「ピノッキオ」もそうした場面はしっかり描いているように思う。
そして、それは現代にも通じるものがある。
だから、こうして、この映画は制作されたと思うのだ。
子供が希望を持てないような貧困や格差、無罪のものは牢に、有罪のものは釈放などが、それだ。
厳格なカトリック社会では、妖精がいるなんて異教徒の考え方だし、神ではなく妖精がピノッキオを人に変えた、つまり、これは、人々を苦悩から解放したというメタファーなんだけれども、こんなことは、カトリックを否定するようであってはならないことだったはずなのだ。
お子さん連れの親御さんもいたが、しっかりとした解説は必要だと思う。
親子で観ても良い作品だと思うけど、小さい子は怖いだろうなと思う。
そんな子は、大人になりたくないと思うかもしれない。
でも、ロバになるかもしれないのに😁
ずっと遊んで暮らしたい子供をさらって、ロバにするなんて怖いストーリーをよく思いつくもんだと改めて感心する。
思ってたよりかは…
原作のピノッキオをまんま映画にした感じでした。
あまりダーク感がなく、少し「ん?」どういうこと?なぜ急にこうなった?って思うシーンがいくつかありました。
公開されてる映画館が少ないため家から遠くの映画館に行きましたが、そこまでする価値はないかも
世界観のクオリティがすっごい
原作未読、ディズニーのピノキオすらあまりちゃんと覚えていませんが、
原作の世界観を画にしたら、まさに なのではと。(完全にわたしのイメージですが)
クオリティの高いビジュアルと怪演が凄く不気味で怖いので
視覚の印象が強く残りそうな小さい子はやはり、ディズニーがちょうど良さそうですね。
ビジュアルは不気味だし、なかなか残酷な描写ではありますが
実際、愛らしいキャラクターたちはちゃんと愛らしいし
怪しいキツネとネコはとことん意地汚くおぞましい、
ピノッキオはひとの話を聞かない我儘な子ですが、
思いやりのある素直な子にちゃんと成長していきますし、
中学生あたりの子たちが観れば、
約束を守ること、学ぶ大切さ、楽して生きようとせず、やるべきことはやる
などなど、それぞれにとって様々な教訓になりそうだなあ、と。
人間になったピノッキオは最高級に可愛かったです。
ほかの童話でも ほんとうの シリーズが観たくなりました。
ピノッキオは人間の優しさに光を見た
ピノッキオはどうして人間になりたかったのだろうか。妖怪人間ベムみたいに人間の世界ではまともに生きていけないのならともかく、本作品の物語の中では違和感なく受け入れられている。人形だから困ることは何もないように思える。
人間の子供は親や教師から殴られて痛い思いをするが、木偶(でく)なら痛みの感覚がないから殴られてもへっちゃらだ。 頭は悪くないから木偶坊(でくのぼう)と言われることもない。人間になるメリットはどこにもない。
子供は何でも信じてしまう傾向にある。親が子供に自分を信じさせる教育をするからなのかもしれない。親が子供に信じてもらえないと、日常生活が何かと面倒くさい。
しかし中には疑い深い子供もいて、大人にとって扱いづらいことこの上ない。だからそういう子供に向かって「ひねくれている」と非難する。大人の都合だ。
ピノッキオは大方の例に洩れず、何でも信じてしまう。悪い大人、悪い教師、悪い友だちは、ピノッキオに害しかもたらさないが、作られて間もない木偶のピノッキオにはそんなことはわからない。
散々酷い目に遭って、ピノッキオは他人の悪意を知る。そして大半の無関心と、歪んだ社会制度と、ごくわずかの親切を知る。それが世の中だと悟るまでにそれほど時間はかからない。
ピノッキオが人間になりたいと思った契機は、作品の中で明確に描かれる。それは妖精が女の子から女性に成長した姿を見たときだ。ピノッキオは悟る。妖精も人間のように大人になるのだ。大人になるということは即ち、見た目が大人になるということだ。
どんなに勉強しても、どんなに働いても、子供の木偶のままでは一人前として扱われない。ピノッキオは大人になりたかったのだ。木偶は成長しないから、人間の子供になるしかない。ピーター・パンと正反対である。
ピノッキオが大人になりたかったのには他にも理由がある。世の中は悪い連中が殆どだったが、例外もあった。サーカスの親方であり、サメの腹の中で出逢った鮪であり、仕事をくれた牧場主である。そしてどこまでも許してくれた妖精であり、何より、自分を作ってくれたジェペットだ。これらの人々はピノッキオに優しくしてくれた。ピノッキオが救われたのは彼らのおかげである。彼らと同じように、大人になったら人に優しくしたい。ピノッキオはそう思ったに違いない。木偶のピノッキオは、人間の優しさに光を見出したのだと思う。
ダークで美しいピノッキオ
特殊メイクというのが信じられないくらいピノッキオの完成度が高い。木目はそのままで目と口が自然に動いているから、生命が宿った人形が目の前に存在しているように感じる。感情や欲求のまま行動してしまう幼い心が、そのまま表情に表れている点もリアリティを高めている。
ピノッキオだけでなく、カタツムリや妖精の衣装や美術セットも美しく、映像美だけでいうと満点。
物語は、大人も子供も楽しめるダークファンタジーとなっているが、思わず笑ってしまうシーンもある。カタツムリのヌルヌル粘液で棺を担いだブラックラビッツがつるりんとコケてしまうところがそうだし。カタツムリの朗読の速度を早めたり遅めたりするシーンは、よくできたコントのようで大声で笑ってしまう。
児童向け書籍の説教くさいピノキオしか記憶になかった自分にとって、本家の物語は人間くさくもあり、シニカルでもあり、ダークで美しく感じた。
鮫なんですね。
児童文学「ピノッキオの冒険」を描いた実写作品。
原作未読だしディズニーアニメも観た記憶は無いけれど、なぜか知っているエピソードがたっぷり。子供の頃絵本ででもみたのかな、全然記憶に無いけれど。
その割には結構エグいけど元々は子供向けのファンタジーなので他の人形に糸がある意味が無かったり、喋る動物に妖精にと何でもありだけど、映画としては子供向け?というか誰に観させたい?
それにしてもやっぱり皆さんピノッキオに甘過ぎて教訓にもなって無いですよね。
自分みたいな沢山のエピソードは知っているぐらいのレベルだと、こういう流れだったのかと話が繋がってスッキリした感じはあったし、つまらなくはなかったけれど、どうしたかったんでしょうかねぇ…。
童話としての認識は消え去った
人間社会そのものを描いた話だった。
上手い話にのる、忠告は無視、楽な方に行きがち、努力は嫌い、深く考えない。
大人の過ち満載で風刺が効きすぎて、話が進むたびにバツが悪い気持ちになっていた。
終わる頃には、はい精進しますなんて気持ちに。
怪しくも美しい映像が、ますます童話のイメージを払拭しビターな雰囲気に仕立てていた。
全88件中、61~80件目を表示