「悪夢に翻弄されて・・・」マリグナント 狂暴な悪夢 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢に翻弄されて・・・
2021年(アメリカ)ジェームズ・ワン監督作品。
タイトルの『マリグナント』は“悪性腫瘍“を意味する単語だそうです。
マディソン(アナベル・ウォーリス)は、夫の暴力を受けており、
ある日、何者かが夫を殺害する。
直後、マディソンは3度目の流産をしてしまう。
それからは、まるで現実にその場にいるようなリアルで恐ろしい
《悪夢を見るように》なった。
夢と現実が入れ替わるシーンが、
壁がびろーんと伸びたり、家具がザクザクと崩壊したり、
映像的にかなり美しいがゾッとするシーンが続く。
そして、続けて起こる医学博士たちの連続殺人が
マディソンのせいではないかと疑われてしまう。
不気味な病棟〜
イマジナリーフレンド(空想上の遊び仲間!?)〜
妊婦と胎児〜
などなどのホラーテイストが次々と散りばめられる。
どうもマディソンの過去に秘密があるらしい。
前半は静かな映像の中に“ガブリエル“と呼ばれる悪魔が、
醜い存在をチラつかせる。
後半はまるで別の映画のようにスピード感あふれて、
恐怖の連続で息つく間もありません。
(パフォーマンスダンス専門の女性が吹き替えた、
(クネクネ関節バラバラ踊り・・・これは見もの!!)
マディソンの実の母親はレイプによって妊娠して、
出産後、自分では育てられぬと養子に出された過去。
しかしながら養母に慈しまれ、血の繋がらない妹も、
マディソンを深く愛してくれていた。
結局は《家族愛》礼賛のホラーアクションかも!?
惨殺場面の見せ方!!
音楽とグロテスクな描写。
凝りに凝った複雑なストーリー。
さすがのホラーの巨匠=ジェームズ・ワン監督。
芸術的かつ斬新で満足度の高い作品でした。
殺人現場に転換していく部分の絵の造りがとても凝っていて美しくて、なのにシリアルキラーのシーンは容赦なくグロくて、ジェームズ・ワンさん分かってますよね。