ラストナイト・イン・ソーホーのレビュー・感想・評価
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もう少しわかりやすければ。ひっぱり過ぎかな。
周りから見たら、おかしくなってるようにしか見えない。
さぁ、どうやって伏線回収するのかな?と思ってたら、なんだ、そういうことって感じでした。
なんかもうちょい捻りあるんかなと思ったんです。
え、これだけ?って感じで、物足りませんでした。
なぜ、死人が見えるのか?
結局、アンディって、エロイーズと関係ない?
途中、エロイーズとアンディに関係あるんかなと思ってたんですが、、。
結局、サンディが殺された幻影って、事実と違ってるし、殺された男たちのことも、殺した側に間違ってるのって、なんだそれ??っていまひとつ納得できる展開ではなかったです。
薬盛られた件は、どうなったんです?
まあ、私には、合わなかったんですね。
美女二人
ストーリーは巧妙で面白かったけど細かな所で期待とは逆へ行く所があって、ちょっと、うーんとなってしまう所が多かったかな。
個人的には殺し方が毒殺とかもっとスマートだったら結構好みだったと思う。
時をかける統失少女
若者が夢を抱き憧れのロンドンで新生活を始める
日本で言うなら東京に上京するみたいな感じだろう
都会はネオン輝く一見華やかで綺麗な街だ
だがそのネオンを作っている下では汚い大人達で溢れかえっている
そんなのは当たり前なのだ
私も若い時に夢を持ち東京に出た事がある
何も持っていない若者が都会で何か大きな物を手に入れたかったら汚いこともしなくてはいけないのだ
それはどんな時代でも変わらないことだと思う
リアルは綺麗事ではすまないのだ
何も持っていないならパトロンを捕まえて寝ることなんて当たり前
全てがそうだとは言わないが
芸能系や夜の世界ではそれが現実なのだ
もちろん卓越する能力のある若者は手を汚す事なく夢を叶えるのはあり得る事だと思う、だがそんな人間はほんの一握りだ
そんな考えがある私にはサンディの考えは全く共感できなかった
綺麗事だけではなく夢を叶えると言う覚悟がその程度なら諦めるべきだし
最悪の手段を使う前に嫌なら抜け出せることもできた
第一にそんなに権力者に抱かれまくって芽が出ないなら才能がないから諦めろ
映画としての展開に必要であってもどうしても上記の考えがある私には深みに欠けたなという印象が拭えない
前半はテンポも良くとても好きだったが
後半が本当に勿体ない
まず主人公のエロイーズ!
お前は警察署じゃなくて精神科病院に行け!
話はそこからだ!
そしてジャックのミスリード!
わかりやすすぎてドヤって感じでネタバラシされても
『でしょうね』って感じでこっちは冷めきっている
最後に1番納得いかないのが、サンディの実は殺されてませんでした。って反則ではないか?なら今までエロイーズがサンディの追体験をしてたのは事実ではなく、
ところどころ事実も混ざってるし嘘もあるよ!って事になるよね?そうなると物語自体どうなの?って印象になるし、本当に後半が勿体ない。
この映画を端的に表現するなら
ミッドナイトインパリとプロミシングヤングウーマンを足して2で割って最後に粗悪なフェミフレーバーを入れて出来上がり!
最初の飲み口は凄く良いけど後味が本当に最低でチープ
それでも前半と音楽が良かったから星は2.5で
サンディが可愛かったから+0.5です
何も知らない田舎娘
今でも昔でも変わらず芸能界系をやるのなら、相当すごい能力を持っていて輝いている人以外には、パトロンやスポンサーを付けるために寝る事は当たり前だしそれが普通の世界だと思う。
それを知らなくていきなりそういう事になるのは怖かったのはもちろんなんだけど、殺すほどなら諦めて普通に暮らすことを考えるなぁ、私ならね。
あのおじさん達もお金や自分の持ってる人脈を使って女の子達を売り出していくのを手伝うために、お金のない女の子達を抱かしてもらってるはずなのに…。
それが当たり前の世界に生きてる人達だから。
最終的にあのマネージャー?ぽい男がしつこくて怖かった印象のみかな。
どっちにも共感できないし、期待しすぎた感強い。
ストーリーは私的には微妙だったけど、映像は良かった
期待しすぎたか?
