劇場公開日 2021年11月12日

  • 予告編を見る

「70年代〜80年代B級ホラー映画への愛溢れるオマージュ」マリグナント 狂暴な悪夢 Sleepyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.070年代〜80年代B級ホラー映画への愛溢れるオマージュ

2021年11月18日
スマートフォンから投稿

「SAW」、「死霊館」、「インシディアス」とハリウッドのモダンホラー界を常にリードしてきた鬼才ジェームズ・ワン監督の最新作「マリグナント」を鑑賞。「アクアマン」の世界的な大ヒットに恵まれ、今ハリウッドで最も信頼されているヒットメイカーの一人とも言われている。この監督の映画は人によって好き嫌いが分かれるが本作でも正に「やりたい放題」。彼は自分が撮りたいものを必ず一定のクオリティで成し遂げてきた。それがどんなに内容がくだらなくてもとにかく見せ方が上手いので彼の映画は全てテンポが良くて見ていて飽きさせない。
「マリグナント」は彼が時たまやる「オマージュ」作品で80年代のB級ホラーの「あの感じ」への愛溢れるオマージュ描写にホラー映画ファンとして感動してしまう。

特に本作はアート色が強く、ダリオ・アルジェントの映画を愛してきた者なら誰でも少し懐かしさを感じてしまうのではないか。カメラワーク、わざとらしいスモークを使った霧の演出や色合いなど、同監督は恐らく70年代後半から80年代のホラー映画から多大な影響を受けたのだろう。あまりグロテスクな要素に拘らず、サスペンスをメインに持ってきている辺りも好感度が高い。そしてアクション!本当アクションを撮るのが上手い監督。

かつてジェームズ・ワン監督は「狼の死刑宣告」というオマージュ映画を撮っていたが今回もその時と同じような感動があった。これからも期待大の監督だ。空気を読まずにがんばれジェームズ!!

Sleepy