「かなり評価は荒れそうな状況…。どうとらえるかというのが非常に難しい…。」クリスマス・ウォーズ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり評価は荒れそうな状況…。どうとらえるかというのが非常に難しい…。
今年135本目(合計199本目)。
前の投稿(007)で恐ろしくお隣さんがうるさくてまともに見られず、まぁもう1回見ようかなと思ったのですが(一応、お体が不自由な方にあたるので、1000円で観られる)、3時間レベルを2回見るのは体によくないので諦めてこちらに。
…がこちらもかなり…というか、相当荒れそうな気がします…。
まず、原題は Fatman ですから、原題を重視するなら「太った男性」くらいにはなります。一方でクリスマスを扱った映画であること、それ自体は事実なので、この日本語版のタイトルもそれもそれで間違っているわけではありません。
また、内容的にクリスマスあたりに公開すればよかったのかもしれませんが、この先コロナ事情がどうなるかわからず、もう時期がきたらやっていかないと、どんどん停留してしまうのでそれもそれで仕方がないと思います(10月にクリスマスをやるというのは日本ではまずないと思います)。
ただ、予告や公式サイトである程度どういう内容か…というのはわかっても、かなり先をぶっとんでいてストーリー理解にかなり妨げが出ます。
要はこの映画、クリスマスネタ(サンタネタ)とガンアクションものを組み合わせたような状態になっているため、映倫の基準がPG12扱いであるところ、子供が見てもかなり理解に妨げが出る(正直、私もわからない点がかなり多い)状態で、正直どうするの…状態で、今週はまぁ見ていないものもありますが、ネタ枠なのか地雷枠なのかすらも不明です…。
あまり書き込みがなくネタバレ要素の範囲もあるので(ある意味、誰が犯人か、誰が何を企んでいるのかなど)そこは少なめにして、早速採点に入ります。
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個人的に、二捨三入・七捨八入ルールを採用していることと、3.5の採点は「積極的に低品質であることを把握して公開する」という「積極的な意図」があると思えるものに限定しているので(今年だと、相当無茶苦茶いわれたDAUナターシャと、樹海村の2作しか3.5評価はなし)、正直3.5にしようかなと思ったのですが、「積極的な意図」までは感じられなかったので、3.8→4.0という「妥協案」に出たくらいで、「3.5に近い4.0」と考えていただければと思います。
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(減点1.2/すべてまとめて)
・ 正直、内容がかなりぶっ飛んでいる上に、出てくる語が極端にマニアックなので(突如、肖像権がどうだの、フェンタニルがどうだの(向精神薬のひとつ。日本ではがんの痛み止めシップ薬(貼るタイプのもの)に使われているようです)、北極の地名がどうだの、12ボルトの電圧ショックがどうだの、債務不履行がどうだの(さらに、そこに債権債務の相殺がどうだの、民法的な話まで出てくる)、相当に色々な分野の語が突如登場するかと思えば、ストーリーはもう何がどうなっているかわからないほどどんどん進むので(これらの単語は相当出ますが、出ても気にしだすと絶対終わらなくなる)、理解に相当妨げが出ます。
一方で、翻訳もかなり難があり、例えば Welcome to Canada (カナダへようこそ)など、翻訳の必要性が感じられないものも翻訳されている一方、「国外郵便の標準的な日数表」(郵便局のシーンがある)の部分は何もなかったり(ただし、郵便局は出てくるだけで、どこに何を出すのに何日かかるとかということは、映画には一切関係はしない)、スキー場(?)の看板(クマが出ますとかここで滑っちゃだめとか何とか)もなかったり、もう自力で翻訳する力がないとどうしようもない部分もかなり多数存在します。翻訳に関しては、よくこれでゴーサイン出したなぁという印象しかないレベルです(自力で何とかしろという「投げてる」レベルなので、準1はないとどうしようもないです)。
ストーリー的にもかなりぶっ飛んでいて、クリスマスプレゼントに、自分の好みに合わないものが来た…という理由でサンタクロースの殺しを依頼するという趣旨から始まりますが、かなり色々なものを混ぜてしまった関係で、どれもこれもよくわからない状態で、誰が理解できるのだろう…という状況です(あまりに序盤から字幕がマニアックだし、何度か見ないと理解しきれないのではないかと思いますが、この映画を2回3回見ろというのもきつい…)。
さらにはまた荒れそうなのが、食文化に関して、他の方も言及されていますが、いわゆる菜食主義に関することなどまで登場します。もっともそれ自体はただ単に出るだけでストーリーには無関係に近いのですが(ただ単に登場人物の一人にそういう主義の人がいるというだけ)、この手の発言は、その背景(ネタバレになるので省略。「一般的に、人間が必要な栄養素と、学業・労働などに必要な栄養素のつり合い」というのが、まぁ書けて最大か…)まで含むと、もう結構厳しいです(まぁそこは、この映画自体がそれ(菜食主義)を扱うものでない以上、炎上はしないかと…)。
もっとも、視聴前にこの映画の趣旨から一番怖かったのは、クリスマスは一応にも宗教色のあるイベントなので、海外のキリスト教文化を前提にしてそれを知らないとまるで理解できない展開が延々と続く(この場合、宗教問題も入るので、表現の自由はあるとはいえ、いろいろな思想の方がいる中では、評価が困難になる)類型だったのですが、それはありませんでした。日本の一般的なクリスマスのイベント(サンタさんがきたり、プレゼント交換会をしたり)と実質同じと考えて構いません。
また、PG12なのは、一応にも撃ち合いなどのシーンが存在する(軽微ですが流血表現などもあります)だけで、いわゆる「大人の営み」のシーンは存在しません。
今週は、007がどうしても超本命枠で来るので(かつ、3時間クラスなので、1900円で見るる健常者の方だと2本3本は厳しい?)、この映画を積極的に見る方は少ないのではないか…とは思いますが、この映画、どう評価したらいいか正直わからないです…(海外の評価サイトも大荒れで、「クリスマスネタにアクションものを入れた斬新な映画」という評価もあれば、「趣旨は理解できるが内容が支離滅裂で理解が難しい」という大荒れ状態)。
少なくとも、こう、この映画をみて海外のクリスマス文化がどうだのという学術的な内容でもなければ、かなりの知識を要求する(実に多彩な語が続出する上に看板などの表記の翻訳があったりなかったりバラバラ過ぎる)問題があり、家族そろって見に行くのか…(もっとも、家族そろってといっても、今はまだ10月なので、「クリスマス」というタイトルがつく以上、家族では見に行かない?)と考えると「うーん…どうしたんだろう…」という状態です。
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