「神は裁かない、ただ勝者を祝福するのみ」最後の決闘裁判 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
神は裁かない、ただ勝者を祝福するのみ
職場でセクハラ問題が発生した際、聞き取りをすると、確実に証言が食い違います。確実にね。
冗談のつもりだった。
みんなに笑って欲しかった。
あれは、スキンシップ。
仲良しの証のつもりだった。
全て断罪されたのですが、罪状認否で、容疑を認めた被疑者は皆無です。つまり、セクハラの意識、罪の意識が、初めから最期までなかったことになります。このような悪意無き罪は、これからも現れることでしょう。だってそれは不死身で、しかもヒトの心の裡に棲む。そしてある日、私達の胸を突き破って出て来る。そう、エイリアンのように。
事実はひとつだとしても、ひとつの事実が導き出す正しさは、ヒトの数だけあるようです。この映画はひとつですが、どう受け止めるかは、御見物によって大きく変わる気がします。そもそも真の主役が誰なのか、意見が食い違いそうなお話です。
非道い目に遭わされた自分を圧し殺す時代は終わり、たとえセカンドレイプに等しい証人喚問を受けてでも、闘う時代が、訪れるようです。エイリアンと闘う覚悟、お持ちですか?。
そしてリドスコおじさんは、たとえそれが過去であれ、未来であれ、私達にバトンを渡そうとしているみたい。受けとる覚悟のある方は、前へ。ちょっと恥ずかしい方は、取り急ぎ映画館へ。男臭で、むせ返りそうな映画ですが、女性に観てほしい。みんな観てね。
「デュエリスト」
私、観てないですけど、リドスコおじさん、中世決闘もの創るのは、二度目だそうです。一体、リドスコおじさんは、何と果たし合いしようとしているのか解りませんけど、本作と併せ観ることで、リドスコおじさんの心の裡を、垣間見ることができるかも。見てはいけない深淵をね。
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