死刑にいたる病のレビュー・感想・評価
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最後のいるのかな…
最後のヒロインの子も殺人鬼と接触してました。そして、完全に洗脳されています。って必要あるのかな?
彼(殺人鬼)の思想や考えは、あなたの知らないところにも伝播している。っていう恐怖感のため?
途中で女の子の額の汗、耳をかみにかける動作をすごく艶っぽく写していたシーンを見て、
あれ?え?この子もなん?って思いました。
主人公がもしかしたら、殺人鬼の息子かもしれないと、自分を特別に感じて自信が付く描写の直後だったのでピキーンときました。
血を舐める=好きな人の一部を取り込みたい
ってところでもう始まっていたのかもしれないけど。
それ以外にもところどころ心理描写がとても分かりやすくて、"少し"考えながら観る自分にとって観やすくて面白かった。
主人公がバスの中で遺体の写真を何度も見返すシーンや遺体の写真を見ながら、ムシャムシャ焼きそば食べるシーンなんかも、主人公本人が自覚する前から、視聴者に感じてもらう描写が多々あってよかった。
気になるのが9/24件が立件されたってところ。
残りの15件は????そこがめちゃくちゃ知りたい。
刑事じゃなくて、素人が探偵役をする作品としてはなかなか面白くて、"罪の声"なんかが好きな人はいいかもしれない。
PG12〜U20という視聴巾限定映画
原作は未読だが、単なるグロ映画かもしれないと鑑賞を迷っていたが
息子(成人)のリクエストがあり、鑑賞しました。
阿部サダヲさんの役者としての今までの経験は「この映画に出るためのものだった」と思う程に迫真な演技は実に素晴らしかった。
また主人公の味方である母親役の中山美穂さんも"良きお母さん"役をこなし、申し分なし
撮影や音響も堅実な仕上がり。
目を覆いたくなる数々のエグイシーンがある事を覚悟はしていたが、
本作は被害者の声がリアルに入ってくるので悪寒が絶えない。
これは 映画を観る人によって、良くも悪くもなる。
僕は後者 席を立つ寸前級
本作は殺人鬼が堀の中なので、猟奇的殺人鬼が主人公達に忍び寄る恐怖はないが、
思わせぶりな両親や 幼馴染の女の子 ふつうじゃない岩田剛典さんが登場し、主人公を囲む。
拘置所の守衛の態度が、映画が進むにつれて、主人公の影響を受けてくることが見て取れる。
これだけの要素を持ち、原作があるので、それなりに良い作品になる筈なのだが、
何か足りない。
答えは無かったけれど、「24件中の9件」の意味をずっと考えながら、鑑賞してしまいました。
立件できなかった 残り15件の記録を読みたくなった。
リアリティない進行が多々有るが、
最初の手紙の段階で「殺人鬼の子供」である事が、書いてあれば、諸問題に対応できた筈だ。
原作では"擬 追手"的なキャラクターに成っていたと予想される
幼馴染の女の子 は映画にすると
単なる"変わった子"
岩田さん演じる男も狂気さがみえず、
単なる悩めるメンタル弱い人であり、
主人公と同様の手紙をもらった"操られている男"である"事が容易に想像できる。
うまくまとまってはいるが、
何か"食べたりないサイコパス映画"
素人探偵ものなら、昨年公開された「罪の声」の方が心に響くものとリアリティがあって良かった。
またこれから公開される「流浪の月」にも期待したい。
阿部サダヲのあの目はヤバい!
17,8歳の真面目でお利口そうで爽やかな子がいいな。男・女は問わず。あ、爪はきれいでないとね。そして信頼関係を築き上げてから、相手を絶望に突き落とすことに快感を感じる榛村。「そうする事でしか人と関われないから」——!?何ですか、それ。病気と言うより、生まれながらの異常者に思えます。治癒不可能です。
阿部サダヲさんは初対面から変質者の感じが出過ぎじゃないですか。獲物を品定めするねっとりした目つきで、あんなに接近して来られたら、仲良くなる前に「あの人、キモイ」ってなりそうです。近所の人と話すときみたいに自然な感じなら良かったんですが。最初から気持ち悪っ、と感じてしまったし、豹変する場面を見せないので、ショックとか怖いとかより、ずっと不快感がありました。
爪に固執する理由のエピソードもあった方が良かったですね。
「お母さん、決められないから、雅也が選んで」と言う母親。強権的な父親にずっと支配されて来たので思考停止です。(そのお父さんが存在感が薄いので、途中まで親戚のおじさんだと思ってました)
岡田健史さんの演技は良かったと思います。面会のシーンはとても凝っていて、見ごたえがありました。
性癖というよりコレクター
顔見知りから知人へ、そして虐殺と洗脳
孤狼の血を最近2作品見てこれも気になっていた。
阿部サダヲの猟奇的な表情、拘置所の中にいるだけなのに塀の外の人物たちを手紙や面会だけで洗脳して思い通りに動かしていく。
Fランク大学に通う大学生、そのF大学に通う中学からの知人女性、幼少から洗脳して自分で決断ができなくなったトラウマを抱えるSEサラリーマン。みんな殺人者の掌で泳がされているようにも見えた。
殺人の目的が分からないなどのレビューもあったが、虐待を受けた幼少期からのゆがんだ成長がそうさせたのだ、と想像させ、それでしか人を信頼しコミュニケーションを取ることができない悲しい殺人者なのだと受け取った。
拘置所で殺人者と面会者の顔が合わさってゆくシーンが何回かあったが、その不気味さ猟奇さ、そしてお互いがお互いを投影しているようで、身震いしそうだった。
この作品もしばらく脳裏に焼き付いてしまいそうだ。
生きてる事に感謝しながら観ました
阿部サダヲの狂気と岡田健史の鬱屈。綱渡りを最高に成功させたみたいな作品