評価がめっちゃ高かったので結構期待してしまったせいか
思ったほどの驚きや興奮はなかった。
前半のエリーとサンディがシンクロして60年代を彷徨うシーンが長すぎだ。
この映画はホラー、ミステリー的な予告で期待したのにそう言った要素は期待よりだいぶ薄く
どちらかと言えば、60年代サンディが夢見たミュージシャンに絶望する青春要素が強い。
なので後半のホラーミステリー要素が出てくることになんとも違和感を感じずには居られなかった。
殺されたはずのサンディが生きていることは設定としてずるいと思ったし、
車に撥ねられた警官も足を洗えと言ったやつだと割とわかりやすかった。
またラスト大家が寝た男たちを大量虐殺していたことなど、
あまりにも唐突な告白で、ホラーミステリーに無理やり落ち着けている感じが
してならなかった。
この物語はホラーではなく、エリーとサンディが同じ夢見る若者として
シンクロして夢が叶わず絶望することを共感する青春ファンタジーに位置付ける方が
しっくりきたと思う。
ホラーとしても怖くないし、ミステリーとしても事件自体が曖昧な感じになってて
全てがラストででっち上げる感が個人的には受け付けなかった。
ただ主演の二人はとてもキュートで可愛かったのでプラス★0.5。
アニア・テイラー=ジョイの存在感
アニア・テイラー=ジョイはこういった超自然な美女役がものすごくハマりますね。人間じゃない感じ笑。
オカルトにしてはまあまあ面白かったですね。
私は基本的にオカルトは好きじゃないんです。どんなに理屈が通らなくても文句のつけようがないから。いかに理不尽であっても「オカルトですから」が免罪符になる。
この映画で言えば、主人公だけが”力”を持ってて「幻影」は彼女にしか見えないって設定もなんだか。あばあちゃんの言った”力”って伏線だったのかよ?! そのせいで「急に都会に出たので神経病んだ」みたいに勘違いされちゃってドツボにはまる、ってとこはトワイライトゾーンみたいで面白かったけど。
そして最も騙されたのは、エリーに幻影として見えているのが「誰にも知られていない*事実*」だと思っていたら、事実ではなかったこと。殺されて幽霊になってると思しきサンディは死んでもいないし、殺した側じゃないかよ(生霊か? だからどんでん返しになるんですが笑)。それはだまし討ちだろ? 「オカルトですから」何でもありなんですね。「私はある意味あの部屋で死んだのよ」そうですかはいはい。
....まあ、そういうところを突っ込む映画ではないのかもしれませんね。若干期待が大きすぎたうらみもあります。映像美とか音楽とか、そういったものを楽しめばよいと。オカルト嫌いは個人的な趣味なので。
エドガー・ライト監督も私の中では特に可もなく不可もない凡百の監督。特に感銘を受けた映画もない。あ、「ショーン・オブ・ザ・デッド」は面白かったな。あれはサイモン・ペグがいいんだ。
最悪版「魔法にかけられて」
事前情報として、日本公開当時に注意喚起のツイートが回っていたことだけ
内容としては男性による女性に対する性的搾取が色濃い作品のため、性的被害にあった被害者はフラッシュバックに気をつけろ、というもの。
性的被害で嫌な思い出があるからこそ見なくちゃ、と思い、これは一種の自傷行為のようだな、と思いながら見た。
ネオンの鮮やかさと女の子たちの美しさ、そのコントラストとして彼女たちを性的搾取する男どもの醜悪さがえぐすぎる
田舎からデザイナーを夢見てロンドンに向かったうら若き女の子エリーが主人公なんだけど
彼女が60年代デザインの系統がすきなこと、田舎だから有名ブランドの実習経験もないのもあって、
入寮早々都会育ちの同級生に服もばかにされるし田舎なこともばかにされるし、
タクシーのおやじは田舎出の女だからと馬鹿にしたクソセクハラをかますしで
私は田舎コンプレックスなのでめちゃくちゃキレてた
タクシーのおやじもといいや~なナンパ巻くために適当なお店にはいって時間をつぶしお店の外に対象がいないか確認するとかだいたいの女性は経験あるでしょ
時間は有限なのに人の人生の邪魔すんじゃねえ
田舎から出てきて同年代にも芋っぽいと馬鹿にされる子が素敵な女性に魅せられてどんどん綺麗になっていくという、
女性版マイフェアレディ展開が大好きなんだけど中盤まではまさにそれで最高
私はプラダを着た悪魔とかも大好き
エリーが美しくなるきっかけとなるサンディがほんとうにきれいで美しくて、
