スティルウォーターのレビュー・感想・評価
全136件中、101~120件目を表示
やるせない日々を生きていく我々
本作のような映画を観ると、アメリカ映画の底力というか、深さというか広さというか、、、感じちゃいます。すげーな。
あーあ、やるせない。人間って、社会って、なぜこんななんだ?やるせないオンパレードで辛くなります。人生はままならないし、うまくいくことなんてそうそうない。真面目に、正しいと思ったことをやり続けてるだけなのに。間違ったと思ったら都度改善に努めてるのに。
歯車が微妙にズレる。ズレながら生きている。ズレの集合が社会なら、社会は常に変わっていくのだろう。変わっていく社会にどれだけ人間はあわせていけるのだろ?
爪弾きされた人がいるから、いや、爪弾きすることを是とするから分断が生まれてしまうのか?
分かり合えたはずなのに別れが来る。
受け入れてもらったはずなのに区別される。
保守の名の下に押し付けられる。
変わらず存在するよそ者扱い、差別。
しかし、それらの発生は結局は自らを変えきれなかったが故の結果なのかな?、、、。
そして、本質を根っこを変えられなかった自分を悔いていく繰り返しなのかもしれない、人生は。ラストのビルのセリフが心に染み入る。きっとこの作品は全ての人に当てはまる物語。
マット・デイモン健在。
真面目で不器用な父を好演してます。その他の俳優陣しかり。漂いながらも重厚に今を映し出す良作だと思います。
どの言葉を信じるか?
留学先のマルセイユにて、殺人の冤罪で投獄されている娘を助け出そうと、言葉の通じない国で奔走する父親の苦悩と闘いを描いた作品。
謳い文句通り、自らの正義に問いかけてくる作品。
住人は皆排他的で、そもそも言葉が通じない地で、どうにか娘を助けようと駆け回るビルの姿は哀しくも力強い。そんな中、わずかでも助けてくれる人がいるのは救い。英語を思い出したのよ、には笑っちゃった(笑)そして、マルセイユには個人情報保護の考えはないのかしら?
とにかく、娘の無罪を信じるビルは、あらゆる手を使い真犯人を探していく。少し前進したかと思えば、また高すぎる壁にぶち当たり、その繰り返しの中、さぁビル次はどうするの!?…といった感じで終始のめり込める作りはグッド。
ちょっとした偶然から出逢った親子との交流は心が安らぐ。マヤは本当に癒し。いつしかビルとは本物の親子のように…。
物語が動き出すにつれ、真犯人を探すビルの行動も段々と過激に…。
確かに、本当に娘が冤罪ならば、手段なんて選んでられないのかな…。
そんな所もあってか、これまでもアリソンと必ずしもうまくやってきたとは言えないビル。希望を持たせたいが故に口走る嘘…そしてそれが生む軋轢。後半は切なかったな。もうこれ以上娘と離れたくないと思うハズのビルは、どんな気持ちでマヤを抱きしめていただろうか。
さらにさらにこの展開は!?
