劇場公開日 2021年12月17日

「空振りでも振ることに意味がある」私はいったい、何と闘っているのか サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0空振りでも振ることに意味がある

2021年12月19日
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鑑賞方法:映画館

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安田顕がどこかのインタビューで「私の主演作で過去最高」みたいなことを言っていたので、結構期待していた本作。こういうヌルッとしたコメディ映画、好きなんですよねぇ。

こりゃ面白いなぁ笑笑
安田顕が最高にいい。超適役だなぁ。
すごくホッコリする期待通りの良作でした。

地元密着型のスーパーウメヤで主任を務める伊澤春男(安田顕)、45歳。父としての威厳を見せたり、レギュラー争いで差し入れ作戦を考えたり、店長昇進への妄想を描いたりと、彼の頭の中は毎日戦場と化している。

安田顕がもうたまらなくいい。
ファブルの時みたいに超渋くてカッコイイ役もいいけど、やっぱり安田顕と言えばこういう冴えない役だよね。妄想を膨らませたり、独り言が出ちゃったり、ひとりの世界に入り過ぎちゃう伊澤春男を演じれるのはこの人しかいない。何やっても空振り。カッコ悪くていつも失敗ばかり。でも、優しくてどこかカッコイイ。すごく好きな主人公だった。

安田顕以外のキャラクターも面白い。
小池栄子や岡田結実、菊池日菜子に小山春男の伊澤一家の会話は微笑ましくて暖かい。家族仲良いな〜、お父さん愛されているな〜。こんな家、羨ましいなぁ。
スーパーの従業員たちもいい人ばかり。ファーストサマーウイカが高井さん!?演技力高いし、何よりオーラが消え去っているのがすごい。清水さんも金子くんも、実はいい人なんだろうな。

テンポも良くて見応えもある。
間延びすることも無く、ちょうどいいボリューム感。安田顕主演の「家に帰ると妻がいつも死んだふりをしています」は、かなり薄味で印象に残らない映画だったけれども、本作はゆるーい映画なのに印象に残るシーンばかりで、勇気と元気を貰える素晴らしい作品。あっという間だったなぁ...

でもやっぱり、こういう系の映画ではあるあるなんだけど、別に映画館で見なくていいかなぁとは思っちゃう。今どきこの手のドラマは売れないのかもしれないけど、映画の方がもっと売れないと思う。せっかく面白い作品だから、映画館じゃなくて個人的にはテレビで見たいかな。普段ドラマは見ないけど、これだったらハマってみる気がするし。あと、映画にしてはちょっと粗い。

でもでも、大満足でした。
安田顕、サイコー!ファブルからのギャップサイコー!

サプライズ