キャンディマンのレビュー・感想・評価
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朝焼けの光の中に立つ影は・・・キャンディマーン♪
鏡の国からやってきたミラーマンをつい思い出してしまったのですが、キャンディマンのテーマソングのメロディはどちらかというとスパイダーマンに近かった。オープニングのロゴはユニバーサルもMGMも鏡に映った裏返しの映像で攻めてくるなど、本気度が窺える。
基本的には『キャンディマン』(1992)の焼き直しであるけど、ホラー映画の枠を越え、BLM運動のメッセージを訴えてくるかのような作品でした。まずは少年ウィリアムがキャンディマンに遭遇するという過去エピソードだが、彼を中心とした影絵映像が白人警官による黒人暴行死事件を扱っていることに驚きました。影絵そのものは白と黒なので、人種差別撤廃の象徴であるかのようでした。この影絵が最後まで面白く、エンドロール時にも夢中になってしまいました。
登場するビジュアルアーティストの主人公アンソニーと妻ブリアナを中心として、シカゴの一般市民はほとんどが黒人であり、警官はほとんどが白人。さらにブリアナの弟トロイはゲイであり、白人男性と付き合っていてLGBTも普通なんだとさらっと描き、富裕層と貧困層の問題まで取り上げている。団地の高級化によって活性化させるなんて、本当にできるのだろうか・・・
そうした社会派作品の一面を呈しながらも、ホラーとしてもキャンディマンの存在が“人”ではなく“蜂の巣”の象徴のようなしっかりとした描き方。アンソニーが右手を蜂に刺されたことから始まり、都市伝説キャンディマンを追い求めることで事件は深刻化する。すっかり忘れられた存在だったのに・・・なのだ。
鏡に向かって「キャンディマン」を5回唱えれば現れるという伝説。こちら側には現れないのに鏡の世界には現れるキャンディマン。予兆のようなカミソリを仕込んだキャンディ1個。鋭い鉤爪によって首を一瞬にして切ってしまうのだ。そうした恐怖シーンと意外な人間関係が最後までハラハラさせ驚かせてくれるのです。
ヘレンという謎の人物、そして幼少期に酷い目に遭ったウィリアム・バーク。現在と過去が繋がるところも面白いし、オリジナルの『キャンディマン』の登場人物とも繋がるところもいい。もしかするとヘレン伝説継承の物語だったのかもしれません。そして、キャンディマンとは特定の人物ではなく、全ての人間に繋がっている存在といったところもジョーダン・ピールの脚本の巧さが光ってるところなのかも。
と、わかったような書き方しましたけど、最後の最後の人物がわからなかった!アンソニーだったような気がしましたけど。
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