でもそのサンディにあこがれるというよりサンディまんまになるエリーに可愛いけれどぞっとする違和感を感じさせるところがすごい。
冒頭からわりとそうなんだけど、明るくテンションのあがるような曲たちとエリーの身の置く環境の気まずさ、
綺麗になってだんだんサンディになっていくエリーとその違和感、
中盤サンディが Land Of 1000 Dancesとともに踊るシーンの明るさと死んでいくサンディ、
ずっと音楽の明るさと描かれてる状況のちぐはぐさが気持ち悪くてすさまじい
エリーがあこがれていた60年代ロンドンの実際がサンディの生きていた時代というのもなんともつらい
部屋を通してサンディの体験を追体験していく際に最初はジャックとの駆け引きを楽しんでいるような恋をしている乙女を感じさせるところが見てて辛すぎた
大人からみるとそんな都合のいいことあるわけない、搾取されてるだけなことがわかるから
ジャックは今でいう夜職スカウトマンみたいなもんだよな
夢をみてこちらにきた女の子に恋愛枕営業みたいなことして性欲を満たすだけ満たして働かせて自分はそのお金で生活してるヒモなのあまりにもクズすぎてびっくりした
これ書きながらジャックとの出会いの場面を見直してるんだけど、
サンディの魅力を見出したのではなくワンチャン抱けて金にもなる女、だろうし
サンディが惹かれるきっかけになったかもしれないクソおやじを殴るシーンもサンディを侮辱されたからではなく自分がヒモであるという図星をつかれたから、なんだよね
吊り橋効果もあるし、地下の暗から光まぶしい地上まで手を引いて連れてってくれるのってずる過ぎる
俗説かもしれないけど人間は好意的感情を抱いている人間に対して眩しくみえるというのをどこかで読んだことがある気がする
ソースは探したけど見つけられなかった
ところで夢の中で処女喪失するの嫌すぎない?ジャックを演じたマットスミス自体はドクターフーが好きなのもあって大好き
死にたくなるような、というか過去に殺したころの自分のような子があの頃の自分と同じ部屋に住みだしたら結構つらくない?見てるのもつらい
あのときのサンディにエリーみたいな子がいてくれたら、と思うけどどうあがいてもサンディの過去は過去のことでしかなくて
過去の人間を救うことはやっぱりできないんだよな、できたとしても自分にしかできないと思う
過去の感情を清算できるのは自分でしかなく、ずっとその経験に苦しめられ続ける
忘れたり少し軽くなることはあってもその経験を完全に消すことはできない
だからエリーがサンディを救うことはできない
でもエリーがそうならないように、手遅れにならないように自分を守ることはできる
幸いエリーにはおばあちゃんも彼氏もいて、誰もいなかったあのころのサンディとは違う
作中で鏡がいろんな用途で出てくるけど、刑事さんが鏡を見ろ、といったその中にいるエリー、鏡を見なかった世界にいるサンディ、
エリー側はまだ間に合う側だとすると、心を病んで自殺した、鏡の中にいる母親も同じように手遅れになってしまったのかなと思う
母親のエピソードが語られてはいないけどもしかしたらロンドンにいって同じように搾取される側になって心を病んで死んでしまった、はありそう
あの部屋で殺された男たち、救ってほしくて、サンディを殺してほしくてエリーに助けを求めているのであればあまりにもお門違いのボケカスすぎる
死んで当然ぜってえ助けてやるもんかと思ったしそのまま死んだほうが社会のためにもなると思う
あの嘘っぱちのオーディションのランウェイでサンディが歌ってい恋のダウンタウン、
サンディの歌をちゃんと聞いて、魅せられていたのはエリーだけで
ジャックもオーナも聞いてなかった恋のダウンタウンを最後エリーの最高のランウェイで流れていたことに気づいて
ようやくあの時のきらめきを昇華できたこと、サンディが望んだ舞台に連れてこれたようでうれしかった
ところで排水溝からにおいがってもしかして死体があるからってこと?
リンジーは言葉足らずだと思う
おしゃれなタイムトラベルから、ジェンダー問題を絡めたホラー、伏線を徐々に回収しサスペンス。最後は友情・愛情・成功譚と。
1本に映画にして、非常に満足感のある映画だった。
タイムトラベル初期のわくわく入れ替わり表現。
鏡や見切れを使ったサンディとエリーの入れ替わり。
テンポ良く進むかつ、おしゃれでこれだけでも、ずっと見てられる!
劇中でも目覚めたけど、まだあの夢を見ていたいって掛け布団をもう一度被るシーンがあったけど、まさにその気持ち。
ああ、気持ちいい!最高!
