劇場公開日 2021年11月12日

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「日本甲冑武具研究保存評議員も噛んだガチな戦国絵巻」信虎 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日本甲冑武具研究保存評議員も噛んだガチな戦国絵巻

2021年11月15日
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鑑賞方法:映画館

興奮

まずこの映画で語られるべき点は日本甲冑武具研究保存評議員で茶書研究開発理事というガチな時代考証及び美術装飾の再現が出来る超人、宮下玄覇氏を共同監督に立てたことでしょう。
末恐ろしいです。茶道具、書、甲冑、弓矢等武具、掛軸、屏風、すべてその当時のものと錯覚するような色合いと外観で揃えている。
加えてロケ地となった建物。よくあるチープな軽い建材ではなく、マジでその当時の物を使っているような年季を重ねた色をしています。素晴らしい。
そして俳優陣。
割と旬な若い俳優さんを無理に年の重ねた役に起用することが多い今日ですが、永島敏行さん、隆大介さん(ご冥福をお祈りします)、榎木孝明さんとベテラン勢を主要メンバーに据えられている。だからどっしりと構えて安心して観ることができる。
更にメインの信虎役に寺田農さん。最早一挙手一投足が重圧感に溢れている。勝てるわけがない。左文字がこれほどまでに似合う役者さんはそうそうお見かけしない気がします。

短期間、低予算での撮影だったと金子監督がパンフレットで語られていますが、特に戦のシーンについてはこれでもかとモブが溢れる大作よりも、ちゃんと投石を使ったり、弓矢や槍で体の柔らかい部分を狙って倒す等、かえって少人数での戦場面ならではのこだわりが見えていたと思います。

全体的に派手さには欠ける映画ではありますが、イケメンが跋扈する煌びやかな戦国映画よりも昔ながらの土臭いオッサン武将の映画が観たいという方には全力で推せます。

なお評価が3.5止まりなのはラストシーンの影響ですな。みんなラピュタを観てる客ばかりではないのですよ…?

BONNA