観終わってからも数時間、ちょっとした興奮状態が続く。j
それほどの作品であった。
残虐なシーンも多く、心理的に追い詰められるような描写もあるのだが
そういう問題ではない。
それは、まるで観進めていくうちに、
細い木綿の糸と鋭いナイロンのテグスが絡まって、こんがらがって
どうにもこうにも全く解けなってしまうような。
それを解くために時間も忘れてぐちゃぐちゃに固まった糸の絡まりを
痛くなってくる指先でずーーーっとほぐしているような∙∙∙
少し絶望に似たような鬱屈とした世界がジワジワと広がっていく様は、さすが白石監督だと思わされた。
拘置所【榛村(阿部サダヲ)】とこちらの世界【雅也(岡田健史)】を
線引く面会の衝立のアクリルに重なり写る互いの顔の使い方、
無機質で澱んだ空気感に包まれた面会室という密室の狭い世界から
語られ、探られ、想像しては繰り広げられる
歪んだ人間たちが創り出す現実世界の広がりが恐ろしいこと極まりない。
前半で植え付けられる【榛村】の狂気と相反する普遍性に
「ひょっとして∙∙∙」という思いから
後半に回収されるさまざまな
「え?こいつが?!」
「え?まさか∙∙∙あの人も?!」
「あ!アイツなのか?!」
「え∙∙∙そういうことだったのか∙∙∙」
キリがないほど引き込まれ翻弄されるのです。
観終わった後、
なんだかグラグラの綱渡りを見事に大成功で渡り終わったような
意味不明な解放感みたいな気持ち良さが襲ってきた。
そして最後に思うのです。
なるほど。
タイトル通り『死刑にいたる病』だな。と。
素晴らしい作品でした。
全く関係なさそうなことを調べました
劇中主人公の家の玄関正面の書が一瞬映りました。
讃美歌162番
あまつみつかいよ、イエス御名の
ちからをあおぎて、主とあがめよ
と書かれていたような気がしました。あるいは讃美歌164番だったか。時間にすれば1秒?もう一度観ればはっきり確認できるのですが、再び観るのは生理的にも精神的にも辛い映画なので無理です。もし観たとしたなら阿部サダヲ演じる残酷な大量殺人を犯した死刑囚に取り込まれてしまうような気がします。
この讃美歌162番の聖書箇所は次のようなものであるらしいです。
詩篇24章第1節
地とそこに満もの
世界とそこに住むものは、主のもの
詩篇89番2章
主の慈しみをとこしえにわたしは歌います。
わたしの口は代々に
あなたにまことを告げ知らせます。
黙示録19章16節
この方の衣と腿のあたりには、「王の王、主の主」という名が記されていた。
もうこれを調べている時点で阿部サダヲに取り込まれているのかもしれません。飾られていた書が本当に讃美歌162番なのかどうかわからないのに。そこに深い意味があったかどうかも定かではありません。クリスチャンらしい人は一人も登場しませんから単にロケ用に借りた家に元々飾ってあっただけなのかもしれません。
映画の登場人物のほぼ全員が阿部サダヲに自由に操られていたというのがオチといえばオチ。ただ映画として明快に示されたかというと今ひとつはっきりとしない部分もありました。残酷な表現や描写が多く正視できない場面が多かったです。迂闊なことに三代目 J Soul Brothersの岩田剛典がどこに出ていたのか最後まで気がつきませんでした。
何気ない日常に潜む人間の怖さ
楽しめたが足りていない
阿部サダヲさんが演じたのは残酷極まりないサイコパス/シリアルキラー。24件の殺人容疑で逮捕され死刑判決を受けた。
岡田健史くんが演じたのは進学校に合格するも脱落し三流大学で鬱屈した日々を送る大学生。中学生の頃に顔馴染みだった殺人犯に面会し翻弄された。
結構グロいのに重くなり過ぎないのはサダヲさんのキャラのせいかな。二人の心理戦がエンターテイメントとして成立していた。
そう、十分楽しめたのだが、『羊たちの沈黙』や『ハウス・ジャック・ビルト』のように強烈な烙印が押されなかったのも事実。
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思えば2010年の邦画マイベストテンの第2位に置いたデビュー作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で強烈な出会いを果たした白石和彌監督。
それ以降、テンに入れたのは2019年の『凪待ち』のみ。レベルが高い作品群だが自分には足りていない。
「正気の悪」が見えてこない
沼に落ちていく
とにかく阿部サダヲをこの役に抜擢した時点で勝負あり。
人当たりがよくすぐに人の懐に入る気のいい隣人のような一面と、狂気性に満ちた異常な連続殺人鬼としての2面性を見事に演じ分けている。
彼がそこにいるだけで場に尋常ならざる緊張感とピンと張り詰めた緊迫感が生まれ、見ているだけで胃がキリキリするような感情に追い込まれていく。そしてその真っ黒な目に我々観客すら吸い込まれてしまう。
勿論その他俳優陣の演技も隙がなく、白石監督独特のディレクションや演出力、トーンを落とした画やじっくりと人物を這い回るようなカメラワークなども光っていたが、作品の中心にいる阿部サダヲの持つ惹きつける力が全体を見事に引き締めている。
今作と同じ白石作品で言えば孤狼の血の役所広司のようにこの人の存在だけで成り立ってしまうと言えてしまうほど。
さながら語りかける病原菌のように人間の理性を貪り懐柔してしまう恐ろしい根幹に説得力を持たせ、観客すら飲み込むような表現力で映画が終わったあとにまでまとわり付く この嫌な感情。
それが反転して快感にも形を変えうる味わいを生み出していた。
最早現代の邦画界で白石和彌ほど人間の暗部をえぐり出せる監督はいないんじゃないかという気がしている。
やっぱり目を背けてしまった、、
はなびら?