からのもうあの夢なんか見たくない!ってかあの家に帰りたくない!っていう
真逆の方向転換。
サンディの辛さ、サンディを苦しめた人たちの惨たらしさ。
特殊な力を通して直にその辛さを味わうエリーの気持ちが、見ているこちらにもダイレクトに恐怖を感じた。
エリーがラストシーンを過ごして周りの人と上手くやっていけているといいな。
ジョンはもちろんのこと、ジョカスタだって、少しやっかみがすぎるだけで、そんな悪い人じゃないと思うし。
純朴な少女が魅せられて、見せられて
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。
ベイビー・ドライバーを見てから、エドガー・ライト監督の作品を追いかけています。
田舎で育ち、1960年代に憧れる幽霊が見える少女が、デザイナーの夢を叶えるためロンドンに上京。ロンドンの環境に慣れない主人公は、ワンルームを借りて生活することに。そのワンルームで、1960年代を生きたとある女性の生きざまを体験する。
エリーがサンディの経験を追体験することで、現実世界での情緒に影響を受けている部分は、見ていて楽しかったり、とても心苦しくなったりしました。サンディが夢の第一歩を踏み出すシーンなんかは明るい気持ちにもなれましたが・・・。
現代でジャックだと思っていたお爺さんが、実は元警官だったというのは、なんとなく展開として読めていた気がします。サンディやエリーが自暴自棄になったり精神的に追い込まれていく場面の表現は、エドガー監督らしい表現だった気がします。
事実を知り、大家さんに階段で追い込まれているシーンの演出には少しくどさは感じましたが、部屋に逃げ込んで電話を架けるのを邪魔される部分は息を呑む表現でした。男性の幽霊達が訴えかけてくるシーンは、自分としては、幽霊達はそう思うかもな、とハッとさせられましたし、サンディもお前らも自業自得だろ、というとても複雑な気持ちにもさせられ、いいシーンだったと思います。
最終的にエリーは立ち直りロンドンの生活にも馴染んだ様子でしたが、あのような女の子があれだけの経験をした中で、どのように生活に戻れたのかが結構気になりました。そこの部分も見たい気がしますが、それはそれで蛇足感もありそうです。
全編を通じて、見る人によってはエリーにイライラするかもしれないな、と思いました。ジョンがいい奴で完全に清涼剤ですね。
この作品を見て、やはりエドガー・ライト監督はイギリスや音楽が好きなんだな、と改めて感じました。ベイビー・ドライバー程ではないにしろ、音楽の使い方に特徴ある作品だと思います。
サンディ、エリーともに、女優さんがとてもきれいな方でした。
ある夜、ソーホーで
見る前は昨秋同時期公開の『マリグナント 狂暴な悪夢』と混同してしまった。
夢か現か、精神を病むヒロインを主人公にしたホラー。
実際見てみると、全くの別物。
あちらはジェームズ・ワンがエンタメ性に寄ったバイオレンス・ホラーなのに対し、こちらは鬼才エドガー・ライトのハイセンスさが光るサイコ・ホラー。
ファッション・デザイナーを夢見てロンドンにやって来たエロイーズ。
ソーホー地区にあるデザイン学校に入学し、憧れのロンドン生活を満喫…の筈だった。
内気な性格で寮暮らしに馴染めず。田舎出身で60年代ファッション好きの彼女をルームメイトらは小馬鹿に。(ジョカスタ、マジムカつくヤな女!)
ある夜、不思議な夢を見る。そこは、60年代のソーホー。
とあるクラブへ足を踏み入れると、彼女の姿は別人に。歌手を夢見るサンディと身も心もシンクロし…。
現実世界では冴えないが、夢の中では真逆に。
誰だって妄想ぐらいした事あるだろうし、映画のネタとしてもそう目新しいものではない。
が、ライトはそれを実に刺激的に料理。
現実世界の内気さとは打って変わって、夢の中のサンディは自信家で小悪魔な魅力。
夢の中の“彼女”に憧れ、彼女をイメージしたファッションをデザインし、彼女のようなブロンドヘアにイメチェン。
ようやくロンドン暮らしに馴染み、夢へ歩み始めたかと思いきや…。
サンディは単なる夢の中の憧れの産物か。
にしては、妙にリアル。時々見てても、エロイーズのパートが現実なのは勿論だが、サンディのパートも単なる夢の中の話には思えなくなってきた。
ある夜エロイーズは、サンディが殺される夢を見る。以来、不気味な亡霊や幻覚を見、精神が蝕まれていく。
そんな精神状態の中でエロイーズは、サンディが60年代のソーホーに実在した女性である事を知る。
夢を通じて、同じ場所の異なる時代で繋がれたうら若い二人。
サンディは殺された。そしてその凄惨な事件の真実を知る事に…。
元々人には見えない“何か”が見える不思議な力があるエロイーズ。その力で度々、鏡の中に自殺した母の姿を見る。
彼女が60年代のサンディを見るようになったのは、寮を出てからの古い下宿での一人暮らしを始めてから。
厳格な老女が大家。昔から多くの若い女性がここに住んでいたようで、その中にはサンディも…?
唐突で非現実的な設定ではなく、前振りや伏線を貼り、奇妙な体験にリアリティーをもたらしている。
シンクロは深くなり、夢と現の狭間が分からなくなり…。
毎夜夢に見るサンディは、過去からの助けの声なのか…? 現実世界で見る亡霊の幻覚は何なのか…?
