「少しずつ解れていく解していくことの大切さ」スープとイデオロギー redirさんの映画レビュー(感想・評価)
少しずつ解れていく解していくことの大切さ
スープとイデオロギー、
その間を行ったり来たら、おそらく人生のほとんどをそうされてきた(余儀なくされてきた)ヤンヨンヒ監督。
スープとイデオロギーの間にでんと座って、シーソーの真ん中みたいにバランスを保つカオルさん。
解き明かしの物語であり、出会いと別れと出会いの物語であり。
かぞくのくにをみてもやもやとしていた、わからなかったこともすこし繋がった。
解き明かし、とかそんな生ぬるいことではない済州島の四三事件の真相を解明し、調査し、死者を悼みこれからの民主主義に生かすこと。
オモニのような、韓国籍でない人も式典に参加できる、済州島に行ける、あのように立派なメモリアルを造成したこと、韓国はビーブルズパワーがあり、このようなことが可能なのだなと改めて思う。そう簡単なことではないが、クリーンなわけでもないことは承知の上でそれでもその時その時の民意はある程度反映され闇に葬られタブーとされていたことが取り上げられることには羨ましさと、この国のピープル不在を思い知る。
オモニが胸につけていた赤いバッジは、済州島の椿のバッジ。死者を、暴虐を忘れない。
ヤンヨンヒ監督とカオルさんのトークを上映後に拝聴した。監督は本作品をつくりなお溢れ出る止まらないトーク、言いたいこと、思いが底なしに出てくるようであり次の作品が楽しみであり、お二人の温かいそして強い思いは、パンフレットと、プレゼントとしていただいた椿のバッジと共に受け取った。もっと勉強しなければ。使者と共にある、死者のおかげで今を生きる私たちであることを。
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