本当に、果たしてどの言葉を信じれば良いのか、観ているこちら側も考えさせられる。スティルウォーター…その真相を確認するのは、勇気が要っただろうな。
220分の上映時間は流石に長く感じたけれど、とにかく次の展開が気になって仕方ない流れは見応えがあったし、それでいてちょくちょく笑いも散りばめているし、勿論しっかりとゾクゾクもさせてくれる、とても深い作品だった。
マットデイモン
マットデイモンは最近はこう言った演技で見(魅)せる役が多く、その点は文句無しですが、ストーリーが少し浅くなってしまっているのかな?娘が犯人と言う男を見つけたのに、その後の展開は少し平和ボケしてしまう様な感じで、サスペンス的な要素が一旦無くなってしまい、見ている方としては少しだれてしまいました。
マルセイユに帰ってきたマット・デイモン
約20年前にマルセイユ沖で瀕死の状態だったジェイソン・ボーン=マット・デイモン。あの時の完全無欠エージェント役から20年経ち、「凪待ち」の香取慎吾みたいな落ちぶれた役柄に歳月を感じた。
途中、ヴェロドロームスタジアムのシーンで酒井宏樹がちらっと映ってたような気がして、サッカー好きとしては熱かった👍
人種問題やジェンダーなど色んな社会問題も盛り込まれ、マット・デイモンの弱さが滲みでてる演技、娘さん2人とも良い演技で、全体的に良かったです👍
もはや、批評は意味を持たない。
冒頭から続く緊張感は、席を立つまでゆるむことはない。
観るものは、時間を忘れ、徐々に、徐々に、ストーリーの中に引き込まれていく。
演技がどう、脚本がどう、絵の撮り方がどうという、通常なされる批評は意味を持たない。
ただ、目の前に映画がある。そして、観ている。
私達が観ているのは映画だ。それ以上でも、それ以下でもない。
物語は幸せなものではないかもしれない。父と娘の間に何か、心が通じ合うものがあっただろうか。
「無実」という真実は、ゴールドのネックレスとともに、永遠に取り戻すことができないものとなり、虚構の中に消え去ってしまった。
なぜか地名が題名の映画にハズレなし
スティルウォーターって?
静かな水?まだ水?
地名でした。アメリカにはいくつかの州でこの地名のところがある様ですが、オクラホマ州のスティルウォーターは州立大学があるのどかな学園都市のようです。
パパが油田に出稼ぎに行っている時にオクラホマ州立大学からフランスのマルセイユの大学に転入しちゃった娘。母親は若くして自殺してしまい、おばあちゃんに育てられた。今のおばあちゃんは肺の病気で酸素ボンベが手放せない。孫娘はおばあちゃんを残してフランス行きを決行したわけだ。ちょっと親不孝だよね。
忙しいさなかに時間を作って、空港に見送りに来た父親のビル・ベイカー(マット・デーモン)。空港の売店で餞別に洋服などを買って持たせてあげる。その娘はマルセイユで不良たちと付き合い、同棲していた女の子を殺害した罪で服役中。どうも真犯人は別にいて、冤罪らしい。石油会社をリストラされて、解体業で日銭を稼ぐ生活に。そんななか、服役して4年のマルセイユの娘に面会に行くことを決めたのだった。滞在するホテルの隣人(カミーユ・コッタン)は夜になっても大音響で音楽をかけてバルコニーで酒盛り中。ビルは文句を言うも、英語はわからないとシカトされてしまう。フランス語が全然わからないビル。面会に行くと、娘から弁護士に届けて欲しいと弁護士宛に書いた手紙を渡される。弁護士に面会するが、手紙の内容のようなことはもうできないと断られてしまう。狭いホテルの廊下で遊んでいる幼い女の子とたびたびすれ違う。大学の教授と会い、娘の冤罪を晴らそうとするが壁に阻まれる。ある日、部屋に入れずに、母親の帰りを待って廊下でひとり座り込んでいる幼女。ビルはフロントに新しいキーカードの発行を依頼して、女の子を部屋に入れてあげた。帰って来たシングルマザーの母親(カミーユ・コッタン)からお礼の挨拶。それをきっかけに娘から渡された手紙を見せると、通訳を買って出てくれて、弁護士や大学の同級生などに会い、解決策を話し合う仲になる。家の改築中にホテル暮らしをしていた親切な母子の家に居候することになったビル。フランス映画だぞ!カミーユ・コッタン(今宵212号室で、パリのどこかであなたと、ハウスオブグッチと最近急に出演作目白押しの好みの女優)だぞ。早く仲良くしないかな~と思っていたが、なかなか一線を越えない。真面目に解体のアルバイトに励むビル。給料は全部渡す。料理も得意。娘とも仲良くなって、もうパパです。オクラホマ州は石油、天然ガスの産出が多く、経済的に恵まれているようですが、住民の収入はあまり高くないみたいで、ブルーカラーの白人男性をマット・デーモンが好演。マルセイユはサッカーチームがあり、酒井、長友らの日本代表が所属していました。多民族都市でもあり、貧困層が暮らす団地の治安もとても悪い。
地下室での若者の告白。とてもショックでした。
寛容とは。