夢か現か見る者を翻弄させ、夢は過去の現実だった。
その現実(リアル)で起きた殺人事件。
サンディや事件の真実はなかなか衝撃的。
新作発表ごとに才気が弾けるライトの巧みな語り口に引き込まれる。
本当にライトの進化には驚かされる。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』ではコアな映画ネタのコメディで映画ファンをニンマリさせたかと思えば、前作『ベイビー・ドライバー』では抜群の音楽センスとそれに完璧にシンクロしたカー・アクションが素晴らしかった極上快作。
『アントマン』の監督降板は残念だったが、お陰で自分の作りたい作品の中で自分の手腕や才気を十二分に発揮していく。
次ライトはどんな作品で魅せてくれるのかと思っていたら、びっくり変化球!
60年代のロンドンを舞台にしたキャリア初挑戦のホラー。しかも、これまでのユーモアを一切排し、シリアスでダーク。
しかしそれでも、自身のセンスと嗜好を濃縮。
本作は、ライトが愛してやまないという60年代英国カルチャーをたっぷりと投入。
あの時代にタイムスリップ…なんて、その時代を知らない私が知ったような事は言えない。
が、赤、青、闇…光と影を駆使した鮮烈な映像美。
クラブなど60年代を再現したセット、本当に60年代のような雰囲気が感じられる街並みのロケ。
妖しくも美しい世界観に魅了される。
主人公はファッション・デザイナーの卵。お洒落な60年代英国ファッション。その相乗効果もあって見所の一つであり、衣装もヘアメイクもキャラを表す重要要素。
『ベイビー・ドライバー』に続き、劇中彩られる楽曲の数々。私は音楽に疎く、60年代英国音楽なんてまるで知らないが、ライトが厳選チョイスした音楽センスには虜にさせられる。本当に今回も、展開や作品世界やキャラの心情とベストマッチ!
衣装や音楽のみならず、今回も健在の映画ネタ。
作品自体、60年代英国サイコ・スリラーからインスパイア。他にもオマージュや小ネタが満載だという。
個人的に楽しませて貰ったのは、『007』ネタ。夢の中で60年代にタイムスリップした時、劇場に『サンダーボール作戦』の看板。クラブで“ヴェスパー”という名のカクテルを注文し、バーテンダーは“ジェームズ”。一人暮らしを始めた下宿の大家老女は、『女王陛下の007』のボンドガール、ダイアナ・リグ。
ひょっとしたらこれが縁で、ライトが次の『007』の監督になったり…?
そうなったら楽しみだが、コメディ、SF、アクション、ホラー、ドキュメンタリーと多岐に渡るジャンルを手掛け、次は…?
ちょっと期待したいのは、ミュージカル。楽曲センスは申し分なく、劇中でも開幕歌って踊るエロイーズやクラブの舞台で歌唱パフォーマンスを披露するサンディなどのシーンからかなり期待出来そう。MVも手掛けているという。どうでしょう、ライトさん…?
何はともあれ、ネタが尽きない監督である。
トーマシン・マッケンジーとアニヤ・テイラー=ジョイの若手二人にパーフェクトKO!
田舎から出てきたばかりで垢抜けないナチュラルなマッケンジーのキュートさ! ジェニファー・ローレンス似の都会に感化されたイメチェン。精神状態破綻寸前の渾身の熱演。『ジョジョ・ラビット』で見る者を魅了した彼女がまた一歩、飛躍。
当初はエロイーズ役だったらしいが、結果的にサンディ役で良かったと思う。妖艶で自身に満ち溢れていて、男たちを魅了。謎めいた佇まい。それらがアニヤのビジュアルにピタッとハマり!
甲乙付け難く、ライトの才気と共に、この二人の存在が作品をより魅力的にしている。
若手以外でもいぶし銀のテレンス・スタンプら英国名優キャスティングにライトのこだわり。中でも、大家老女=ミズ・コリンズ役のダイアナ・リグが場をさらう。オチ含め重要キャラ!
