劇場公開日 2021年11月27日

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「特殊な映画だけど、評価は分かれるかなぁ…。」ザ・レッド・チャペル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5特殊な映画だけど、評価は分かれるかなぁ…。

2021年12月4日
PCから投稿

今年194本目(合計258本目)。
そもそも公開されているのが、シネマートさん系列だけみたいですね。

北朝鮮に(合法的に)潜入して何があるのか…を描く実話ものになります。
とはいえ、余りにも不穏当な部分はカットされているのか、やや変なコマ割りになっている部分も多少あります。
普段、私たちが想像する北朝鮮と余り変わらず、「実際に潜入して動画を取ることができた」という点、それ自体の評価は高いと思います(まぁ、北朝鮮は激怒していると思いますが…)。

それよりも個人的には、同伴者の方の扱い、つまり、身体障害者の方を連れて行くことのほうが気になったところです。
北朝鮮で何か起きても満足な医療はもとより7割程度の医療も難しいでしょうし、映画内で触れられているとおり、北朝鮮では「障がい者」というのは「いないことにされている」ことになっているからです。

 ※ ただ、ここは日本の手帳基準で考えると1~2級のような重度身障を指すもので、片耳が少し遠いかなぁ…(6級)くらいだと、普通にいますし、それまで「いないことにしてしまう」と「間引き」がすごいことになるので(もっとも、かの国に身体障害者の等級基準があるのかすら不明)、そこはある程度(皮肉なことに)「合理的に」線を引いているんでしょうね。

 当事者(私も手帳上は内部3,3の2級扱い)でも、あのように利用して北朝鮮に訪れて「騙したように使う」というのは、やや配慮が足りない(エンディングロールでも、この点については何の記述もない)かなという印象はあります。一方で障がいをお持ちの方にも移動の自由や国外旅行の自由(日本では、憲法22条が規定)が適用されるのは当然のことなので、結局「道義的にどうか」という点は、もっぱら「作内で、障がいがあることを理由にいいように話を持っていく」という彼ら(作者側)の扱いにになります。とはいえ、ここも「こうした点には良心の呵責はあったが…」とあるように、一応のフォローはされてます。

こういう作品が作られること、公開されること、それ自体も、憲法などは違っても、多くの国では思想良心の自由や表現の自由が憲法等で実質的に定められている国が大半であり、それは同じはずです。この点については、付随して出てくる「障がいをお持ちの同伴者に対する配慮が足りない」という点は言えますが、それも含めても表現の自由に含めるべきでしょう(もちろん、作品内で「生きる価値がない」とか、「作者が」言い始めたら、それはそれで問題になってしまう)。

評価にあたっては下記を参考にしました。

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(減点0.3) やはり上記のことに尽きるのであり、この作品は(一部、余りにも不穏当過ぎる部分はカットされたのだとは思いますが)実話です。そうであれば、満足に医療を受けることをおよそ期待できない北朝鮮に、脳性まひの患者さんを連れて行く…というのは、「何かあったときに責任が持てるのかな…」というのは強く思いました(映画として公開されているということは、当然解釈として「特に問題はなかった」ということになりますが、それは結果論に過ぎない。

この点についての配慮がほぼほぼなく(「良心の呵責はあるが」程度しかない)、結局、「北朝鮮の当時(作品は2008~2009年ごろとのこと)を暴く映画」と見ることも可能ですが、意地悪な見方をすれば、「何かと厚いもてなしを受けやすい、「わかりやすい障害」であるところの彼をうまく使った、というように取ることもあり、後者であれば、この問題は作内でも触れられている通り、「「北朝鮮における障がい者の扱い」がよくわからない」点を問題提起したいのか、「ドキュメンタリー映画としては理解できても」、内容が「特殊すぎる」ため、どちらかに絞ったほうが良いのでは…と思いました。

 ※ 人によっては、気分を害する方もいるのでは…とも思えます。
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yukispica