「歴史の再認識を促す映画」信虎 もりやまそうたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史の再認識を促す映画
これまでの武田信虎の評価や戦国大名武田家の認識を見直すきっかけを与えてくれる映画である。信玄が唯一無二の存在として、山梨県では度々もてはやされ、神格化されてきた。しかし、武田家を信玄のみならず、信虎、信玄、勝頼の営みの中での変革を理解することの重要性を訴えているように思う。
歴史好きな方なら大いにハマれるだろうが、新しい演出好きな若者には少し硬派で意見が別れるだろう。だが、あえて硬派なイメージで作ろうとするあたり、偉人への尊敬の念と歴史映画制作へのこだわりを感じる。脚本や演出、俳優の演技や音響、小道具、大道具など大河ドラマと遜色なく、それ以上とさえいえる仕上がりだろう。
ただし、パンフレットの寺田さんのコメントにもあるように、丁寧さは確かに大切だがやりすぎるとしつこさを感じることもある。また、情報量の多さから、かえって混乱してしまう人もいるかもしれない。この点は改善の余地として、ミヤオビピクチャーズの次作に期待したい。
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