「キャストはメジャー、中身はマイナー系 - 映画「ai i」」i ai 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
キャストはメジャー、中身はマイナー系 - 映画「ai i」
森山未來と瑛太が出演している。豪華。
逆に中身はマイナー系の映画のノリだった。
マイナー映画が好きならそのマイナーさを楽しめるかもしれないが、メジャー映画のエンタメ性を求めて観ると辛いかもしれない。
# せん妄、薬物中毒
せん妄のような表現に関しては「ボーは恐れている」みたいな現実と妄想が入り混じった世界を目指したのかなと思った。
薬物中毒の演技・映像表現に関してはジョニーデップ主演の「ラスベガスをやっつけろ」が素晴らしかったので、理想的にはあんな感じにしたかったのかなと思った。
# ブルーハーツ
ブルーハーツは大人になれなかった子供達でなおかつ多くのファンを獲得したが、この映画の登場人物たちは成功しない。
# ひぃ兄のカリスマ性が
もっとあれば魅せる映画になったんじゃないかと思う。X Japan の hide のイメージみたいに「カリスマ性のあるトリックスター」だったならば。
ただこの映画のひぃ兄は単に変人っぽいだけで、魅力の部分が弱かったと思う。
# エンドロールが終わっても
最後、主役のコウが映画館の観客に向かって話しかける。
「俺たちは映画の中で生きていた。こちらの世界とそちらの世界には隔たりがある。だがお互い、エンドロールが終わってもそれぞれの道を歩もう」と。
非常にメタ的で観ているこっちが恥ずかしくなってもおかしくなさそうな演出だったが、このシーンは良かった。
もう今では誰もしない「詩の朗読」のようなことをワンカットで、熱い気持ちでカメラに向かって語るのだ。
この役を演じる冨田健太郎は3500人のオーディションから選ばれたらしい。
# ヤクザ
ヤクザの親分的な人物が出てくる。最初は怖いヤクザが後半に人生訓のような良いことを言うっていう展開はフィクションにありがちだが、あまり良くないと思う。
# ガリガリガリクソン
ガリガリガリクソンみたいなバンドメンバーが出てくる。お調子者でイラッとさせてくるタイプ。
# ビニール袋
映画館で苛立たされる音を出すお客にはパターンがあるが、今日は何やらビニール袋から食べ物を取り出して食べているらしきおじいちゃんが近くにいた。
なぜそんな音の出やすいアイテムを持ち込んでいるんだろうか。