他人だけでなく、家族や自分の人生に対する心構え。
重い現実に耐えて生きるつらさ。
故郷のスティルウォーターの景色が昔と同じにはどうしても見えないというビルのセリフがすべて。
#04 ミネラルウォーターのことではない
このタイトルはオクラホマ州の町の名前で決してミネラルウォーターのことではない。
娘を救う父親の話っていうから、アクション映画かと思っていたらじつはダメダメな父親の話。
娘も父親に期待してなくて、自分もダメ人間だからそのダメさがよくわかるってセリフが悲しすぎる。
フランスで再生するのかと思いきや、元のスティルウォーターに戻ってしまう主人公。
いつか本当に再生できると良いね。
パリではなく「マルセイユのアメリカ人」という仕掛け
一本気だけどちょっと思慮に欠ける直情型、愛情深さゆえの嘘が空回りする状況をつくってしまう、そんな要領のよろしくないアメリカ人を堂々と演じてくれたマット・デイモン。円熟味を増してきたなあ。チェックのシャツはジーンズにイン、いかにもいそうなタイプのブルーカラーもはまり役だ。
言葉が通じなくても愛さえあれば、は事実なんだろうけど一方で、やっぱり言葉は「正確に伝わらないと」運命狂うね。ここにプロットの妙があった。
途中から脚本の方向性は見えてきたけど、いかにも腹に一物持ってそうな娘役のアビゲイル・ブレスリンの演技も秀逸、やりとりが本当の父娘みたいで飽きずに見られた。
白眉はもちろん「スティルウオーター」というタイトルのエッジの効いた回収。
しかしコロナ禍で満員のサッカー観戦会場、どうやって撮影したんだろう。群衆の恐怖が迫るシーンだった。マヤちゃんが無事に帰宅できてよかった!と思ったのもつかの間、、、もっと精神的に重いもの押し付けられてしまった。そりゃ母親なら許せないだろう。
マルセイユの柄の悪い界隈の夜と光溢れる美しい海と空の風景の対照が映像に深みを与えてくれていた。
マルセイユとオクラホマ
マット・デイモンだから観た映画。
父と娘のやりきれない関係。
この父親の中に凍りついたように居座る、自分を閉じ込める何かは、何なんだろう? 彼は、自分の言いたいことだけ伝える、相手と向き合わない、人に頼ったり相談することは難しい。
けれど言葉の通じない国では、助けが必要。
助けを求めることは、彼の何かを変えていくきっかけになったのか?
彼は何をしたいのかな?
どう生きたい? どうありたい?
スティルウォーターはその後の彼にとって、どんな所になるのだろう?
とても良い映画
最後までなかなか見応えのあるスリラー作品でした。
この作品は、単純にサスペンス・ドラマとしても楽しめますが、フランスの南部に位置する、地中海に面したマルセイユという多民族都市を舞台に、多民族共生から起こる価値観の違い、文化の衝突、貧困などについて問題提起しています。とりわけ、マット・デイモン演じる主役ビルは、異文化と衝突する"アメリカ"という国を擬人化させているキャラクターだと思いました。異国においても自分を正義と信じて疑わない彼の行動は、当然受け入れられず、数々の衝突を生みます。
この作品は、異文化における"外国流(ここではアメリカ流)"が通用しない事の教訓を教えてくれます。
*主人公ビルは、"居心地の悪い"外国においても自分の流儀をあくまでも通して行きますが、そんな中で、マヤという少女との交流は唯一心通わせることが出来る経験でした。マヤにとって、最後あの様な別れ方になってしまったのは、あまりにも理不尽なのですが、ビル(=アメリカ)は"同じ過ち"をまた繰り返してしまったようです…笑
*ちなみに、スティルウォーターというアメリカの都市は、人口の8割が白人だそうです。
*予告編ではただのサスペンス映画の宣伝なんですが、深いテーマの作品でした。
オススメ!笑
ヒゲ面に覆われたマット・デイモンの不器用な仏頂面
移民問題、LGBTQ、貧困と差別、リベラルと保守、文化の相違による誤解、シングルペアレントといった、現代の問題をほどよく取り入れた社会派ドラマの様相を呈するが、父と娘の和解の物語といってよいだろう。
ヒゲに覆われたマット・デイモンの不器用な仏頂面は、いかにもオクラホマの田舎の中年といった趣で、世界を知らないアメリカ人が言葉の通じないフランスに一人乗り込んでいく無謀な姿をよく表している。文化の違いによって思うようにことが進まないジレンマもよく表現していた。
言葉というコミュニケーション手段に頼るとうまくいかないことが、意思を伝えようと努力することで愛情さえ生まれるという、ビル(マット・デイモ))とマヤ(リル・シャウバウ)の関係がほほえましい。これをビルとアリソン(アビゲイル・ブレスリン)がしてこなかったということに、最終的にベイカー父娘は気づいて和解する。
ジェイソン・ボーンのようなドキドキと『スポットライト 世紀のスクープ』のような戦略と追跡がなかなか面白かった。
アメリカ人の地元愛・親子愛は世界基準?
