「私は語る、故に私あり」最後の決闘裁判 ユウさんの映画レビュー(感想・評価)
私は語る、故に私あり
父や夫を始めとして男たちの名誉や欲望に翻弄されるマルグリット。
この頃の女性の人権が無かったことは知っていましたが暴行されても暴行罪ではなく夫の所有物に対する器物損壊罪的な扱いには驚きました。
ラストシーンの重厚な決闘シーンは見応えがありましたが一番印象的だったのは決闘中ずっと不安とは違う曇ったような顔をしたマルグリットでした。
ジャンが勝利した後もどこか浮かない顔。
男達の闘いは本人達のエゴによるものでマルグリットにはそれがわかっていたのかと思います。
結果としてジャックの罪が暴かれた形にはなりましたがこの物語もあくまで第三者の視点であり真実と決めることは出来ません。
抑圧されようとも声をあげることをやめないマルグリット、彼女自体がこの物語で示したかった真実のように思います。
私は語る、故に私あり。
所有物ではない、自分の権利を訴える、だから私は人間なんだ。
男たちの争いや欲望なんか関係ない。私と私の子供がいるそれは誰にも否定出来ない真実なんだ。
マルグリットからはそんな力強いメッセージを感じました。
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