劇場公開日 2021年10月15日

「#MeToo」最後の決闘裁判 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5#MeToo

2021年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画の話題となる「脚本」について、「アカデミー脚本賞受賞作『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』以来のタッグとなるマット・デイモン&ベン・アフレックが脚本を執筆している」との触れ込みが多く見受けられますが、実はもう一人の共同脚本者ニコール・ホロフセナーこそ重要な点だと思います。

映画の冒頭はまず決闘当日、まさにその決闘が始まったところでタイトルです。その後、三つのチャプターで「カルージュ(マット)の真実」「ル・グリ(アダム)の真実」「マルグリット(ジョディ)の真実」が語られ、いよいよ「決闘」となります。
14世紀の話ですから、今の倫理観で見ると信じられないことだらけなのですが、先ず以て、この時代において女性には発言の場が殆ど許されず、また史実として、マルグリット視点の記録が全くないこともあり、マットとベンは「マルグリットのパートは女性が書くべきだ」と考えてニコールに依頼をしました。
(映画.comの特集には「さらにマルグリット役のジョディ・カマーも会議に参加させ、積極的に意見を反映していったという。」と解説がついています)
この映画のポイントとしては、そんな時代においてもマルグリットは「泣き寝入りしたくない」と声を上げる決意をする#MeTooの話です。
3人の「真実」が食い違いを見せる点が黒澤明監督の『羅生門』を例に挙げて比較されますが、そもそも、レイプをした男とされた女性の証言が食い違うのは当然です。
「そんなつもりはなかった」いや、「思うところ」はされた側にあるのです。しかし、この話は14世紀。
果たして結果はどうなることかは観てのお楽しみですが、決闘シーンはやはり大きなスクリーンでないとね。

TWDera