劇場公開日 2021年11月26日

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「孤独な人達に、ひとりじゃない」ディア・エヴァン・ハンセン ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0孤独な人達に、ひとりじゃない

2021年12月4日
iPhoneアプリから投稿

ひとりじゃない
君を見つけるよ

友達のいない孤独な少年エヴァン。
同じく孤独な少年が自死したことをキッカケに、彼は友達であったと家族に嘘をつく。

それは悲嘆にくれる家族を慰めたい優しい嘘。
同時に、幸せな家族に入り込む嘘でもあった。エヴァンはどうしようもなく孤独だったから。

コロナ禍で世界中に孤独で苦しむ子供達がいる。SNSで繋がっていても、埋められない圧倒的な孤独感。

エヴァンは人に、同時に自分に「独りじゃないんだ」と訴える。
誰かに友達のことを語りながら、彼の秘めた気持ちを打ち明ける。
彼の優しさ、寂しさ、何よりも孤独を感じ、涙が止まらなかった。

物語は、都合よく終わってはくれない。

偽物の夢から覚めた彼は、今度こそ自分と向き合い、前に進み出すー。

      ♫ ♫ ♫

冒頭から始まるエヴァン役#ベンプラット の独唱がもう言葉を失うくらい素晴らしい✨
なんて美しい声✨
これまで聴いた歌声で、私の中では最高の声のひとつ。

歌と演技が一体となり、彼はエヴァンだし、エヴァンは彼なくしては存在しない。

(補記)
コナーの家族から見れば、エヴァンは嘘をつき、家族に入り込んだ恐ろしい人物ともとれなくもない。
ただ、家族は、とくに母親は分かってるんだと思う。自分がエヴァンに嘘を望んだことを。エヴァンが孤独な子供で、ほんの少し優しさを間違えてしまったことを。
束の間でも家族であったからこそ、キッカケを間違えても、だからこそ、彼の本質を弱さを理解することが出来た。
私はそう思う。

ホラー好き