「殺戮の天使」マリグナント 狂暴な悪夢 ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)
殺戮の天使
休日の朝、ふと劇場へ行こうと思い立ってちょうどやっていたのがこちら。
(エターナルズは中座なしで乗り切れる自信isナシ。。)
始まってすぐ、そういやホラー耐性あんまないんだけど大丈夫かな?となったけどセーフでした。ヘレディタリー行ける人ならぜんぜん余裕だと思います。
客席は10代と思しきグループが多かったりと正しい層にリーチしてたしほぼ満席でした。
大枠としては子供の頃に母(70代)から聴いた都市伝説みたいな話。
割と早めにネタがわかってしまうので、種明かし待ちタイムがやや長かった。
アイデア自体はいいと思うし、ホラー描写はさすがの安定感だったけど、残念ながら予想外のことは起こらなかったなぁ。。
まあきっちり楽しませてもらったので全体的にただの贅沢なんですが。
80〜90年代のホラーものの志向を強く感じて、ノスタルジックな気分にはなれました。
小難しいことは言わないけどしっかりエンタメ、でも基本はドラマ重視だっていう感じが。
音楽の使い方がわざとらしくダサいねぇ(好感)。
sawの時は新時代のホラーみたいなイメージだったけど、御年44歳の監督としては近年は原点回帰みたいな感じかしら。
子供の頃に心動かされたものを長じて手がけるなんてクリエイター誰しもが憧れるだろうけど実現はとても難しいだろうし。
ただ呎は題材からいけばちょっと長い。この内容なら途中の連続する事件のくだりをもう少しタイトにやって100分くらいに収めてくれたらもっとありがたい(膀胱的にも)。
キリスト教における大天使ガブリエルは、マリアをはじめとする人物たちに受胎を知らせる優美な青年として描かれる…と。つまりは皮肉なネーミング。
彼が実はエミリーの望みを代行してるだけなのでは?という実存の揺らぎ方向に持っていくことも可能だったわけですが、話が長くなるし内向きになるので避けたのかな(DV問題もあるし救いのないオチになってしまう)。
とにかくアッパー系でウジウジしてないのは確か。
ただドラマ的にも、デザイン的にも、彼のキャラにもうひとひねり欲しい感じ。
正直見ただけではそんな怖くはないし、グッズが欲しくなるようなフェチ感も弱かった。
もしも続編作るならその辺を頑張ってほしいな。