さて、そのオチ。感じた事も兼ねて、ネタバレチェックをして、触れたいと思う。
その昔、殺されたと思われたサンディ。当時を“よく知る”ミズ・コリンズが衝撃の真実を明かす…。
実はミズ・コリンズこそ、サンディ。サンディは殺されたのではなく、生きていた。
いや寧ろ、事件の被害者ではなく、事件の犯人。
自分を食い物にしようとする男どもを次々と、この下宿の今エロイーズが住んでる部屋でめった刺し。
亡霊はミズ・コリンズに殺された男たち。未だ成仏出来ずこの世をさ迷い、エロイーズに助けを乞う。
ミズ・コリンズの刃はエロイーズにも向けられる。
夢の中でシンクロして、時を経て奇妙な繋がりを持った二人。まさか、殺すか殺されるかのショッキングな展開に…。
…と話の流れはそうだが、私はちょっと別の印象も受けた。
ミズ・コリンズ…つまり、サンディも“被害者”なのだ。
歌手になるという夢を見て、このロンドンにやって来たサンディ。
そんな彼女をたぶらかし、娼婦の仕事をさせたクラブのポン引き。
そんな彼女をお楽しみ目的で買った男ども。
多くの人を殺めたサンディの行為は許されるものではないが、男どももゲスい。
エロイーズもそうなってたかもしれない。
これは突飛な解釈かもしれないが、精神錯乱状態に追い込まれながらも、エロイーズがミズ・コリンズと同じ過ちをしなかったのは、過去からのサンディの声。警告や助けでもある。
ラスト、炎に包まれゆくミズ・コリンズは哀しく憐れ。
でも、これでやっと彼女の哀しみと憎しみに終止符が。
数奇な運命で異なる時代、同じ場所で繋がれた二人。
私の中のもう一人の私。
光と影。
魅惑と背徳。
最後はしっかりヒロインのサクセス・ストーリーとして締めて、意外や後味も良し。
ライトが誘うきらびやかでめくるめく60年代ソーホーの夜に酔いしれる。
素直に面白い
自分は「主人公が 頑張って ピンチになりながらも努力して 最後に目的を達成する体の作品が好き」です。この作品はまさにそれ。さらに 映像美あり 映像的な驚きあり ドンデン返しあり 努力の末のハッピーエンドありの自分的には、2021年の2トップの映画でした。
そのため、思わず ソーホーって何か(縫い物の町かと思って)調べたら、本当にあった街の名だったことを知りました。
この監督の他の映画も見ようと思いました。
ロンドン繁栄の影
2021年ベスト映画。
現代と60年代のロンドンを舞台に2人の少女が時代の闇に取り込まれていく様子をエドガーライト監督が当時のロンドンカルチャーを完全再現した怪作。
本作はとにかく音楽が印象的だった。特に冒頭のA World Without Loveに合わせて愉快にダンスする主人公で完全に引き込まれた。
主人公がロンドンに移り、環境に飲まれていき、それに伴って、ストーリーや展開が大幅にシフトする要所で音楽が効果的に使われていて本作の世界観に浸れたのだと思う。
本作はサイコロジカルホラーとして、純粋に楽しむことも出来るが、当時のロンドン繁栄の影となっていた犠牲にフォーカスしていて現在にも通じるものがあり、監督の問題提起となっていたと感じた。
傑作…。"ホラー"とはこのこと
公開からかなり遅くなってしまいましたが、観ました…。
傑作です。本当に傑作。
まず、これは普通のホラーではありません。
ミソジニー、男尊女卑という名の、本当にあるホラーです。
冒頭からエロイーズ(エリー)が何か鏡を通して見ることができるということが分かります。
60sが好きなエリーは夢のロンドンに大好きなファッションを学びに行きます。そしてタクシーに乗ったその瞬間から、"ホラー"が始まります。
「僕が君のストーカー1号だね」と言うタクシーの運転手、パーティーにて下ネタで女子たちに絡む男子…。
ルームメイトの女の子とも上手くいかず、早々にエリーは老女ミス・コリンズに部屋を借り、一人暮らしを始め、そこでサンディの夢、追体験が始まります。
シンガーとして成功することが夢なサンディは、敷居高いカフェ・ド・パリに出向き、女の子の束役であるジャックと知り合い、夢に向かって突き進む…と思いきや、そこに待っていたのはミソジニーの連発でした。
売れるためには男にサービスをしなければいけない。
最初こそ体を売ることを拒みますが、男に服従している他の女たちを見て、彼女も彼女自身を"殺して"体を売り始めます。
その様子を追体験しているエリーですが、エリーの目からしてもサンディが日に日に弱っていく様子は見るに堪えないものがありました。
苦しみながら男に体を広げるサンディを見る毎日に、エリーの精神も崩壊していきます。
そして遂に付き添い人のジャックに押し倒され、血だらけになっているサンディを目撃し、エリーは限界を迎えてしまいました。
