「悪夢が現実に…」マリグナント 狂暴な悪夢 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢が現実に…
『アクアマン』や『ワイルド・スビート』の製作にも携わってきた、ジェームズ・ワン監督が、オリジナルストーリーで描く、エンターテイメント性の高いホラー・ムービー。
ホラーは、基本的にはそれほど好きではないが、レビューもこの手の作品にしては、なかなか高かったので、鑑賞。初っ端からグロい映像も散りばめられていたが、基本的にはスプラッター系のホラーではなく、謎の殺人鬼の正体が次第に明らかになっていく過程を、よく練られたサスペンス的な恐怖によって展開されていく。
夫のDVをきっかけに、得体の知れない殺人鬼が、事件を起こす現場に居合わせる悪夢にうなされるようになった主人公・マディソン。そしてその悪夢が、現実の殺人事件へと発展していく。その事件の真相とマディソンの悪夢の謎の解明に向けて、妹のシドニーと2人の刑事が立ち向かう。そして、殺人鬼の意外な正体には、ワン監督の手腕を大いに感じた。しかし、あの場面、シュワちゃんの『トータル・リコール』でも観たような…(笑)
前半は、見えない殺人鬼との対峙の中で、殺人鬼が、いつの間にか自分のすぐ後ろに忍び寄る恐怖に、ドキドキ、ハラハラさせられる。後半は、ホラーというより、SFモンスター的な色合いが強くなる。見終えてから振り返ると、正体に繋がる布石がいくつも撒かれており、そのシーンでは、何となく「あれ??」と違和感を感じたのも確かである。まあ、あまり深く考えないで、素直に観た方が、正体が明らかになった時の衝撃を楽しめると思う。
主演のマディソン役のアナベル・ウォーリスは、トム・クルーズ主演の『マミー』で主役級に抜擢された女優さん。ワン監督とも『アナベルの死霊館の人形』でもコンビを組み、、恐怖に怯え、惑い、憂う演技がアナベルの美しさによってより引き立ち、観る者を魅了する。