「リペアの力?」ミラベルと魔法だらけの家 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
リペアの力?
ミラベルは、例えば悩みや願いが山ほどある、普通の女子高生の感じ。メガネが可愛い。
終盤、ミラベルの魔法は? と考えて、まず「復活」「復興」の言葉が浮かびましたが、日々、自分を励ましつつ頑張っているミラベルならば、壊れ物の「修繕」ぐらいでいいのかなと思い直しました。
グランマがだんだん怖くなる
小さな町の活気の源になっているマドリガル家。家はカシータと言う名を持ち、一家の人たちに魔法を授ける大きな存在。祖母アルマーは子や孫の支柱となりつつ、カシータと街を守っている。
その祖母の責任感の強さが、娘や孫に大きなプレッシャーとして、いつしか重くのしかかっていた。魔法を得られなかったミラベルに至っては、アルマーとの距離がどんどん広がってしまっている。イサベラの結婚話が水に流れて、祖母の憤懣は頂点に達する。
魔力がだんだん弱くなる
アルマーが命に代えても守りたいカシータは人々の守護神ではあるけれど、その誕生には哀しい事件が絡んでいた。そして気づかぬうちに、カシータにも一家の心にも、亀裂が広がっていた。
頑張ろうとしても人は、重圧や寂しさや疲労から、少しずつ擦り減っていくものです。回復はもちろん出来ますが、耐えねばならない。
足取りはゆっくりと確かに
閉鎖されたエンカウントと言う世界の中心で、カシータは崩壊寸前だったと言うストーリーだった訳です。すぐに崩れる砂の部屋はその象徴だった。
傷つかないものはないから、割れた鏡を丁寧に繋ぎ合わせていく、ミラベルのリペアの力こそが明日に向かう魔法?
マドリガル家の中で、ミラベルにだけ魔法が授けられなかったのは何故? と言う問いには、特別な力に押し潰されない、普通の存在も必要だから……が答えになるのでしょうか。