ストーリー展開の中でいくつか?マークが頭をよぎる場面もあるが、そこは流石のマット・デイモン!緊張感がラストまで続き見応えあり。
出身であるスティルウォーターがキモになるのですが、地元、親子の絆が最優先の親子、方や移民も多く家族のあり方も多様なフランス。
「アメリカ人だから?」と言う問いかけが印象的でした。
娘役がリトルサンシャインの子だとは・・・
立派な大人の役者さんになってました!
【縛り付けるもの】
言い方は悪いが、この手のアメリカ作品は、アメリカ社会を理解しないとなかなか面白いと感じられないものが結構あったりする。
スティルウォーターのあるオクラホマ州は、中西部にあって、近年、全米50州の中でも安定的に高い経済成長を達成している地域だ。
映画をご覧になった人は、あれっ?と思うかもしれない。
ビルは原油の掘削に携わっていて、油井の停止でレイオフされ、なかなか安定した職を見つけられなかったからだ。
また、新興国の経済発展に伴う原油高から考えても、原油需要は増加傾向で、レイオフに違和感は残るだろう。
オクラホマ州は、もともと産油量の多い地域で、農業とともに産業基盤となっていたが、かなり昔の原油価格の低迷を機に、長い時間をかけて、産業構造の転換を図り、原油の代わりに天然ガスに重きを置いたり、様々な製造業の誘致に努め、安定した経済成長を達成していたのだ。
こうした経済的変化のなかで、取り残され、変化に適応できない人物のメタファーとなったのが、ビルとその娘のアリソンなのだ。
(以下ネタバレ)
アリソンは、そんなビルを嫌い、州立大学からマルセイユの大学に移ってしまう。
その中で起きた事件。
有罪判決。
レイオフされ、マルセイユに長期滞在し、アリソンの無実を立証しようとするビル。
なす術ががなく、孤立していたが、ヴィルジニーやマヤとの出会いで、次第にビルは変わっていく。
しかし、事件の核心に近づくにつれ、独善や見境の無さがあたまをもたげる。
マルセイユでフランス人にアメリカ的だと言われるが、ヨーロッパ人は概ね、アメリカに対してこうした感情を抱いているように思う。
アリソンが解放されたところから考えると、アリソンの終盤の言葉が事実として認められたことなのだとは思う。
しかし、短絡的にアメリカを離れ、短絡的な依頼をし、自分ではなす術もないアリソンも、ビルと同じで変われなかった人物なのだ。
縛り付けるもの。
この作品は、事件そのものよりも、社会の変化に付いていけず、取り残されたアメリカの人々の悲哀を示唆的に描こうとしたのだと思う。
そして、よく考えると、こうした人は、アメリカ社会にだけではなく、日本にも多くいるのではないのか。
最後、ビルが、2度と会えないとしながらも、ヴィルジニーやマヤに想いを馳せる場面は、ある意味、社会変化の犠牲者のような人々にも、自ら変化を求めても良いのではないかと促しているようにも感じられて、やっぱり、示唆に富んだ作品だと思った。
「96時間」みたいな映画を期待してたが違った
リーアム・ニーソン主演のアクション映画「96時間」みたいな作品を期待して見に行った。
でも、アクションは無し。
「犯人探し」的なサスペンスもなし。
むしろ、「親子愛」「親子の再生」が主題だと思う。
予告編もそういう作りにして欲しかった。
あと、フランスの人種差別(移民差別)を通して、米国の同問題にも触れるが、その視点はオマケ的で、深く掘り下げる感はない。
マット・デイモンの演技は良かった。
以前の「良い人」イメージを覆す役柄を選んでるのかな?
