「もっと生きたい」余命10年 tigerdriverさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと生きたい
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事前のあらすじを読んだだけで、既に号泣間違い無しな内容でしたが、想定通りでした。
一番切なくなったのは、和人との最後の思い出旅行を過ごし、別れを告げて(「これ以上、一緒に居ると死ぬのが恐くなる、死ぬ準備をしなきゃ」と・・・)自宅に戻ってきた茉莉が母親に「わたし、もっと生きたい!」と泣きじゃくる場面。強く強く生きてきた茉莉がせっかく生きる意味を見つけたのに・・・と、完全に涙腺崩壊。
そして最後の場面・演出も感動でした。
終活としてビデオカメラの映像・思い出を1つずつ削除していく茉莉。(冒頭の場面で亡くなった方も最後にビデオカメラで思い出の映像を見ていたっけ。)そして最後に観たのが、和人を最初にビデオカメラで撮影した場面で伝えた言葉だった。
「私も”頑張る”から、もう死にたいなんて言わないでください」
これを削除しようとしながらも削除する踏ん切りがつかず(もっと生きたい!と)、そのまま昏睡状態に。そこから和人が最後に会いに来て伝えた言葉が、
「”頑張った”ね、”頑張った”ね」
生ききった茉莉。
ここでの走馬灯の演出では、過去の思い出ではなく、未来を見せていたのが素晴らしかった。短くても完全に生ききった茉莉が未来を想像して亡くなっていったことに救われた気がした。
死のうとしていた和人の生きる希望になった茉莉。茉莉が生きた証となった和人。
茉莉は本としてその証を残し、和人は念願の自分の店名として茉莉を残した。
悲しいけど、短いけど、生ききった、素敵すぎる物語でした。
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