ゾンビの男たちが日常に現れるようになり、最早サンディと自分が曖昧な状態でサンディ殺しの犯人探しをするエリーでしたが、なんと家主であるミス・コリンズが、本名アレキサンドラ・コリンズ、要するにサンディであることが発覚。
血だらけになっていたサンディはジャックを殺した血飛沫を浴びていたのであって、彼女は殺されておらず、それどころかサンディの体目当てで着いてきた男たちを何人も殺していたのです。
ミス・コリンズに殺されそうになるエリーに、ゾンビの男たちが「助けてくれ、彼女を殺せ」とヘルプを求めながら受話器を差し出しますが、彼女はその願いを聞き入れず、部屋になんとか入ってきたミス・コリンズと向き合うことを選びました。
エリーは、サンディが殺される様子をずっと見続けていました。
サンディは夢を正当な方法で叶えたかったのに、実力を生かすことすらできませんでした。
どれだけ辛く、悲しく、絶望したか。
「私はずっと囚人だった」と言ったミス・コリンズ
エリーの「生きて」という懇願は聞き入れず、もう遅いと言って炎の中に残りました。
これは男尊女卑というホラー映画です。
男社会に殺された何人もの女性の物語です。
ゾンビに追われて絶叫するエリーの姿、何度も映りましたね。
男に都合よく扱われ、食われるとは、あれ程恐ろしく、自身の尊厳を貶めることだということです。
誇張ではなく、あれが真の姿です。
エリーは最後、デザインで高評価を受け、拍手喝采を浴びます。
これは、まだ男尊な男(ドライバーのような)はいるけれど、女性も能力を活かせる世の中になりつつある、という現代の希望を表しているのではないか、と感じました。
また、エリーを献身的に支えるジョンも、女性と対等な男性が現代には増えていることを表していると思います。
素晴らしい映画でした。
まだ男尊な日本では、絶対に作ることができなかったでしょうね。
憧れのロンドンだけど…
学生寮を出たあと辺りから
もうじわじわ怖くって😱
さすがエドガーライト!な、懐かしい音楽とステキなファッション満載で、まぁすっかり魅入っていましたよ🎀
うっかり私もエロイーズと一緒に
煌びやかな夢と鬱の行き来に迷い込んでしまいました。
サンディとエロイーズが本当に可愛くて
2人に感情移入しきった頃には
完全にホラー映画になっていました😭
ジョンが最後まで普通で居てくれて良かった💦
彼までどうにかなってたら、頭おかしくなる所でした。
60年代、男性上位な世の中で
才能ある若き女性を食い物にする悪い奴!
サンディが抱えてきた感情が怨念となるのも分かります。
結果、女性が最強で最高でした🔥🔥🔥
(男性には申し訳ないですが🙇♂️)
迷ったけど、やっぱりエドガーライト作品
観ておいて良かった。
言葉にしなきゃ!!
面白い作品でした!!(^-^)
でも、「発語」出来るなら
半世紀以上待ってやっと、その“力”を
持った女の子がやって来たのだから
始めっから、「あいつに殺された」
「この恨み晴らしてくれ」
「警察に通報してくれ」と言えば
あんなに苦しむ事なく人々が命を
落とす事もなかっただろうに...
他にも色々ツッコミながら楽しんで
鑑賞させて頂きました。
女優をキュートにとらえる天才エドガー・ライト
個人評価:4.3
素晴らしく2人の女優をキュートに撮れている。
序盤のストーリー展開もテンポよくポップに流れ、60年代のファッションと音楽に引き込まれる。
またサンディの魅力にこちらも魅せられ応援し、心配で見守る立場に。その分最後まで好きでいたかったか。
最後は屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカを意識した様な結末だったので、愛すべき孤高のキャラクターでサンディを終わらせてほしかったのが本音。
しかしながら流石のエドガー・ライト。リリー・ジェームズのキュートさを開花させた様に、本作では2人の若き女優をますますステップアップさせる様に、キュートで美しくとらえている。
ラストで首根っこ掴まれて壁に叩きつけられたような衝撃を受けた
色々と書きたいことがあるが、個人的に最後のシーンが衝撃的過ぎたのでネタバレありの感想となることをご容赦頂きたい。
概要を簡単に。夢で60年代のロンドンにタイムリープしたエロイーズが、歌でのしあがろうとしているサンディの体験を、追体験する。序盤は華やかなのだけれど、途中から雲行きが怪しくなり、サンディは男達の性のオモチャとして扱われ、そして殺害されてしまう。その犯人をエロイーズが現実で突き止めようとするもの。
いきなりネタバレだが、サンディは生きていて、エロイーズが住み込んだ家の大家をしている。最終局面でエロイーズが心霊現象に耐えかねて、大家に相談を持ちかけたところ大家は自身がサンディであること、そして多くの男たちを殺害して家に隠していることを白状する。白状した理由は、エロイーズに毒を盛ることに成功したからだ。冥土の土産といったところだろう。