「最後の決闘裁判」とか本作とか。
理解しようとするお話
正直なところ、私は最近見た映画は邦画やアジア映画に偏っていて、アメリカ映画はご無沙汰だったように思う。今回、いい映画に出会えたと思った。
見ている映画に偏りがある為かアメリカ映画のトレンドには明るくないが、記憶にある限りでは、今回のスティルウォーターは随分と風景が変わったのかなという印象だった。
アメリカ映画というと、例えば主人公が海外に行った時にもうまい具合に現地で英語に堪能な協力者が見つかって、事件を解決していくというのが、私の持っている印象になる。
(おそらくリーアム・ニーソンの「96時間」の印象が先に来ている気がする(笑))
ところが今回は打って変わって、協力者はいるものの現地マルセイユではアメリカからきたそのままのよそ者で全く受け入れらず出鼻をくじかれる。そこから現地で仕事を始め、英語しか分からないところからフランス語を理解し、好きなスポーツチームはアメフトとはいいつつ、サッカーにも理解を示し、演劇なんて見ないとはじめは言うも同居人の女性のリハーサルを見届ける、1日だけの仮釈放で出てきた娘が海で泳ぎ、後日自分も泳いでみる、そういう風にそれまでの固定的なものを投げ捨てて今その場の環境をそっくり受け入れようと努力する姿は共感せずにはいられない。
異質なものを受け入れていくのは、口で言うのは簡単だが、現実的には頭が割れるような苦痛を伴うこともあるので、主人公の苦労が少なからず分かるような思いがした。
事件の最終的な決着は「そういうことだったのか」という感じである意味悲しくもあるけど、前述のような主人公の姿が描かれていくのを見るだけでも映画館に足を運んだ価値があったと充分に思えた。
父親を演じるマット・デイモンの雰囲気はホントに凄いと思った。小太りで不器用でガンコなオヤジ...だが、目を見ているとその時々の気持ちの揺らぎが伝わってくるような気がしてくる。
人生は冷酷だ。
罪に問われた娘の無実を信じて、言葉もわからない異国でもがく父。その異国が、個人主義のフランスでも特に治安のよろしくないマルセイユで、奮闘する父が、世界は自分たちがすべてと思い込んでいる(そう僕が思い込んでいる)アメリカ人という妙。ニューヨークのイギリス人よりもさらに孤独感と無力感を感じる設定だ。
人間、今の自分の人生の立ち位置に不満がある人は多い。だけど、「人生には、希望を持つときと、受け入れるときがある。」と言っているように、いい意味での運命と受け入れることができれば、心の持ちようは大きく変わる。そんな人生観の変化を、言葉少ないビル(マット・デイモン)から伝わってきた。だからこそ、故郷の景色は娘には同じに見えても、ビルにとっては違って見えたのだと思う。
殺人事件の真相についての描写があの程度なのは、物語の本質が事件を解決することではなく、人が自分の人生をいかに受け入れるか、に置かれているので、構わないのだろうな。
マット・デイモンの滋味あふれる演技が光る良作。
それはそうと、オリンピック・マルセイユの熱烈なサポの口から3番目に名前が上がるほど、酒井が愛されていたことがわかって嬉しかったな。
全136件中、101~120件目を表示