「ジェームズ・ワンてんこ盛り」マリグナント 狂暴な悪夢 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェームズ・ワンてんこ盛り
DV夫に悩まされる妻が、ある日夫が"何か"によって殺され自分も流産してしまったことを境に、"何か"が殺人を犯すところを目撃するようになる話。
"何か"の正体がわかるまでは、今までのジェームズ・ワン作品の要素が散りばめられてる。
例えば、地下でガイドをしている女性が"何か"に襲われて目が覚めると、ってシーンの見せ方は完全に『SAW』。どんな恐ろしい器具に拘束されているんだ!?と期待してしまうぐらい(笑)他にも家の感じ『死霊館』っぽいし、「悪魔」という言葉が出てきた時にやっぱり悪魔のせいなのか!?と思ってしまう様な思わせぶりな演出も。
そうやって過去作の要素を出すことで"何か"の正体を1つずつ潰していきながら、さらにホラー映画あるあるの主人公の女性頭のおかしい人として捕まりがち要素、冒頭貞子っぽい髪の長い"何か"という要素を全部回収して、正体が明かされていく気持ちよさよ。
ホラー映画を見た後って後ろに何かいないかふとした時に怖くなることあるけど、今作を見た後はそれより怖い、自分の後ろに何かついているかもしれないという怖さが付きまとう。しかも後ろに本当に何も付いてないかは絶対に確認できないんですね。あぁ怖い(笑)
モンスター系のホラーなので多少は笑えるとこもある。特に私は怪物が警官に結構長時間追われるのが、怪物がこんなに追われてるシーンあんまり見たことなくて笑ってしまった。ここもあとから思えば伏線だったのだろうけど、ヒョロい警官を一撃で仕留められない怪物と得体の知れない怪物をどこまでも諦めず追っかけていく警官の姿が滑稽でした。
あとは怪物の造形が中学生の時に見た遠い記憶の『ゼイラム』を思い出したなぁ。