エロイーズが自由の効かない体で必死で逃げたのは自室。鍵をかけるもそこにはサンディに殺害された霊達が沢山いてまさに絶体絶命。逃げようにもドアの外には凶器と狂気を携えたサンディ。鍵を開けたらあの世行き。さらに詳細は省くが家には火の手が上がっており、このまま籠城することもできない。
すると多数の霊によってベッドに縛り付けられてしまう。壁を破ってできた霊に殺される——、かと思いきや受話器を取って「警察を呼べ」「サンディを殺せ」と言うのだ。
エロイーズが見た夢では、各男達が性的な目的で金にものを言わせてサンディを弄び、最終的にサンディを殺害した。
だが現実ではサンディが多くの男達を殺していて、男達の霊は今でも呪いのように部屋に住み着いている。
真実を知ったエロイーズは霊達と手を組んで、部屋から脱出して大団円——。
かと思いきや(2回目)エロイーズは驚くことに私の推測と霊の救いの手を拒んで、サンディ側についたのだ。サンディは歌でのし上がることを夢見ていたが、性の対象として扱われ自分を守るために男達を殺害していった。その苦しみがエロイーズは理解できると言ったのだ。サンディは悪くないと。
このエロイーズの判断がこの作品をただのサイコ・ホラーで終幕させない深みを出している。性の問題、人権の問題、自由の問題。多くの問題を提起しているようにも見えるし、それでいて、霊側についた場合大どんでん返しになるのに、敢えてそうしない構成。すごい。
この作りは私の想像の斜め上をいった。こんなエンディングは見たことがないし、思いつきもしなかった。絶賛。
最も驚いたのは上記だけれども、他にもサンディとエロイーズが鏡越しにいる映像にも驚いた。どのように作られたのかすらわからない。
ストーリーも撮影・編集・加工技術も素晴らしい作品だと感じた。
ただ、1点だけ気持ち悪い部分が残っているので4.5とさせて頂く。
「エロイーズが見た夢が現実と違った理由」が明かされていない点だ。仮に霊があの悪夢を見させていたのだとしたら、「サンディに自分たちが殺された」と訴えかけるために現実の、ありのままの夢を見せたであろう。ではサンディの怨念のようなものがそうさせたのかというと、ストーリーの根幹になる部分なのに支えが弱すぎる。
恐らく後者で、サンディにとって、あるいは女性にとって、夢を奪われ、道具のように扱われることは、殺されたと同義であることを伝えたかったのだと思う。だとしたならば、もう少し支柱を立てても良かったのではないかと思う。
とはいえ気になるのはそれくらいで、とにかく観賞後に「すごい!」と驚嘆した映画となった。大満足。
性的なシーン。出血のシーン。そして霊が苦手な方を除いて、是非ともお勧めしたい1作だ。
素敵な悪夢
主人公にとっては夢、
彼女にとっては現実の悪夢。
ため息の出るような、
60年代ロンドン、
だけど、
暗い所あってのハイライト。
金、力、差別、
その濁りが、
華やかさを産み、
溺れていく…
軽快だけれど、
偏った愛について語る曲と共に、
現実、過去から、
追い詰められる主人公。
クライマックスで、
語る意外な包容に、
驚きと共に涙。
呪いの様な、
神様からのギフトに対して、
受け入れた主人公は、
2021年の忘れられない一人。
立場が弱い時代であっても女性は強いんだな、と。
いわゆる‘見える系‘ではあるもののこれが心霊系なのか他人の記憶読める系なのか分からないまま進んだため奇妙さがより際立っていた。主人公が単におかしい可能性もあったし。
これが、普段から様々な幽霊が見える描写があればありがちな‘幽霊お助け物語‘で陳腐な作品になっており途中で席を後にしていた。その場合はせいぜい、星3が良いところ。
(日本人が作るとそうなっていたかも?)
鼻の下を伸ばして近づいてくる男が気味悪くて見てる途中泣いてしまいました。
思わずギュッと抱きしめたくなりました(←気味悪い男)
これは妄想なのか誰かの記憶なのか夢なのか自分の将来を暗示しているのか、などなど考えてるうちに完全に世界に引き込まれた。
散りばめられた60年代の音楽や情景と現代がうまくシンクロしていた。
報復の仕方はあれだがサンディが強い女性でスッキリしました。
不憫な過去にもかかわらず元気なサンディにもお前だったのか!と思いつつ、安心もしたし元気そうでよかった!という謎の感情になった。
殺める位追い詰められていたから不幸には変わりはないが。
最後、霊として現れた清々しい表情をしたサンディとエロイーズの指タッチに最初の涙とは別の意味で泣いてしまいました。
予告は正直つまらなそうだったが見てよかった。直観は大体当たるが稀にこういう作品に当たるからフラッと映画館に行くのがやめられない。
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