原作がミステリー小説ということもあり、殺人の動機ややり口などの展開は面白く、あっという間の128分だった。
しかし、シリアルキラー(サイコパス)の2面性や異常性・殺人鬼としての葛藤とそれに取り込まれかける単なる大学生の対比構造に、そこまで惹かれるものはなかった印象。
殺人をせずには生きられないシリアルキラーの、内なる罪悪感(のようなもの)との葛藤は、演出や阿部サダヲさんの演技も通り一遍なもので、新しさが感じられなかった。目はすごかったです!
段々と追い込まれ、自身の中に入り込み鬱屈していく岡田健史さんの演技はとても良かったが、ラストシーンで涙する部分の流れに違和感があった。
また、亡くなった胎児を燃やすシーンだが、胎児を映す必要があったのか。なかなか受け入れることができなかった。
阿部サダヲだから
白石節はやや控えめだが、見応えのある作品だ。
キャスティングは重要
「刑事施設に収容されている被収容者との面会から事件を振り返る」
このシチュエーションは、映画やドラマで割と定番な設定です。
最近の作品だと例えば、是枝裕和監督の『三度目の殺人(17)』や、堤幸彦監督の『ファーストラヴ(21)』などが思い出されます。
なお、この2作品は「被収容者」は判決が確定していない、いわゆる「未決拘禁者」です。そして、面会者はそれぞれ公的な立場である弁護士、公認心理師であり、刑事裁判を控えて事件の真相を探る(見直す)「必要性」を考慮した面会です。
それに対し、今作は「受刑者(死刑確定者)」との面会という設定です。劇中、岡田さん演じる大学生・筧井雅也は東京拘置所(小菅)にて面会の申込書に「知人(残念ながら、他は確認しきれませんでした)」と記入して提出します。その後、特に何もなかったようにあっさり面会となります。
ちなみに、親族でもなく非弁護士の彼の外部交通(面会・信書の発・受)がこうもすんなり認められるものか?私、やや引っ掛かって鑑賞後に法務省などのサイトで少々調べてみました。結果、よく判らないながら取り敢えず「可能性はあり」そうなのでここは良しとしましょう(笑)。原作未読だし。(参考まで、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律、120条及び139条)
ここで阿部さん演じる榛村大和から「一つの事件は自分の犯行ではない。真実を見つけてほしい」との頼みを受け、榛村の事件を振り返っていきます。
ちなみにこの映画、レイティングはPG12となっていますが、大和の犯す殺人は「拷問」であり、その振り返り映像はゴアを超えて「グロ表現の連発」です。苦手な方はご注意ください。
ただ、このことこそが雅也を事件にのめり込ませ、更には観ている我々をも深く引き付ける重要な演出です。「(残虐な)殺人シーン」と「面会室(という特殊な空間)」を交互に見せつつ、アクリル板に反射して映り込む二人の姿を並べたり、重ねたりすることで、雅也の心理を表現していきます。更にはクリアではなく敢えて僅かにアクリル板越しに反響するお互いの声を観客に聴かせることで、現実的な感覚を惑わせるトリックが利いているように感じます。
少々残念なのは、出演者の何名か(敢えて名前を伏せますが)の演技がイマイチなところ。。。ヘビーな内容だけにむしろ下手さが目立ち、観ながら代役を考えたくなりました(苦笑)。まぁ、それは冗談半分としても、こういうところで勢いみたいなものをそがれると、ついついリアリティラインだとか細かい部分に目が行ってしまうものです。更には、勿体ない(そう思わせるだけのことはある)ことにオチすら蛇足に見えてしまったり。。。
やはりキャスティングは重要です。
榛原の目がずっと怖かった
被害者は何人?
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